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ロシア正教の鐘

私がロシア正教の鐘を意識したのは、大学院時代。
1つ上の先輩がラフマニノフの「鐘」の研究をしていて、実際にロシア旅行にまで行っていた。
当時の私は、ロシア旅行に興味があるが、まだテロなど頻発していたし、お金もないし、キリル文字も読めないし、ロシア語も分からないしで、まだまだロシア旅行に行くことができなかった。そんな時に、ロシア正教の鐘の音を聴いてくると1つ上の先輩がロシア連邦へ行ったのだ。といいつつも、ツアーで行ったから、タイミングもあったと思うが、ロシア正教の鐘の音を聴くことができなかったらしく、「ラフマニノフが生きていた時代は、ロシア正教の鐘が鳴り響いていたが、現在は鳴っていない。」というような結論になっていた。
私はまだ、ロシア連邦へ行ったことがないし、「そうなのかあ」くらいにしか思わなかったが、2011年8月にロシア連邦に初上陸したときに、偶然、スズダリで鐘の演奏を聴けたのだ。ここは、観光客向けに決まった時間に鐘を鳴らしているところだった。

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実際に鳴らしているところ。

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その後、2016年1月までに9回ロシア旅行をしたが、鐘の音を聴くことはなかった。やはり鳴らしていないのかなあと思った。

2016年8月にカレリア共和国のキジ島を訪れた時だった。タイミングよく、木造教会の鐘の音を聴くことができた。しかも、CDも売られていたから、迷わず購入した。

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いくつか鐘の曲があるから、私が聴いたのと同じ曲ではないと思うが、この木造教会の鐘の音を聴いた。

演奏が終わった後、木造教会の中に入ってみた。

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また、キジ島には別の鐘楼があり、そこに私はのぼった。

この3つの建物の真ん中にあるのが鐘楼である。

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鐘はこのようになっていた。

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残念ながら、この鐘楼の鐘を鳴らしている動画は見つからなかった。


実は、旅行中だとなかなかタイミングが合わなくて、ロシア正教の鐘の音をあまり聴くことはない。

しかし、住んでからは、よく聴くようになった。

例えば、地下鉄のパリャンカ駅前にある教会の鐘は、本当によく響いてなかなかいい。

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動画を見つけた。


また、ある日、道を歩いていたら、私の名前を呼ぶ人がいた。ロシア連邦で私の名前を知っている人は、それほど多くない。振り返って道を見たが、誰もいない。もしやと思って、鐘楼を見たら、2人目の義父が鐘楼にいた。ロシア連邦は離婚再婚が多いので、私には2人義父がいる。
時計を見ると12時前。12時になったら鳴らすのだと思った。義父が鳴らすのかと思ったが、義父ではなく、鐘を鳴らすことができる人が鳴らすようだ。せっかくなので、正面に行って、鐘の音を聴いた。義父はここの教会で働いている。

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また、ソロヴェツキー島へ実際に行ったときに、鐘の音を聴くことはなかったが、こちらも動画を見つけた。


そして、ロシア語だが、曲名が書いてある録音を聴くことができるサイトも見つけた。


10年前にロシア連邦に初上陸したときは、こうやってネットで聴ける日が来るなんて思ってもいなかったから、現地で偶然聴けたときは感動した。
ロシア帝国の作曲家のチャイコフスキー、ムソルグスキー、リムスキー=コルサコフ、ラフマニノフ、ソ連とロシア連邦の作曲家のスヴィリードフなどが、ロシア正教の鐘の音を自分の音楽に取り入れている。実際に鐘の音を聴いたことがあるからこそ、音楽を聴いていて、「ここは」と気づくことができる。さらに、ロシア連邦に来たことがない人にも聴いてもらいたいなあと思い、この記事を書いた。


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