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天下統一 恋の乱SS

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#藤林朔夜

双月㈡【藤林朔夜】-天下統一 恋の乱- ✎

双子の兄である弦夜に呼び出された俺は、山道を急いだ。

「普段着で来いよ」

定期連絡だと言いながらも「普段着で来い」の意味がまったくわからなかったが、俺は指示にしたがった。

やがて弦夜が指定した庵に着いた。

庭の方に回ると、縁側で杯を持って佇む弦夜がいた。

弦夜は何時もの着崩した着流しではなく、仕立ての良い着物に身をつけていた。

「おー朔夜。早くこっち来いよ。美味い酒を飲ませてやるからよ
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YURA YURA 【藤林朔夜】-天下統一 恋の乱- ✎

弦夜影EDの後日談で朔夜目線です










「弦夜…抜け忍の庇い立てするなら、お前も始末する」

「もう後戻りは出来ねぇな…朔夜」

俺の半身である双子の兄である弦夜は、里の命より、任務よりも…この俺でもなく陽菜を選んだ。

何時かはこうなるのではないかと、心の奥底で思っていたのかもしれない。

俺の心中は驚くほど冷静だった。

「朔夜…わりぃな。死んでもらうわ」

「それは俺の台詞だ」
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