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堀秀彰トリオ at Jazz Spot Dolphy Jul. 30, 2024

堀秀彰トリオでの新作CD ”New Directions”のいわゆるレコ発、桜木町のDolphyにて。
1stセット1曲目は表題作"New Directions"。トリオ編成作品でのエレクトリックベース構成は初めてだとか。
モノトーンのイントロからクールなテーマ、ソロパートはミドルテンポのスウィング。1曲目からガツンとくる演奏です。ピアノソロに続くdsソロも迫力。
2曲目は美しいバラード。
タッチの明確なピアノに豊かなニュアンスで心地良いフレットレスベースのソロ。
3曲目はKALTAさんの作品。CDにはこの曲を含めて3曲のKALTA作品が収録されています。プレイヤーとしてだけではなく、コンポーザー/アレンジャーとしての存在感も大きいですね。
5拍子のタンゴという変則的な曲調ですが、ちょっと北欧風味の静謐な作品です。ここでもスムーズに複雑なリズムを奏ていくフレットレスベースが素晴らしいです。
4曲目は色々な背景もあり、クリスマスの頃の感じだとか。
優しく柔らかい旋律の作品です。フレットレスベース大フィーチュアで。
同音の連続を異弦異フレットで続けていくなど、細かい奏法に目が行ってしまいますね。素晴らしい。
5曲目、セットラストはタイトルも不穏な感じのハードな曲。
複雑なリズムにドラマティックな展開のテーマ、ピアノの強烈なドライヴ感にゴリゴリと絡むベース、ドラムが迫力です。

2ndセットはCD未収録ですが変わったタイトルの作品(J. Henderson)から。何というかジャズ!といった雰囲気の曲です。
文字通り人力車だそうですが、2コードのクールなイントロ、モーダルな雰囲気の4ビートベースが面白い演奏です。
2曲目はM. Tynerの作品。タイトルどおりBlues。これもジャズというと思い浮かべる感じ、王道ですね。Bluesは基本。
ここでの演奏は遊び倒し、といったところでしょうか。「イェイ!」。ベースのユニークなフレージングが面白いです。
3曲目はKALTA作品、明るいミドルテンポの曲です。
今回はCD収録と同じく3/4拍子、中間少しスウィングという感じのアレンジで。
メロディアスでタメの効いたベースソロが素敵です。
4曲目も同じくKALTAさんの作品(本CD収録の3曲はいずれも初レコーディングですね)。
セットラストは詳細な説明は省略しますが(是非ライブでご体験ください)、複雑なクラーベの手拍子を要求される曲です。
基本は6/8、3拍子系のリズムですが、中間部はミドルテンポのスウィング。ビートそのままでアクセントが変幻自在、みたいな演奏です。ドラムソロパートのクラーベが厳しく、殆ど修行モード。ベースも厳しいです。
アンコールはこれもタイトルどおり、未来への可能性を開こう、といった作品です(まともに聞くとちょっと面映いですね)。
明るくかつ静かな希望の旋律を、しかし堂々と歌う演奏。素晴らしいです。

CD収録曲を全曲演奏、それぞれのミュージシャンの個性が楽しいライブでした。

Info.

date:Jul. 30, 2024

place:Jazz Spot Dolphy

Personnel:

・堀秀彰 (pf)
・織原良次 (Fretless Bass)
・大槻”KALTA"英宣 (ds)

Set List:

1st.
・New Directions
・Naturally
・Europa
・The Next Day
・Risky Investment
2nd.
・Jinrikisha
・Blues on the Corner
・Astral Shine
・Guardian
・Stop & Go
enc.
・Possibility

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