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~母の話~理想的な母の姿

 はるか昔の話。
私が入社三年目、世の中の景気が良かった時代…
当時うちの会社はとても羽振りがよかった。
私が入社した年はなかったのだが、その年は新入社員の親御さんを会社に招き、それぞれ子供さん達が配属された職場を見学出来る、というイベントがあった。
遠くからみえた親御さんには交通費や宿泊の費用なんかも出していたんだと思う。
何組かの親御さんたちが私達の職場にも訪れていた。子供がどんな職場でどんな人達と働いているのかを見れるのは、親御さんたちにとって良い企画だなぁ…なんて思いながらその様子を見ていた。

そんな中、隣の職場にみえていたあるお母さんが目に留まった。
お父さんらしき方はおらず、お母さん一人でみえているようだった。とても腰の低い方で、ひとりひとりに丁寧にご挨拶してみえた。
子供への愛情の深さがとても伝わってきた。「○○君のお母さんだって!」
と誰かが教えてくれたのだが、私はその新入社員の子はもう辞めたと思っていた。
聞けばどうやらその彼は、体を壊し入院しているようだった。辞めたわけではない事をその時初めて知った。
「子供はいないのに、この機会にわざわざ職場の人たちに挨拶にみえたんだなぁ。遥々遠い所から新幹線で何時間もかけて…」
と思うと、ますます感動した。
これぞ母のあるべき姿だなぁと…

そして後にそのお母さんは、私のお義母さんとなった。
馴れ初め話はいいとして、そのお母さんの存在が
私にとって、彼に良いフィルターをかけた事は間違いないだろうw

後から聞いた話によると、お義母さんはあの後
旦那が入院している病院まで、電車とバスを乗り継いで来たそうだ。
知らない土地で右も左もわからない田舎のお母さんを、入院している息子の元に連れていったのは、まさしく母の愛の力だろう。

そしてそんなお義母さんは当然、初孫だったうちの息子から始まり、孫たちもひとりひとり本当に可愛いがる。
毎年5人の孫達には、必ず誕生日プレゼントを贈る。うちの子たちの物は、事前に何が良いかと私にリサーチし、悩みながら選んでくれているようだ。それが楽しみなんだと言う。
うちの息子なんてもう成人してるのに…

あと、ある夏休み帰省した時に驚いたこと。
凄い雨と雷の日にカッパを着て準備をしているので、この雨の中どこに行くのかな?と思い見ていると、庭にいる4匹のワンちゃん達が雷を怖がるからと、雷が鳴り止むまでずっとそばにいてあげていた。
恒例のようだ。家の玄関は狭くて入れてあげられなかったからと。
ペットにも深い愛情を注ぐ。

私にも気を使ってくれる。本当のところ嫁としてどう思われているかはわからないがw、多分大事な息子が選んでしまったパートナーだから、うまくやろうとしてくれているんだと思う。
遠く離れて暮らしていて、たまにしか会わないからかもしれないが、20年以上経った今でも嫌な思いをした事がない。

それが本当の母のあり方だと思う。大事な存在が幸せでいられるように願い、計らい、見守る。
母性溢れる人。理想的な母の姿…

私もあんな風になれるだろうか。
少しでも近づけるように見習っていこう。

お義母さん、先週も娘の大好物の明太子を送ってくれてありがとう!
いつもいつも感謝していますよ✨

お付き合い頂きありがとうございました。
次は😺ねこ一匹目😺を迎えた話を綴ろうかな!
またお付き合い頂ければ嬉しいです😌

おやすみなさい











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