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幽霊飼育日記 2024.11.16

師走にむけて忙しくなる。年末の大きな仕事を担当してしまい疲弊している。忙殺されている間に、生殺与奪の権をパリピに握られてしまった。縦穴式住居(戸建)の周りをパリピが、「♪バニラ、バニラ、高収入」と歌いながらぐるぐると回っている。始まりはハロウィンの日。当日だけだと思ったら、10月31日の夜からまだ続いている。すでに2週間以上経過しているのに。ひたすらノンストップなので、食事とかはどうしているのか気になった。1日観察してみたら、シフト制で4時間ごとに入れ替わっているのを発見した。昔のパリピと違って今のパリピはメンタルと体が弱いからか、良い意味で合理的かもしれない。昔のパリピは破滅型が多い。さすがに全てのパリピが入れ替わったら終わるだろうと思っていたが、一昨日の夕方くらいに2周目に入った。ふと気づくと、子幽霊もパリピのバニラに参加していた。
終わらないバニラ。高収入。

これは・・・全面戦争しかないな。私は、政府から預かったアタッシュケースを取り出した。この中にあるボタンを押すと特別なミサイルが、全国の税金で作った無駄施設から発射される。終わらせよう、この戦争を・・・と、ケースを開け、躊躇なくボタンを押した。すると「へぇ〜」という無機質な音が流れた。これ・・・バンダイが発売した、トリビアの泉の「へぇボタン」じゃないか!とりあえず、手早く二回押して、仕事に戻った。子幽霊はさっき、飽きて部屋に戻ってきた。外では「♪バニラ、バニラ、高収入」という歌が響いている。その歌に合わせるように雪がちらついた。
そう、冬が始まる。