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夏そばと秋そば【茶屋のお便り6月20日号】

 そば畑を見て回っていると、昨秋に脱粒して畑に落ちていたのが発芽して花を咲かせていました。小さくて可愛らしいです。来月には実を付けるかもしれません。そばは秋に収穫するイメージをお持ちの方が多いと思いますが、夏に収穫するものもあります。

茎が赤いのも特徴的ですね

■ 夏そばと秋そば

◇ 収穫時期で分類

 4~5月頃に播種して7~8月頃に収穫されるものを夏そば、7~8月に播種して10~11月頃に収穫されるものを秋そばと言います。ちなみに本来「新そば」は秋そばを指します。(諸説あり)

◇ 味わい

 夏そばは暑い時期にスクスクと育った勢いそのままに、清涼感と淡い香りが漂う若い味わいが特徴と言われています。一方、秋そばは昼夜の寒暖差によって香り高く深い味わいに仕上がります。

◇ どちらが美味しいかはそれぞれ。

 夏そばと聞くと「新そば」が出来るまでの中継ぎと思っておられる方がいらっしゃるかもしれませんが、最近は品種改良が進んで品質は向上しているようです。

 また暑い時期は冷たい蕎麦を食べたくなりますが、秋そばは保管している間にどうしても乾いてしまい含有水分量が減ります。その分、麺打ちする際の加水量は増やさざるをえません。

 ここ最近の夏は本当に暑いですから、フレッシュな夏そばを使った蕎麦は食欲がなくても美味しくいただけそうです。

 ちなみに利賀村は春の雪解けが遅く、収穫時期と梅雨が被るために夏そばは作付けしたことがありません。夏そばは北海道にお任せといった感じです。

■ 余談ですが、圃場の雑草対策

 当ファームでは諸々の要件から輪作体系ができておらず、秋そばしか作付けしていないので7月下旬から播種を始めるまでは畑を遊ばせています。そうなると雑草がだいぶ茂ってしまうので、梅雨入り前にトラクターで浅く耕起して除草をしています。

耕起前 結構伸びてきています。

 緑肥をすき込むような感覚で、向きを変えて2回耕起しています。雑草の根っこをしっかりとひっくり返して土に混ぜ込む必要があります。

1回目 
方向を変えて2回目
作業後3日経過

 これでしばらくの間は雑草を抑えることができます。生の有機物(草)を混ぜ込むので微生物が分解するのに時間がかかります。播種の1か月以上前に作業するのが望ましいので、今ぐらいが丁度いい時期かなと思っています。

 それにしても梅雨入りが遅れていますね。なかなか先が見通せず、今年の夏はどうなることやら。昨年並みのいつまでも続く猛暑なら播種時期を後ろに伸ばした方がいいのか、色々思案中です。


 私ども茶屋ファームは富山県南砺市利賀村で主にソバの栽培をしている農業法人です。日頃の農作業や六次産業化の過程、そばを使った料理、蕎麦についての豆知識など色々と発信していこうと思っています。
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