カラマーゾフの兄弟(1)翻訳はどれがいい?亀山?原?米川?トンデモなヤバい誤訳の噂&解説本も紹介!
あのね。
最近文学作品をめっきり読まなくなってますが、わたくし昔は文学少女だったの。
しかも、基本的に読み始めたらそうとうつまらなくても最後まで読むタイプ。
『チベット旅行記』5冊!でも『モンテクリスト伯』7冊でもどんと来い!!挫折した本なんてせいぜい『白鯨』くらいよ!ってタイプなのよ。
でも、実はドストエフスキーだけは避けてたわねーー。
1 このnoteでマヨコンヌがカラマーゾフに挫折しないコツを伝授したる
休みに分厚い古典文学なカラマーゾフの兄弟に挑戦してみようか、とか、大学のゼミで読まざるを得ない、とか、この夏の読書感想文に読んでみようかって方はカラマーゾフの兄弟を挫折しないで読むためのいくつかいいヒントを書きましたので、ぜひこの記事参考にしてね。
2 題名と名前からして重苦しくてヤバい
まず名前からしてドストエフスキーってなんかもう重苦しいし、たとえば題名が『罪と罰』とか、もうサイアクに説教くさそうじゃない?
だって、『罪』に『罰』ですよ?!どストレートに後ろ向き過ぎで、あたおか過ぎる。ロシア寒すぎるせいか何かでちょっと病んでないかしらドストエフスキーさん、せめて、それ、
『賞と罰』位で勘弁してくれないかな…
で、『カラマーゾフの兄弟』の本を開くとね、まず
「まずは死ねよ土に撒かれる麦の種のようにそしたらお前という麦が死ぬ事で次の新しい芽がたくさん出るのさもちろんお前は死ぬけどな!ヒャハ!」的なイヤな感じの聖書の一節からはじまるし、
そこにえらい複雑そうな『人物相関図』のしおりとか挟まってて
もうしんどそうな雰囲気MAX。
3 登場人物ひとりにつきいくつも名前があり過ぎてヤバい
しかもね、人名が!人名が!
最低限ひとりの人名に『愛称』と『本名』の、2種類がランダムに文中に散りばめられていて、そこにあだ名とかとかその他いちいちいろんなバリエーション豊かな呼び方があって、しかも父と息子の確執がテーマの話なのに、ロシアには息子のミドルネーム=父の名前っつーややこしすぎる習慣があって!!!!
いや、それ、
翻訳の時にひとり=1名称に統一し直してよ!!
だから、ドストエフスキーは本屋でパラパラめくっても常にそっ閉じしてた。
なんだけど。
『愛について語る前に、人間、一生にいっぺんくらいはカラマーゾフの兄弟程度は読んどくべきだ』
by現隠遁者ミニマリスト最終解脱者にして元ナンパ師の哲也っち
って言われてちょっと興味持ったのよね。
そんなとてつもない事が書いてあるんかなーーー?と。
しかもカラマーゾフの兄弟はね、ドストエフスキーの
遺作にして最高傑作らしいのよ…
そして。。
4 古本屋に上巻だけ大量に売られ過ぎてるのが不穏過ぎてヤバい(しかも中巻下巻はない)
山崎毒鼓氏が
と、なんとも言えんtweetしとったのを見てついに覚悟が決まったわ。
よくわからないが、
まあ、とにかく、これは、絶対に安く買える事だけは確かだ…
と踏んで近所のブックオフにいったら本当に安く売ってたわ。。。上巻ばっかり10冊もあったわ。。。
みんな上巻で読むの諦めたようね。。
どういうことなの。。。???
なんで??
なんでみんな下巻どころか中巻すら買わずにブックオフに売るの。。。??
しかもブックオフに並んだ上巻、読み込まれた形跡が無い妙にキレイな状態の本ばかりなんだけど…?
これは。。。ヤバそうよ!ものすごくヤバそうな予感がするわ。。。ッ!!
(中と下は近所の古本屋には無くてAmazonで買ったわ。。結局アマゾンで古本を買うのが一番よさそうよ)
5 一番平易で新しい訳と触れ込みの亀山郁夫訳は人によってはむしろ最高にわかりにくいってトラップがヤバすぎる
ちなみにね。
亀山郁夫の訳書が現代の時代に合わせて平易に訳された一番新しい訳文でだからすごくわかりやすいって触れ込みですけど、個人的には
亀山訳が一番わかりにくくて泣くほどワケわかんないんだけど!?!?
マヨコンヌの個人の感想ですけどぉ、亀山訳は、岩波文庫の一部の翻訳文とかにたまにある『ふつうは使わないようなムズイ言い回しをただひらがなにしてるだけで実際の内容はむしろわかりにくいイミフで回りくどいヘンテコ翻訳調』みたいな文章に感じたわ。
マヨコンヌ的には新潮文庫の原卓也訳や岩波文庫の米川正夫訳の方がよっぽどわかりやすかった!
6 亀山訳の誤訳は多すぎ&ひどすぎ論争は専門家からも複数出てる
私と同じように「いちばん平易との触れ込みの亀山訳の方がむしろとてつもなく読みにくい」って意見もかなりいた↓しかもその亀山訳には誤訳が100か所以上あるという意見も↓あるので、『簡単なのは亀山訳のはず』と決め込んでいきなり買わず、アマゾンの試し読みなどで同じ部分を実際に読んでみて、本当に自分にとって読みやすいのはどれかを実際に自分で確認してからの方が良いです!
マヨコおすすめ原哲也訳(日本語として自然)
さっきのブロガーさんおすすめ米川正夫訳(本文だけでなく解説などが丁寧秀逸で役に立つそうです!)
世間では一番平易と言われてるがマヨコはおすすめしない亀山郁夫訳(しかも冊数が多く全巻買うと案外割高)
7 しかも『カラマーゾフの兄弟』 の解説本『NHK100分で名著』が解説本のくせに合わない人には最高にイミフというトラップがヤバすぎる
そんで異常に長い本ですから念のためと解説本などに手を出そうとするじゃないですか…『100分で名著』とか書いてあればこれさえ読めばどんなにわかりやすいかと手に取るじゃないですか…それが…そう…マヨコとは非常に相性が悪い亀山郁夫先生の説明で必要以上に難解でもう何が何だかw
いやまあ相性のいい人もいるかもですが、マヨコ的には読めば読むほど困惑混迷で超・相性が悪かった。
とゆうわけでだいぶ心配でしょうがご安心ください
じつはなあ。。。
8 noteに個人noterさんが書いた無料で読めるすんごい解りやすい要約があるので安心して
このドンストップ・F・鈴木氏の『カラマーゾフの兄弟の要約』
これをちょっと読んでみてそれからカラマーゾフ読むかどうか決めなはれ。
読書中に本の意味が取れない時はひたすらドンストップ・F・鈴木氏のnoteで確認するとよろしいでしょう。
マヨコンヌの個人的感想としては「ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』 2021年11月 (NHK100分de名著)」よりもよっぽどドンストップ・F・鈴木氏のほうが20倍くらい解りやすいんですけど。。。
↓
★道夫=長男ドミートリイ、
★グル美=商人サムソーノフの愛人グルーシエニカ(長男と父で奪り合ってる問題のヒロインです)、
グルーシエニカが昔自分を捨てた初恋の初恋の男(今ではカツラをつけたショボいおっさんに成り果てている)とウッカリ駆け落ちしたシーンです。いや脚色でなくこんな話です。
9 ちなみに漫画版もかなり正確で実によくできてるオススメ
いやもうたいした漫画家さんだわこの人!
まあ作者の個性を完全排除してひたすら原作通りに書いているのでゴールデンカムイとかと違って漫画としての面白みはほぼないです。でもちゃんとほとんどセリフ回しと絵の力だけで内容を説明してあり、挫折せずスルスル読めるクオリティで、しかも余計な脚色ゼロだから、これだけでレポート書いても教授にバレなさそうなレベルです。大学でどうしてもカラマーゾフ読まないとまずいような人は100分で名著なんぞよりも、このマンガと岩波の米川正夫が巻末に書いた解説読みこんだ方が良いです。
11 原卓也版の新潮文庫を読んだ感想byマヨコンヌ
。。。。
思ったのとなんかものすごく違った。
そしてうん、古本屋に山ほど置いてある理由がなんとなくわかった。
これね、
世界的文豪の最高傑作で、すごい深イイ含蓄深い話が書いてあるに違いないと思って読むと
?!?!?!?!?!
ってなって意味不明になって放り出してしまうんじゃないかな。
あのね。
すごい長い宗教談義とかがキツイって書いてあるけど、挫折する理由はむしろそこじゃないのよ…!
ズバリ、登場人物が全員揃いも揃ってあたおかヒステリック過ぎて意味不明だからですよ!!
えっこれ世界的な名作なんでしょ?まさかそんな変な話のワケないだろ何か自分内容を読み間違えてる?????と混乱するから理解できなくなるのよ。
例えば
長男ドミートリィのハチャメチャ行動にそんな、無理に深い哲学を当てはめようとせんでええのです。
借金を返すために借金を重ねる借金無限ループしたり、その状況で馬車を雇って他の男と駆け落ちする女をストーカー追跡して、ついに女と恋人を捕まえたら、今度はそこでその女の靴にキスしておいおい泣き崩れ、そしてそこで『いえあなた方の邪魔はしません』と好きな女とその駆け落ち相手と一緒に酒盛りを始め、そのあと彼女にOK貰った瞬間に暴力で男を叩きだし、そして他人から騙し取ったあぶく銭でバァーンと札びら切って『事前』に用意していた『酒盛りの場を盛り上げる為だけに雇っておいたコーラス隊に酒場で歌をコーラスさせる』とか
あれは…あんなの…本当に…深い意味なんかあてはめなくていいよ…!
どう考えてもバカですし…そして割と似たような感じの人なんですドストエフスキー本人も!
つまり
『文豪作品なんだから出てくる人は皆立派な人のはず脳内補正』
をまずは外し
「あ、なんだそうか、これは産まれながらにセックス依存症でギャンブル依存症の血族に産まれた気の毒でアホな男たちがすぐブチキレて喧嘩したりギャンブルセンスゼロなのに『賭博黙示録カイジ』したりしながらも人生とか愛についてムラムラしながら悩むというお話ですか」
って素直に気付けば、急に難しさが消えてスッと話が理解できるのです!
賭け事がものすごく弱いけど賭け事大好きで性欲があり過ぎるためにお父さんと長男で殺しあいかねない勢いでメンヘラビッチを獲り合うつまり
『賭け事センスゼロ男たちのとてもスケールの小さい賭博黙示録カイジ』
みたいな話なんだなーーだと気づけば目の前の霧が晴れます。
そもそもドストエフスキー本人も人生のほとんどを下手な賭博に打ち込んで財産を吹っ飛ばしまくったドチャクソアカンギャンブラーだそうで。
ちょっと!!ダメじゃん!!
ですから、これ、ドストエフスキーの遺作にして
自伝的名作…なわけですよ
カラマーゾフ一族全員にどこかしら似たかんじの人なんですそもそもドストエフスキーが。
って…ちょと待て!!
この話が自伝的って…
ちょ!!!!
真面目にダメじゃん!!!
そして、小説の父親、長男、次男、三男は、繰り返し繰り返し
『カラマーゾフの血はヤバス・カラマーゾフの血はヤバス・いやはやマジでヤバス』
みたいなことを呪文みたいに繰り返し言ってるわけよ…
何だかぼかして『生への俗物的執着』みたいに書いてるけどひょっとしてまさかこれ主にエロへの執着のこと?
確かにどうも完全に狂気じみすぎて理解不能。
長男ドミートリィの人生を完全に棒に振る狂気の恋愛自滅あたおか行動パターンはもちろん、
女なんか選り好みしない誰でもOKタイプのはずの父親のフョードルも愛人と結婚する為に全財産棒に振ろうとしてるし金もあるからいくらでも商売女は何人でも手に入るのに浮浪者をレ〇プ?してこども作っちゃったりとか…
次男のイワンの恋が一番ふつうっぽいけどなんでわざわざ長兄の婚約者でかつあんなめんどくさいキャラの女性に惚れるのかがイマイチ不自然だし、
なにより、主人公である唯一の人格者=三男のアレクセイの恋愛も
地味に変。
なんでありとあらゆる人に好かれる人気者修道士アレクセイがあんな車椅子メンヘラっ娘ちゃんの「結婚して!って昨日手紙に書いたけど、やっぱりやめた!手紙返して!ヒスります!ギョエーッ!」の
あたおかヒステリーに一向にうんざりせずに「ん、手紙返さない♥大好き♥結婚しようね♥一生大切にするからね♥」とか言いながらうれしそうに誠心誠意尽くしてるのかワケがわからない。
。。。。。。。。?
。。。。。?
いやまぁ、
あんなめんどくさい、ロクデモナイ、気性荒過ぎ、やたらとシャンパングラスを床にたたきつけて粉々に割りまくる女性陣に執着しなくてもいいではないか…。
果ては情欲が高じすぎて情欲を通り越して意味不明の神への奉仕みたいになってる姿を見ると、
女性としてはなんかこう、もう気の毒を通り越して、
本当にありがたいし、美しいな、崇高だな、とは思います。
そう、別に不快ではないのだが…
けどそれにしてもとにかく意味不明で。
4人の男たちは、ふつうの男性なら途中で正気に戻るポイントで、
正気に戻らないんです。
いつまでも賢者モードの正反対のまさに『愚者モード』のままで引き返さず爆走していく。
なぜだ?なぜなのだ?
どうしてみんな引き返さずに明後日の方向に爆走してゆくのだ???
その時わたくしはふと気づいた。
そういえば、この、三男アレクセイの感じ。
一度好きになったらどんな狂った女でも何でも許しちゃうこのあたおかなかんじ…
誰かに似ている。。。
そう、我が家の絶倫夫の行動パターン
にちょっと似ているんです。。。
で、ふと見つけたドストエフスキーの伝記↓の、、
旺盛すぎる性欲(本当にすいません)
に関する記述なんですが
・・・・あーーー。
この55歳・・・・にてる・・・・この感じ・・・
うちの夫(50代)に・・・・
ああ。
やっとカラマーゾフの言動の意味不明さ、
あたおか事情、
カラマーゾフの気の毒な血に納得がいきました。
ああ、絶倫なの。
だからこうなのね。
気の毒ですね。
すいません・・・・
・・・最低な結論ですいません。
------------------追記:-------------------
で、最終的にこの小説を書いた作者=ドストエフスキー=賭博がメチャ弱い賭博狂の性欲おじいさんドストエフスキーがどうなったかといいますと。
ええとなんかよくわかんないけど、
50近くになるまでかかったけど、
とにかく
最終的にまあまあいい感じに落ち着いて本当に良かったですねーーー。
どっとはらい
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