個性

最近の学生は皆カバンにキーホルダーを付けている。それを見てわたしは懐古した。

わたしは学生時代カバンにキーホルダーを付けるのが怖かった。他人から印象を持たれることを恐れた。変な趣味と思われるのは当然嫌であり、同じ趣味だと言って仲良くもない人に近づかれても困る。また、周りは何も思わなくても自分では、まるで床屋に行った翌日のように、変だと思われてないか心配でどこか落ち着かなくなる。精神衛生上良くないのだ。それならばつけない方がいいと思う。それなのに最近の学生の多くはカバンにキーホルダーを付けているのだ。

最近は普通とは異なることを美徳とする考えが蔓延っている。わたしのような普通であり普通と思われたい人間には生きづらい世の中だ。

最近の学生は皆カバンにキーホルダーを付けている。この中にわたしのような普通の人間が、無理して個性を主張しているのではないかと、どこか心配になった。

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