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クレしん映画の話

「趣味なんですか?」って聞かれたら、勿論「音楽」とは答えるんだけど、他のインドア趣味を答える際に困ることがある。
音楽は作る行為も人と共有することが多いし、意外と話せる。共通言語が多いし。
しかし、映画、漫画、小説…ゲームになると全然話せない。
これらに一通り好きな作品があるにもかかわらず。

ストーリーを忘れているわけではないんだけど、言葉になってないものを言葉に変換するのが苦手だ。
あとシーンにはBGMとセリフが一緒に残っていたりするので、そこからセリフだけ抽出するのも苦手。
理屈より気持ちで覚える感じ。だから〇〇のシーンの〇〇のセリフ!みたいなのは全然出せない。
出せた方が頭のイイオタクっぽくてカッコいいのに。俺はナードじゃなくてギークになりたいんだ。

「いい作品だ!」とオススメしようにも、あの~…何がって言うと難しいんだけど、雰囲気がね、あれでね、みたいになっちゃう。
こういう時の言語野が小学生になりがち。これは、練習でどうにかならないか?と思ったわけです。

一言で表すと「映画とか漫画とか感想を述べるのへたくそだから練習したいと思って書きました」で済む話なんですけどもうめちゃくちゃ長い。既に下手くそ感ある。

まず、書くにあたって、一応、ネタバレあります!あるのか?ないかもしれません。
伏せきれないところもあるかもしれません。
ていうか今更だけどね。ネタバレ食らった~って、最新映画の話するわけじゃないんだし。
大体人の感想で自分の感想変わるのか?って思うし。たいや!(アン!)

そもそもなんでクレしんなの?って感じですけど、普通に大好きだからですね。
でも映画って、通称「暗黒期」って呼ばれたあのあたりから、ちゃんと観ていなかったんで。
ネトフリ配信が終わるらしいんで駆け足で観ました。1月下旬くらいからかな?合間合間で作業しながら。

前提として「ヘンダーランドの大冒険」「オトナ帝国の逆襲」に関しては、「これが嫌いだったらクレしん映画観れない」と思うくらい代表作だと思っています。

オトナ帝国に並んで大人に人気な「戦国大合戦」はここに入れない理由としては、
自分がクレしんに求めるものって、感動お涙頂戴!よりも、ギャグと爽快感とちょっといい話ていう要素なので…
無論、好きだし、すげえいい映画だと思ってます。弁解じゃなくて。
何より丁寧に作られていながら、笑いも適度に…なんですけど、ちょっとシリアスすぎるんですよね…個人的に。
ていうか子供の頃はクレしんって楽し~い映画って感想を求めて観ていた(と思う)ので、なんか結構難しかったような印象。まあ俺はジャングルとか暗黒タマタマとか好きだったってのもあるんだけど。

兎角、次の「ヤキニクロード」以前の作品は記憶補正もあって面白さ4倍バフがかかってしまう為それ以前の作品についての感想はこれくらいにします。
あと、あんまりランク付けとかは好きじゃないんで、そういう分かりやすい指標もないです。
感想と批評。批評っつうか…。
そもそも、実際面白いかどうか判断するのは見る人による部分だし。これも何かどうなんだろうなって気持ち芽生えてきた。ひえ~。

「ヤキニクロード」
これは前作の反動かってくらい、痛快ギャグで、もういつ観ても楽しい。
何か頭の固い人は春日部から熱海をチャリで一日で行くしんちゃんって!?みたいなツッコミ、滑ってるんでつまんないですよ、って言いたい。大体もっとツッコミどころあるだろ!!ひまわりなんか川で葉っぱに乗っかってるんだからよ!
ともかく、これで笑えなくなったら多分病気なんだろうな~って指標になります。勝手に指標にするな!
これ観るといつも焼肉食いたくなる。でもカルビとかもうしんどいんだよ……。

「カスカベボーイズ」
最初は観た時(10年以上前)は全然好きじゃなかった。
でも、何度か観てると味がしてくる炭酸水みたいな映画。
テーマやストーリーは普通に面白いんですけど、悪役がちゃんと悪役だからかなあ?
あんまり笑いどころが…みさえの歌のところは好きなんだけど。じゃけん結末。ビターエンドじゃん。
すっきりはしない。いや、こういう作風のドラマ映画ばかり見てるじゃんって、言われたらそうなんですけど…。

「3分ポッキリ大進撃」
いや~嫌いです(正直)。べちゃべちゃの具なしチャーハン(大盛り)みたいな映画。
見どころ?あたし全然アイドル的なかわいさに興味が無いまま育ったんでわかんないですけど~ミサエスは可愛いんじゃないですか?それくらい?
ていうか話の都合上にしても、丁寧な感じがしない。
しんのすけを本気で引き留めようとするなら布団から出るとかさあ。親がネトゲ廃人みたいなの、やりたかったんだろうなあ…とは思うけど、描き切れてない上に中途半端な感じ。ひろしとみさえの良さが全然感じられない…。
何だかテーマや未来を守るってところも焼き直し感あるからかなあ…。
子供向けだからってちょっとナメてないすか?

「踊れアミーゴ」
マジで見どころが前半~中盤までしかない。バナナ食べてたら底の方が腐ってたみたいな映画。
10年くらいに付き合ってた子とTSUTAYAで借りたDVDをホテルでよく見ていたんですけど、これはその時初めて見て、そして途中で寝落ちしてた。その子が。
よくピックアップされる前半のホラー描写は評価できるけど、じゃあ、クレしんでそんなに本格ホラーが観たいか?っていうと、これまでを裏切る役割を含めて活躍しただけで、出オチ的な効果しかないんじゃないかっていう。
この絵柄で怖いから怖いだろ!みたいなのもわかるんだけど、じゃあ、このクレしんで本格ホラーが出来たのかっていうと…疑問。
この映画はそういう点では手抜きしない描写があったともいえるんですけど、その解決がソレなのは丸投げみたいな感じで。最後笑かそうと思って思いっきり滑った時みたいな空気が堪えられない。

「ケツだけ爆弾」
笑えないわけじゃないんだけど、扱うテーマが重すぎる。
泣けるっていうのはわか、らんでもないんだけど…泣かすために作ったって言うならかえってムカついてくる。
いや、シロ可哀想~…大人たちは仕方ないことだから…いや…うん、そうなんだけどさクレしんで泣かすために軽率に死をにおわせないで欲しい。そうじゃない感動があるだろ。こういうのは実写ドラマとかなら泣け…ないかも。
家族愛を感じれるっていうけど、あれだけヤバい爆弾って言われてんのに、あそこで全力で止めないひろしやみさえは逆にどうなんだって感じもあるし。説得力不足なんだよね…全体的に。

「金矛の勇者」
ごめんやけど、これ初めて映画でリタイアした。だから感想もありません。

「野生王国」
なんだかドラえもんって感じ。ドラえもんでやってたらいい。
まあ、そういうクレしんじゃなくていい感じはじんわりあるけど、見れない映画ではない。
まあ突拍子のない、ざっくり言えばコイツなんで?みたいな、ギャグで通せないツッコミどころが多い。
子供納得するんか?その辺は子供だからいいか…みたいなナメ感はまだある。

「オラの花嫁」
クレしんでディストピアSFやりました~って感じ。
これも観れない映画じゃあないけど、今観るとそういうノリっぽい作り込み薄さが古さに感じたりもする。
ま、真面目に突っ込んでみるものじゃない!みたいなツッコミ、上の方で自分が言ってますけど。
それってギャグだから…というか、感動系でがっつりやるなら戦国くらい理屈を通さないと難しいってより感じちゃうねえ。未来のしんのすけはギャグだけど。
なーんか…弱くない?悪役にしても、SFならもっと派手なスケールがあるでしょう。空が晴れないって規模やってるんだからさ。これくらいやるならもっとドカンって感じのパワーが欲しかったな。
無駄な感動路線で爽快感が弱いって言うか。炭酸抜けたファンタみたいな。

「スパイ大作戦」
上記の作品よりかは好き…かも…くらい。佳作。
いいところはあるんだけど、ああ、まあ…みたいな。何だろ…全体的にお茶菓子っぽい映画。
羊羹食って屁が出るし。羊羹みたいな味しかしない。
レモンって言うとタマタマのレモン思い出しちゃうわよね。(ほんと)(もーやんなっちゃうわ)

「宇宙のプリンセス」
なんかなあ~妙にこの辺って感動させようとするよねえ。しん泣きですか?
クレしん映画観てきたんじゃないの?って思っちゃう。クレしん映画=泣ける?本当にそうか?
お前らいつまでオトナと戦国の話してんだ?って思っちゃうのは仕方ない。
まあそれでも興行収入が取れたらいいんだろうなっていう商業作品的な作為を感じちゃうよねえ。大人だから。子供が笑えてればそれでいいの。
なんて…子供に毒にも何にもならない作品だけ見せときゃいいっていうのは、もう気持ちを動かすことを創作から諦めてない?感動だけじゃないじゃん映画って……笑いだって、怖いだって、立派な感情を育む行為だと思うんだけど…
中途半端に不安や悲しみを煽って感動ってさあ、俺、芯を食わないと意味がない気がするんだよねえ……。
このレベルで気持ちが動くなら、痛みを知ることを教えてあげられたほうが、よっぽど為になると思うけど。
あんまり映画の感想じゃないけど、この辺を総括した気持ち。
楽しい気持ちもっと欲しくない?クレしんはさあ。

「B級グルメ」
これ出た時「暗黒期脱出!」と評判高かった覚えがある。
結果的にはちょっと過大評価だと思ったけど、確かに上の作品よりはずうっと、クレしんらしい映画。
全体的に軽めで、ヒールもくだらない、それまでの良い肉で作ったハンバーグを子供サイズにして、本当はもっと食べたいと思っているのをつゆ知らず、子供だから一口で満足だよねと押し付けてくる感じの作品だったのに対して、すげえ焼きそば。めちゃくちゃ焼きそばて感じ。だから良くも悪くも、映画的にもB級感はあるけど…こっちのテイストの方が楽しくていい。

「ロボとーちゃん」
「泣いた、暗黒期完全脱出!」みたいな評ぶりで、確かに1回目、観た時すげえボロボロに泣いたんですけど…。
2回目見たい?いやあ…なんかズシンとくる。
先の重たいやつをしっかり造り上げてきた感じ。やればできるじゃん。
たださあ、先にも言ったけど、死なんだよなあ。これ自体が悪いわけじゃない。正直めちゃくちゃになるから否定したくなるのも、これもある種の心の動きではあるし。じゃあさっきまでのはツンデレですか?っていうと…
ただ勿体ないなって思うのがギャグパート。なんかスベってる感じがあるんだよねえ。迫力を敢えて削っているところもあるのかもしれないけど………。ロボ戦闘とかさ。ロボ戦闘もうちょいできただろっていうか。温泉とかそれなりにカッコよかったんだし。男心をちゃんと擽っておいてくれよ。そういう映画なんだから多少女子が置いてけぼりになる位やりきって欲しいような…。三段腹ちゃんがエロくていい。

「引っ越しサボテン」
クレしん風パニックホラー。
なんかねえ、悪くなかった。思ったより。っていう最低のラインができちゃっているから、楽しめるって言う感じ。
個人的にはしんちゃんと風間君の友情だけでご飯が食える。むしろこのラインが一番うまい。
ただ、あんまり残らない映画。それなりに丁寧だと思うし、いいダシでてるんですけどねえ…。
これに100分使うなら、他の映画で良いかなってなっちゃうよ。惜しいね。

「ユメミーワールド」
正直、評判のいいロボとーちゃんよりはずうっとこっちの方が好き。笑えるパートも多いし。
なによりサキちゃんがかわいい。映画ヒロインが同世代っていうのもなかなかよかったと思う。
そして悪夢の表現、ゾッとするシーンの描写は本気で良い。子供を泣かせにきてる。
バクになったしんちゃんがめちゃくちゃキュート。ヘンダーランド勢はあのデザイン刺さるんじゃない?俺は刺さった。
クライマックスでみさえが温かい言葉で包むんだけど、安易に泣かせにいかない感動にグッとくる。
これはじっとり大人側はうんうんと頷いて、子供は、むしろなんとなくうっすら覚えて居たらいいくらいの、こういう言葉でハッとするのがクレしんらしさ、な気もするんだよな。
そしてエピローグが自然。日常に戻っていくのが描かれていてとっても良かった。

「シリリ」
ファンサはいいけど、何か、何だかなあ~!!?って感じになる映画。何でですかね。
そこまでダメな気もしないけど、強いて言えることも特にない…。
量の多いダイエット食みたいな映画。それなりに笑えるんだけどね…。
そういえばひろし、この作品からもう森川さんなのか…。

「カンフーボーイズ」
う~ん構成!?テンポ!?何だろう、ことごとく勿体ない作品。
なんとなくしんちゃんってこういうカンフーと相性イイ感じはあるし、ストーリーをあらすじでかいつまんでいけば全然悪くないはずなのに、後半の急ぎ足感、かえって前半のだらだら感が気になりすぎるっていうか、コーヒーカップだと思ったらローラーコースターだった。作品に置いてかれちゃった感じ。
ヒロインの展開も意外性(クレしん内では)あって、いい要素や笑える要素はあったのに…。

「新婚旅行ハリケーン」
みさえとひろしの愛を見届ける映画。これはそういうラブコメとして観たら最高になれる。
ていうかやっぱりこの夫婦可愛いよね…。いい…。
ぶっちゃけ話なんか全然入って来ないけど、この二人のやりとりがメインな上、ぶっちゃけそういう盲目さ全開で見ても楽しめるっちゃ楽しめる。子供が観て楽しいのかは全然わからないけど…。

「ラクガキングダム」
オープニングがクレイアニメじゃないのが一番びっくりした。
これ元ネタがあの臼井先生の話、当然読んでて覚えがあった(家に漫画があったし)話を膨らましたとかで
マジ?って感じだけどテンポの速さとストーリーは普通に好き。
強いて言えば今作のヒールはめちゃくちゃ薄味。それよりむしろ春日部の大人たちよ…。
あそこだけテンポ悪く感じちゃうなあ。あとぶりぶりざえもんが、久々に喋るという事でドキドキしてたけど声優合ってて良かったと思う。いつまでも塩沢さんの幻想を追うオタクじゃいられないわ。
受け入れなさい!シンジくん!(?)

「天カス学園」
ぶっちゃけこれがなかったら見直さなかったわけですけど。
評判が良さそうだったので期待せず観て普通に面白かった。
本格風ミステリーと謳ってますが本来の笑いと感動が良いバランスで描かれているので大分クレしん映画らしい展開でした。キャラもいい。
風間君の想いは何となく、20年以上観てきているのでそういうことだろうなっていうのは予想がつくけど、やっぱりこの二人って良いなあ。まあミステリーだの学園だのって要素はありますが要は青春映画です。俺の大好きな味。
強いて言うなら、俺みたいなおっさんが観ると、どうしてもしんちゃんとひろしの声に違和感があるくらいですかね……。

どうだろう?書けたのかな?ちょいちょい謎に食い物に例えてますけど、例えなくていいですね。
また練習がてら書いてみようかな。言葉にして整理するのって大事。

それと毎回書く前に思考がぐわ~ってなるので、ぐわ~ってなった時に出るんですけど、
作品の良し悪しを語るというか、悪しの方を語るのが憚られるような風潮…何かさあ。どうなんですかね?
他人に自分の好きを知らない所で嫌いって言われて下がる程度の好きならやめちまえって思うんですけど。
だいたい作品の楽しみ方、受け取り方だって人それぞれじゃん。だから上下はあるよ。
何でもかんでも両手上げて喜んでりゃ作者だって嬉しいみたいなの、わかるけどさ。言われるとダメージ受けるし。
でも時々刺激欲しくない?そういう刺激が良いモノを、こいつに良いって言わせてやる的な…
あとそれに付随する作家の「神格化」ってあんまり良くない気もしてる。
デスノートで言う「魅神」みたいな感じでさあ。裏切られたと思ったら「アンタなんか神じゃない!」だよ。
人のやったことを勝手にありがたみを感じて受け取ってたくせに、自分の思い通りにならなかったら…って。
ああ、まあ裏切られたって感じる事が決して悪いことじゃないんですけどね。
……何の話?

まあ、悪いって言葉を額面で全部悪いって書いてある!みたいに受け取るようになったら、ちょっと余裕がない証拠なんで、ヤキニクロードでも観ましょうや、って言いたかったのかな?他の映画でもいいけどね!

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