食文化ということへの疑問
先週のカンブリア宮殿に森ビルの社長さんが出ていたね。麻布台ヒルズと言うのを最近オープンしたんだけれども、その売りが食文化なんだそうだよ。だけど、食文化と言うのは、本当に文化なのかなと疑問を感じるんだ。
例えば古代ギリシャを考えてごらんよ、食べた後に哲学的な議論をしたり、劇場で悲劇や喜劇を見ることがやはり文化だよ。それはキリスト教にも受け継がれていると思うんだ。例えば、パウロが書いたローマ人への手紙一四章一七節で「神の国は飲食ではなく、義と、平和と、聖霊における喜びとである」と言っているんだよ。
やはり食べると言う事は、文化と言うよりは、生活なんだね。生活の基盤が食べることなんだよ。もちろん食事に創作や独創性を盛り込むこともできるとは思うよ。だけど、基本的には素材の方が大きなウェイトを占めているんだよ。
そして、食事と言うのは生命を維持するためのもので、その生命を使って何か創造的なことをする自由の方がやはり文化なんだと思うよ。
森ビルの社長さんが、東京を世界と戦える都市にしたい志はとてもいいと思うよ。しかし、上手い食べ物屋が多いとか、そんなことで世界では勝てないよ。やはり世界には精神的により高度な文化と言うものが必要なんだよ。
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