なぜ、ロシアが好き? バレエ編

ロシアへ旅行する前は、日本へ来るレニングラードバレエの公演を国際フォーラムに観に行っていました。まあ、教養として、「白鳥の湖」、「くるみ割り人形」、「眠りの森の美女」を一度は生で観ておこうと思ったから観に行っていただけです。草刈民代さんが最後だという公演も観に行きました。最後と言いつつ、最後ではなかったというだまされた感はありました。そして、バレエはセリフがないので、眠くなり、私は、バレエとオペラだったら、オペラの方が好きだなあと日本で観た時は思っていました。

ロシアへ旅行へ行くようになり、初めて観たのは、サンクト・ペテルブルク音楽院での「白鳥の湖」でした。夏のオフシーズンだったので、一流の人たちではなかったのです。その時も、バレエは好きになれませんでした。

同じ年の冬にマリインスキー劇場で観た時にたまたま指揮がゲルギエフさんでした。「くるみ割り人形」です。これは、テレビカメラも入り、のちにNHKで放送された公演でした。ゲルギエフさんが指揮を振っても、まだ好きになれませんでした。マリインスキーで見た3日後、リニューアルしたばかりのボリショイ劇場で「くるみ割り人形」を見ました。少し前にマリインスキーで見たばかりなので、劇場によって違うところを見るのが楽しかったです。そして、ボリショイ劇場の「くるみ割り人形」を見た時に一気にバレエが好きになりました。私が見た中で最高と思いました。素人なので、どこが最高かという説明はできませんが、直観的に感動したのです。そして、ボリショイ劇場のバレエを観たことによって、バレエが好きになりました。

翌年、またロシアのツアーに参加し、マリインスキー劇場で「くるみ割り人形」を見ました。この時は、ゲルギエフさんの指揮ではありませんでした。この時、やっとゲルギエフさんの指揮は他の人と違うと思いました。このツアーの時は、オプショナルでエルミタージュ劇場での「白鳥の湖」も見に行きました。日本人ダンサーなのかアジア系の人もいました。正直なところ、ボリショイ劇場、マリインスキー劇場ほど感動しないなあと思いました。

同じロシアでもボリショイ劇場は別格だと素人ながら思いました。また、テレビなどでロシア以外の国のバレエ団のバレエを見ましたが、一度ボリショイで見てしまったら、他のバレエ団のバレエを見ることができなくなりました。それくらい、ボリショイ劇場のバレエが好きになりました。

ボリショイ劇場のチケットはとても高くて、「くるみ割り人形」を見てから、一度も見に行っていませんが、このくるみ割り人形はある意味特別なものとなりました。それは、数年後、ダンサーが芸術監督に硫酸をかけるという事件が起こったからです。私が観た「くるみ割り人形」には犯人がネズミの王様役で出演していて、プログラムにも名前が載っています。硫酸をかけられた芸術監督の名前もプログラムに載っています。

「なぜロシアが好き?」ということで、今までいろいろ書いてきましたが、書いているうちに根本はロシアの文化(すべてをひっくるめて)に魅せられて好きになっていったのだなあと思うようになりました。そして、何かが好きになると、それを調べ、そこから新たに分かったことについてまた調べというのを繰り返していくうちにどんどんロシアが好きになっていきました。そして、それは今も続いています。

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