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アマガエルセラピー 17

カエルとネコの類似点

 実家に住み着いた野良の子ネコを、渋る親を妹と必死に説得して――結局、両親も溺愛することになるのですが――飼っていたことがあり、私はネコも大好きです。社会人になって都内で独り暮らしを始めてからも、毎週会いに帰省していたほどかわいがっていました。その経験からカエルとネコは似ていると思わずにいられません。

 まずリラックスしているときの座り方がそっくりです。ネコがよくやる前足を折りたたんで身体の下にしまいこんだ、いわゆる香箱座りはアマガエルの基本姿勢でもあります。カメラを向けると、頼んだわけでもないのにかしこまるようにその姿勢を作る子はけっこういて、心を許しているサインだと勝手に解釈しています。ちなみに後ろ姿はしっぽがないため、ゴマアザラシとかの海獣っぽいフォルムです。

 前出の子ネコ、ニャン吉は許しをもらうまでは実家の物置の軒下に積んであったコンクリートブロックをねぐらにしていて、いつもカリカリをもらうとそこに帰って休んでいました。こんな小さいのに健気だなあと心打たれたものです。

 ベランダのカエルたちも暗くなると餌場にやってきて愛嬌を振りまき、とりあえず餌をもらってから、あちこち動き回ります。そして翌朝、それぞれ決まったお気に入りの寝床で休んでいる姿を見つけ、またいてよかったあとほっとします。どちらも家にいつくタイプなのです。

 ほかにも後ろ足でジャンプしたり、瞳の大きさを自在に変えたり、やたらと寝てばかりいたり、自由気ままで単独行動なところも似ています。私自身よく寝るし、群れるのは大嫌いで、人生における最優先事項は自由であることなので、カエルとネコに共鳴するのでしょう。ニャン吉も家に閉じ込めたりしなかったし、いくらかわいくてもカエルたちをケージで囲うつもりは毛頭ありません。

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