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今日も香箱びより 2


僕の名前は『かりんとう』

今日もお気に入りの場所で香箱(こうばこ)を組んで考えごと。

これは
僕と僕の家族の、普通の日常のお話。

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ぬくもり泥棒


ついこの間まではひんやりした床が気持ちよくて、昼間はいつも床にお腹をぴったりつけて昼寝をしてたのに

最近はお日様の光がリビングに入らない時間は随分寒い。

おかあさんは僕をなでながら
『もふもふになってきたね』と言う。

なでられるとつい喉をゴロゴロ鳴らしてしまう。

あまりしつこくなでられるのは好きじゃないけどね。

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こう寒い日は、よりあったかい場所を探さないといけない。

この家でもう何度も寒い季節を過ごしてるから、だんだん見つけるのが上手くなってきた。

朝みんなが起きてきたら、まずはおかきくんのベッドにいく。

まだあったかいベッドで寝るのが大好きだ。

それにおかきくんがまだもっと小さくて もっと小さなベッドで寝ていた頃からおかきくんのにおいが大好きなんだ。

だけどおかきくんがそこで寝てる時は近づかないこと。

これは絶対だ。

ぐっすり寝てるからと油断していたら突然蹴られてえらい目にあったことがある。

それからせんべいくんの脱いだパジャマ。

これは僕とせんべいくんだけの秘密なんだけど、
せんべいくんは僕がすぐあったまれるようにわざと近くに置いてくれる。

おかあさんが

『またかりんとうがぬくもり泥棒になってるよ』

と呆れて言うと、僕とせんべいくんは目を合わせるんだ。

『泥棒』なんて失礼だなぁ。

おとうさんがソファから立ち上がった時もチャンスだ。

すかさずまだあたたかいくぼみに香箱を組む。

戻ってきたおとうさんは

『やられたー』

と言って隣に座って僕をなでる。


気が向いたらおとうさんの膝の上にそうっと乗る時もある。

『重いよー』といいながらなでてくれる。

『かりんとう、あったかいね』

そうか。

僕もあったかいんだね。

思わず喉がゴロゴロなった。

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