ゾシマ田源一郎

ドストエフスキーのカラマーゾフの兄弟を一日20ページずつ読む記録。3月31日までに読み…

ゾシマ田源一郎

ドストエフスキーのカラマーゾフの兄弟を一日20ページずつ読む記録。3月31日までに読み終えたる。やってこます。

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45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。エピソード0

今年45歳になった。ビビったよ、45歳。全然笑えない。結婚もしていない。就職もしていない。 なんとなくいい感じになるだろうと思ってたけど全然なってない。やり残したことが山ほどある。 人からは感情の起伏に乏しいと言われることが多い私も流石に焦ってきました。 人生でやりたくてまだやってないことをいろいろ考えました。 エベレストに行きたい、バンドを組みたい、カジキマグロを釣りたい、ロケットの打ち上げを見たい等々。 いろいろあるが海外行ったり、人と一緒にやるのはコロナが落ち着くまで

    • カラマーゾフ後の世界

      お久しぶりです。実は『カラマーゾフの兄弟』読み終わってます。2年ぐらい前に。そして今月、調子に乗って『罪と罰』も読み終えました。なんか本の読み力(よみぢから)みたいなのが上がったのか、長編読むのがそんなに苦痛ではなくなった気がしてます。さらにいうとドス先生と私のマッチングは結構良いみたいで『地下室の手記』と『賭博者』もすでに手に入れており近々読むつもりですし『白痴』と『悪霊』も読みたいなと思っております。読んでる途中で、かったるく感じても「いやいや、カラマーゾフの上巻のクソか

      • 読み終わること、読むこと。

        本というのは読み終わることが重要なのではなく、読むという行為そのものが重要であり愉楽であり本質なんだな、と当たり前のことを当たり前に認識した次第です。なので急がず読んでいこうと思います。ドストエフスキー先生、末永くよろしくお願いいたします。

        • 45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。カラマーゾフ後の世界

          までもう少し。面白かったよ中巻。良くも悪くも大活躍の道夫、果てしなく影が薄くなる三郎。そしてさようならフョードル。MVPは何をされても眠り続けた瀬田にあげたいと思います。新しい世界はもうすぐ。行くぜ。(下巻に続く)

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        45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。エピソード0

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。道夫、卑劣でありながら高潔な男。

          お久しぶりです。ドストエフスキー先生、ご無沙汰してすみませんでした。読書再開します。今日は中巻「三 魂の苦難の遍歴―第一の苦難」P481~500まで。 さて、父フョードル殺しについて詰問された道夫はー。 「僕じゃねっす、殺したいと思ってはいたんすけど、それ僕じゃねっすから!」 と叫びだし、同時に奥のカーテンから出てきたグル美は、真潟署長の足元に跪くと 「あたいっす、あたいが悪いっす。こん人はあたいのために人殺しまでやったっす。あたいが火をつけたっす。主犯っす!」 と

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。道夫、卑劣でありながら高潔な男。

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。46歳になりました。

          なりました。てかなってます。とっくに。去年の12月に。 100日ぐらいで読み終えたるわいと思ってた頃が懐かしいです。1年と3か月になろうとしてるのにまだ中巻。 別れた彼女に「人生は二百年無いからね」と言われたことを思い出しました。 それでも人生は続きます。よって読書も続きます。バイトも続くし隣のマンションの建設工事も永遠(とわ)に続くのです。はよ建てて〜。でも戦争は終わって!早急に!

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。46歳になりました。

          45歳でカラーマゾの兄弟を読む。ご都合上等主義の男。

          さて、その晩遅くに鈴方珍が警察署長の真潟の家を訪ねたところ、なんとそこには検事の日暮里、医者の割れ瓶、予審調査官の練戸が揃っていたのである。 うむ、なんという偶然だろうか。 四人は真潟署長の家でカードをやっていたのである。 さらにいえば、鈴方珍が署長の家を訪ねたとき、四人はフョードルが何者かに殺されたこと、その第一容疑者が道夫だということも知っていたのである。 その種明かしは・・・。 道夫に頭を銅の杵で叩き割られ死んだかに思われた栗氷が生きていたのである。 妻のマルフ

          45歳でカラーマゾの兄弟を読む。ご都合上等主義の男。

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。名探偵・鈴方珍。

          なにげに第九編『予審』が始まっております。 さて、なぜ道夫の元へ警察が来たかのか?そしてなぜ栗氷殺しではなくフョードル殺しの容疑者としてつかまったのか? ここから話はググっとサスペンスの様相を呈してきます。 少し時間を戻して道夫がモークロエに向かった直後。 残された鈴方珍はグル美の屋敷に向かったのです。 グル美の屋敷にいたのは女中のフェーニャ。 フェーニャは怯えながらも道夫が家に来た様子を事細かに鈴方珍に話します。 そう、杵(きね)を手に屋敷を出て、血だらけで戻ってきた

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。名探偵・鈴方珍。

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。あたいたちは汚れてても、世界は素敵やわ。

          今日はP421~453。 二人のポーランド人を追いやった道夫たちは、届いたシャンパンと食料でどんちゃん騒ぎを始めます。 再びコーラス隊が歌い、関係のない百姓やおかみさんたちが部屋で飲み食いし、マキシーモフが若い娘を見て興奮して踊りだす。 そんな中、初めて"自分の幸福"について考える道夫。 「なんであの男にあたしを譲る気になったん?」 そう尋ねるグル美。 「君の幸せをぶちこわしたくなかったんや」 と道夫。 その表情は暗い。栗氷のことが気になっているのだ。 みなが陽気に

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。あたいたちは汚れてても、世界は素敵やわ。

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。ボク、何もしないので。

          宿屋にいたのはグル美と四人の男たち。 うち二人は道夫も知っている男。 一人は地主のマキシーモフ。 象島の庵で父フョードルらと地獄の家族会議をした際にいた男ですね。 そして嫌味ないとこ・三浦の親戚である狩我野。 狩我野もあの家族会議に参加していました。 残りの二人は道夫が知らない男たち。 壁際に立っている長身のポーランド人の男・売部。 ソファに座ってパイプをふかすでっぷり太ったヅラの男が、グル美の意中の人・ポーランド人の将校であります。 「あの、ボク何もしないので、こ

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。ボク、何もしないので。

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。猛スピードで道夫は。

          ふられた女へ会いに行くため猛スピードで馬車を飛ばす道夫。 そんな道夫を心配する馭者のアンドレイ。 アンドレイの心配はもちろん、道夫がグル美とその恋人である将校を殺すのではないか、ということ。 「殺す?そんなわけないっしょ。馭者でしょ?馭者は前に人がいたら道を譲るっしょ。それと同じよ。俺も道を譲るから」 そう言う道夫。だったらなんで会いに行くのか。それは道夫自身もわからない。それが愛というものなのでしょう。 そうして馬車はグル美のいるモークロエに着いたのです。 グル美と将

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。猛スピードで道夫は。

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。恋はいつも。

          栗氷の頭を杵(きね)でカチ割り、そのまま返り血を浴びてグル美の家に来た道夫。 だがグル美は意中の将校の元へ旅立った後。 愕然とする道夫。 そう、グル美は道夫でもなく父・フョードルでもなく、ずっと前に捨てられた将校の事を思い続けていたのです。 恋とは人をなぜこのようにバカにしてしまうのか。 なぜ聡明な人間の心を狂わせてしまうのか。道夫が聡明だったかどうかは別として。 グル美がすでにいないと聞いて道夫が向かったのは若い官吏・鈴方珍の家。 旅費を稼ぐため、昨日道夫がピストルを

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。恋はいつも。

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。道夫、杵で老人の頭をカチ割る。

          怒り心頭で父・フョードルの家へ向かう道夫。手には銅製の杵を掴んで。 屋敷の裏、奇しくも神がかり行者の女が身重の体で塀を乗り越えて酢飯を生んだといわれた塀を乗り越えて彼は庭に立った。 身を隠して窓を見るとフョードルが見えた。 「グル美はおらん!一人や!いや、おるかも?どっちなん!」 窓を叩きフョードルが出てくるのを物陰に隠れて見ることにする道夫。 果たしてフョードルは窓から顔を出し 「グル美ちゃん?来たんか?どこ?フョードルやで。グル美ちゃんどこなん?」 とそのマヌケな面を息

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。道夫、杵で老人の頭をカチ割る。

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。嫉妬という感情。

          好きだった人や憧れていた人が、いわゆる"イタい"行動をした時、憧れていた側は深く傷つき、必要以上にその人を擁護しようとしたり、また逆に必要以上に糾弾しようとするものです。 自分がその人に抱いていたイメージが崩れるのを守ろうとすること、言い換えれば、その人が好きだった自分を守ろうとしている、といえます。 至極当たり前の行動ではありますが、そもそもそんなイメージは、こちら側の勝手な妄想であり、妄想を抱かれていた側にとっては、よい迷惑なのではないでしょうか。 しかしながら―。

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。嫉妬という感情。

          45歳でドストエフスキーを読む。頂上決戦、動のダメvs静のダメ

          今回も道夫のダメぶりがグンバツに発揮されています。 しかし相対する瀬田もかなりのダメであり、いわば動のダメである道夫と静のダメである瀬田の拮抗した対決をたっぷり味わう回といえます。 イリインスコエ村のイリインスキー神父の家に止まっているという瀬田に会うため、方々に金を借りて馬車で向う道夫。 デカい借金を返すためにちょこちょこと借金を重ねるというクソ借金ループに陥って感覚が麻痺している人間特有のムーヴです。 神父は隣町に行っており留守。 仕方なく隣町まで行って神父に会うと、

          45歳でドストエフスキーを読む。頂上決戦、動のダメvs静のダメ

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。道夫、おまえはマジメに働け。

          第二部・第八編、道夫の章の始まりです。 カラマーゾフ家の長兄、情熱の男、口よりも手、カッときたら親でも殴る、女にはまあまあモテる、無職、それが道夫。 今回はその道夫のダメッぷりを堪能する回といえます。 どうにもグル美の気持ちが読めない道夫。 グル美に昔の男である将校から手紙が届いたのは知ってたが、気にしていない様子の道夫。 将校なんてグル美はなんとも思ってないから今さら手紙見送ってきても無駄や無駄や。それより父のフョードルか、それとも俺か、いったいどっちを選ぶつもりなんや、

          45歳でカラマーゾフの兄弟を読む。道夫、おまえはマジメに働け。