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#noteフェス「体験価値のニューノーマル」から考えたこと。

9月2日(水)〜9月5日(土)の4日間、noteフェス がオンラインで開催されました。各日程のセッションは、アーカイブでこちらからご覧いただけます。

今日は、9月4日(金)に開催された「体験価値のニューノーマル」のセッションに参加して考えたことを書いていきます。ゲストは、ホテルプロデューサーの龍崎翔子さんと「sio」オーナーの鳥羽周作さんです。

このセッションに参加したいと思った理由

昨年の秋頃から、仕事旅行のカスタマーサポートをやっています。
体験は少人数ながらも、人と人が直接会うものになるので、今回の新型コロナウイルスの関係で、いくつかの体験が中止や延期となりました。

受け入れ先のホストと相談をしながら、オンラインでの開催も増えていますが、実際に現地へ行き、リアルな場で仕事の体験と学びを得ることを大切にしています。そのためその「場所」に制限がかかってしまい、催行が難しくなっていたことは、お客さまへの対応をしていくなかで、悔しさのような葛藤を感じていました。

また、個人ではイラストを描きながら、グッズの販売をしています。
昨年からイベントの出展をはじめ、今年もいくつか申込みをしていましたが、対面のイベントはすべて中止に。オンラインショップも作りながらも、リアルなお客さんからの反応や、対面でしか得られないことも多いのだなと気づきました。

たとえば、お客さんから「このイラストでポストカードはないのですか?」と質問をいただいたり、どのイラストが人気なんだとか、お客さんの表情や言葉からどんな商品を求めているのか、小さなヒントを得るのが難しくなったように感じました。

「場所」と「体験価値」はいつもセットなのだろうか?
どちらかが形を変えてしまったら、成立させるのが本当に難しいのだろうか?

リアルからオンラインへと移行していく流れのなかで、「ホテル」と「料理店』」と、実際に場所を基盤としているお二人の話を聞きたいと思い、申し込みました。

「リアル」と「オンライン」、境界線をひいていたのは自分かもしれない

約一時間のセッションを聞いて驚いたのは、お二人とも今回の新型コロナウイルスによって、「とくに何も変わったことはしていない」と話していたこと。
今の状況に関係なく、ずっと「お客さんに喜んでもらうために何をしたらいいのか」をずっと考え、提供しているとの回答でした。

「リアルな場でしかできない」「オンラインしか選択肢がない」と選択肢はどちらかしかないように、制限や境界線をひいてそう思い込んでいたのは、自分だったのかもしれない、と気がつきました。

また「どちらかしかない」ではなく、これは一つの可能性が拡がったということでは?とも考えました。

リアルとオンラインは対極のようで「つながる」意味では同じ。
お客さんの環境や状況にあわせて「心地いい方の関係を選んでもらえる」と、お客さんとっての選択肢がひとつ増えたということではないだろうか。

もしかしたらオンラインで商品を購入してくれた方が、いつか対面でのイベントで足を運んでくれるかもしれません。

龍崎さんも鳥羽さんもお話の中で「コロナであろうとなかろうと、やることは一緒」と仰っていました。状況は変化しても、興味を持ってくれた、来てくれたお客さんに喜んでもらうことをやっていくことには変わりないのだと、あらためて背筋が伸びる思いでした。

好きだった言葉とエピソード

最後にお二人の話から、個人的にとくに好きだった言葉とエピソードを。(本当はすべての言葉を書き残したいぐらい、素晴らしいセッションでした。なのでぜひアーカイブを見ていただきたいです)

鳥羽さんの『感動した!」と言ってもらえるぼくの料理には、圧倒的な戦略とロジックがある』のnoteを見て、実際にお客さんが来店されたときのこと。お客さまがそのスープを飲まれたあとに「本当に薄いですね(笑)」と言われたそうです。

「sioさんのスープを飲んでみたい」とお店に行き、スープの薄さを答えあわせにきたこのお話が微笑ましくて好きでした。そしてこれが「オンライン」からお客さまとつながりが生まれて、「リアル」へと続いていくことなのかな、と思いました。

もうひとつは、龍崎さんの「どれだけ知っているのかが体験価値が上がる」の言葉です。何も知らない状態で体験をするよりも、事前に知っていた方がお客さんも楽しめるとのこと。

ホテル業や接客業(もしかしたら職人世界もそうかもしれない)は、どこか舞台裏を見せるのはずっとタブーとされてきました。でもホテルができあがっていく様子は、めったに見れない経験です。

ホテルが完成していく舞台裏をずっと見守り続けることで、自分自身も一緒にホテルを作り上げていく気持ちになり、完成したら宿泊したくなる。そして宿泊した時に、「あぁ、この部分は苦労していたところだな〜」と答えあわせをしたくなる。その結果、普通の宿泊よりも宿泊の体験価値が上がります。

裏事情を伝えることが『おもてなし』の一つ」そう言い切る龍崎さんの言葉は、どこか頭をガツンとやられたような衝撃でした。

お客さんが答え合わせにきてくれるようにしたい

「場所」と「体験価値」の組み合わせは、たしかに強いです。
でも実はセットでしか成立できないわけではなく、たとえその場所で体験していただくことができなくても、お客さんに喜んでもらうための工夫や届けられることはたくさんある。

リアルとオンラインが融合している今だからこその「体験価値」があるかもしれないし、それを見つけてみたいとも思いました。
そして、いつかお客さんが笑顔で答えあわせに来てくださるように、ブレない自分のスタンスをもっと考えていきたい。

龍崎さん、鳥羽さん、最所さん、noteのみなさん、素敵な企画をありがとうございました!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。 あなたにとって、幸せな、素敵なことがありますように!