誓いを立てることの効用 ささいなことでも、重ねれば大きな違いになる
昔、アメリカにリンカン大統領と言う人がいたけれども、この人の誓いの言葉というのがあるんだよ。
それは、何人に対しても悪意を抱かずと言うことだったんだよ。
この言葉はリンカーンが死の3ヶ月前にやった演説に出てくるんだけれども、それで有名になって、リンカーンと言えば悪意を抱かずと言われているんだね。
これがリンカーンがアメリカで神様のように尊敬されている理由の1つなんだよ。
多分リンカーンは、そのずっと前から、この悪意を抱かずと言うことを自分の誓いとして立てていたようだね。
当時はアメリカが2つに分断されていたけれども、やっぱり今と同じだね。この国は常に2つに分断されてばかりいるんだよ。
当時はもちろん奴隷解放をするかしないかと言うことで分かれていたし、今で言えば妊娠中絶を認めるか認めないかで分かれているんだろう。
それは結局権利と言うものを、無制限に誰にでも認めるか、それとも制限するかと言う違いなんだろうね。
理想的に言えば、人間の権利を無条件で認めたいけれども、現実を見れば制限するのが理性的である場合もあるしね。
誓いを建てると言うことに戻るけれども、リンカーンが有名になったのは、悪意を抱かないと言う、こんな些細なことだったんだね。
でも、こんな些細な事でも、誓いを立てて守ろうとすることで、10年ぐらいすると見違えるような違いが出てくるわけだよね。
この誓いと言うことで言えば、仏教にも4つの広い誓いというのがあるんだよね。
それは無限に仏教の教えを学ぼうとする誓い、そして、人間の煩悩を無限に断っていこうとする誓い、そして、仏道を成就しようとする誓い、最後に多くの人々を救っていこうとする誓いだよ。
仏教では、菩薩と言う存在がいて、この菩薩は悟りを求めつつも、苦しんでいる人たちを救おうと、広くて、固い決意を立てていると言われていて、こうした誓いを立てているわけだね。
このように誓いを立てると言うのは、心の中でやることだけれども、実際に毎日守っていくことで、とてつもなく大きなことになることもあるよ。
例えば家具メーカーのニトリと言う会社があるだろう。
あんまりニトリには行かないし、どちらかと言うとIKEAの方が好きなんだけれども、このニトリの社長さんは、世界の人々に豊かな暮らしを与えたいと言う誓いをずいぶん前に立てたそうだよ。
それから少しずつその誓いを実現するために、手を打っていくうちに、日本を代表する家具販売店になってしまったんだよね。
だから近いと言うのは、ささやかなものでいいんだよ。
リンカーンだって、悪意を抱かないと言う誓いだったわけだからね。
だけど、それが言葉に出たり、振る舞いに出たりして、だんだんだんだん人間そのものがその誓いに近づいてくるわけだね。
でも、注意しなければいけないのは、やたら大きな誓いを立てて、それが野望になって身を滅ぼすと言うこともあるからね。
中国共産党の習近平さんなんか、中華民族の復興とか言う大きな誓いを立てているけれども、結局あれはヒトラーがやったことをもう一度やろうとするような、1種の帝国主義だよね。
人の苦しみなんかどうでもいいけど、自分が大きくなることだけ誓いを立てたんでは、最後には破滅するよ。
だからやっぱりささいなものでいいから、自分を幸福にし、周りも人も幸せになるような誓いを立てると言う事は本当に大切なことだね。
やっぱり人間は、のんべんだらりと自然のままにしてちゃいけないよ。
誓いを立てて精神的に向上することこそ、神様が人間に願われていることだろうね。
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