AI (GPT4) と楽しく学会発表用パワーポイントスライドを作成する。ChatGPTと一緒に作ることで時間短縮を目指します。
0. はじめに
ChatGPT (AI) を用いたパワーポイントプレゼンスライドの作成が注目されています。ChatGPTによる自動作成, ChatGPTからプレゼンアイデアをもらうなど用途は幅広いです。ここ数か月のAIの進化はすさまじく前回紹介した記事は完全に時代遅れになりました。またAIがいまいち普及していない理由として紹介された手法で実践してもいまいち効率化を感じられなかったなどが大きいのではないかと個人的に考えています。
今回のテーマとしてAI が不得意なことは割り切って得意なことをだけに注目し出来るだけ効率的に学会発表で用いるスライドの作成を目的としました。GPT4を活用した現時点で最速と個人的に考えていますスライド作成を紹介したいと思います。
1. 方法, 準備
1.1 スライド作成の方法
これまで主に試してみて良かったスライド作成は以下の通りです。
① と ② はChatGPTとパワーポイントでほぼ完結する手法です。主に原案のみをGPTに聞いて, 実際の作成はパワポ内で手動で行います。
③ ④ は専用のAI支援スライド作成ツールを使用する方法です。
半自動で高品質, デザイン性の優れたスライドが作成でき筆者もGammaAIに課金するか一時悩みました。有料ソフトであること, 作り方を一から学ばないといけないというデメリットがあります。
⑤ Advanced Data Analysis (旧Code Interpreter)
実質全自動で非常に高品質, デザイン性の優れたスライドが作成可能です。将来性は最高ですが, 現時点ではコードを作る時間が膨大, エラーが多く一回に作成できるスライドが少ないなど実用性が全くありません。
これらの手法を100点満点で評価してください。評価項目は 1. 自動化, 2. 作成の速さ,
3. 安定性/バグ, 4. 技術レベル, 5. 扱いやすさです。さらに6. 全体の効率を以下に定義します。
全体の効率= (作成の速さ × 2 + 安定性/バグ × 2 + 技術レベル × 1 + 扱いやすさ × 2) / 7
これらの手法を効率化の観点から, また, 自動化の観点から評価しました。全体の効率は筆者が考えた式で何の根拠もありません… GPTに評価, 点数化してもらい個人的な主観で微調整しました。
筆者のバイアスが影響した結果で当然と言えば当然 ①GPT4で原案を考えるのが一番効率的な結果となりました。この結果をx軸に自動化の程度(Automation), y軸に効率化 (Efficacy) を取り, Advanced Data Analysis (以下ADA) で散布図グラフにしてもらいました。
AI支援ツールが最も優秀です。無料 (GPT4を使っている時点で無料ではありませんが…) で行うなら ① GPT4で原案がおすすめの結果となりました。というか無理やり?しました。
プレゼンに使う挿絵や画像もAIで作成したいと考えているかたは良かったら↑の記事も参考にしてください。
1.2 準備
今回も雑な患者情報 (退院サマリー) をもとに発表用スライドを作成したいと思います。以前のnote記事で作成した「肺吸虫症」の症例で再び作ってみたいと思います。
この架空症例をもとにChatGPTにランダムな設定を与えてもらいました。さらにいくつか変更点を加え退院時サマリーを作成しました。※実際の患者情報で行うのが一番具体的でわかりやすいのですが個人情報保護の観点から架空症例にしました。
実戦を想定し敢えて誤字, 脱字, 略語を含め, 内容も低qualityなものにしました。
2. 作成 タイトル-入院後経過まで
2.1 タイトル-主訴, 現病歴
タイトルを考えてください。Covid-19罹患後に原因不明の肺症状に対し肺吸虫症と診断したストーリーで
英語のタイトルもお願いします。 A case ~ folloing~でお願いします。
『A Case of Paragonimiasis Following Persistent Pulmonary Symptoms Post-COVID-19』 ありがちな無難なタイトルで作成します。
現病歴プロンプト
これからカルテ原文から以下の条件をもとに【現病歴】を作成してください。後でカルテ原文を提示しますのでokのみ返して下さい。
条件
・200文字程度で記述して下さい。
・●はカルテ原文の内容を参照し文字列で置換してください。
・医学用語を使用。例として、喉の痛みは「咽頭痛」、息苦しさは「呼吸苦」、
ふしぶしの痛みは「関節痛」と表現します。熱さましは「解熱鎮痛薬」
・入院に至る経緯について記載し、最後の行は「精査加療のため●月●日に●へ入院となった」。
・常体で記述(ですます調ではない)
・過去形で記述 (~した, ~であった, ~された)
・患者の視点から記述, 基本的には受動態で ~された ~を受けた ~と指摘された
・認める, にて という語句を使用しない
・●年●月●日で統一 同じ年は繰り返さない 2回目から「同年●月●日」
・●病院, ●医療センター, ●クリニックなど病院名が実名で記述されていたら「近医」, または「前医」に変更
・風邪薬など薬品名が具体的でなければ 風邪薬 (詳細不明) と記述
・薬品は一般名 例:フロモックス→セフカペンピボキシル塩酸塩
略語は全称に再構築 例:オグサワ→オーグメンチン/サワシリン
・「その結果」という表現は使わない
・「検査で~が見られ」 という表現は使わない 「検査で●の所見が指摘された。」や「●が疑われた。」「検査で●が疑われ」 などとする
」
・精査と治療→精査加療
・高血圧→高血圧症, 胆石→胆石症
・「急に」→「突然」, 「現れた」→「出現した」
退院サマリーの現病歴が含まれた箇所をコピペします。
まずまずの文章が出力されました。怪しいところがありますので後で人間の手で修正が必要ですね。
2.2 検査所見, 入院時現症, その他
検査所見を以下の例にならって連続した文字列で出力してください。
例:赤血球 ●万/μL, Hb ● g/dL,・・・
GPTを使う最大の利点の一つです。手入力から解放されました。うまくいかない場合は「丁寧なプロンプト」が必要になるかもしれません。以下にプロンプト例を置いています。
n行2列の表を作成してください。
例:1行1列 AST 1行2列 55 U/L
GPTはデフォルトで表作成の能力があります。プロンプトは簡易なもので通じることが多いです。
GPTが作った表はコピペすることでExcel, PowerPointと互換性がありそのまま流用, 再編集できます。
引き続き【入院時現症】を作成してもらいます。
入院時現症プロンプト
これからカルテ原文から以下の条件をもとに【入院時現症】を作成してください。後でカルテ原文を提示しますのでokのみ返して下さい。
条件
・例をそのまま引用し、その中で異常所見を変換や追記する。
・●はカルテ原文の内容を参照し文字列で置換してください。記載がなければ●のまま。
・医学用語を使用。例として、喉の痛みは「咽頭痛」、息苦しさは「呼吸苦」、
ふしぶしの痛みは「関節痛」と表現します。
・常体で記述(ですます調ではない)
・所見がある場合は「~を認める」、ない場合は「~はない」と記述し「不明」という言葉は使わず省略してください
・その他身体所見の具体例 以下の例がカルテ原文に明記されていたら追記してください。なければ省略してください。
:JCS, GCS, 瞳孔径, CVA叩打痛の有無 刺青の有無 手術創の有無, 腸蠕動音, PS, 関節の圧痛, 腫脹,
リンパ節の蝕知, 神経学的所見, 構音障害, 共同偏視, 空間無視の有無, MMT (例えば三角筋4) , 長谷川式知能評価スケール
・改行, 空白は不要です。連続した文字列で出力してください。
例:【入院時現症】身長 ● cm,体重 ● kg.体温 ●℃.脈拍 ● /分,整.血圧 ●/●mmHg.呼吸数 ● /分.眼瞼結膜に貧血はなく,眼球結膜に黄疸はない.胸部:肺音.心音に異常はない.腹部:平坦,軟で圧痛はない.肝・脾を触知しない.四肢:下腿浮腫を認めない.皮疹を認めない.
2.3 その他の検査 画像検査 CT
画像検査 (CT, エコー) などの結果は残念ながら手動で貼り付けるしかありません。しかし, GTPと画像所見について対話することは大きな意味があります。 CT所見からの診断性能の高さは以前から注目されています。
退院サマリーの【CT所見】をコピペします。
CT所見からこの患者の想定される疾患を確率とともに提示してください。
【単純胸部CT所見】
右中肺葉に境界不明瞭な結節影を確認。該当部位には内部構造の変化や密度異常などの特筆すべき所見は認めない。
左上肺葉に拡散性の浸潤影が確認される。周辺に軽度のスリガラス影も伴っている。
両側胸腔には軽度の胸水貯留。右側胸水の厚さは約2cm、左側は約1.5cmと計測される。
その他、大きな気胸や経路の特定できるリンパ節腫大などの所見は認めない。
感染症が疑われています。
2.4 入院後経過
2.4.1 Problem Listと鑑別診断
プロブレムリストと鑑別診断を列挙し, この症例から疑う疾患を挙げてもらいます。同じChat欄で続けて質問 (プロンプト) すればある程度覚えてくれていますので改めて患者情報をコピペする必要はありません。
患者背景, 身体所見, 血液検査, 経過, CT所見を加味した時の疾患の可能性を再評価してください。
入院時の初期診断としては細菌性肺炎が疑われるとのことです。
恐らくChatGPTは医学的なProblem List作成や入院後経過の説明を書くトレーニングを受けていないため苦手です。ChatGPTにしてもらう仕事はあくまで原案の作成です。次に鑑別診断です。
この患者で重要な鑑別診断を 5つ挙げて下さい。基準としては可能性が高いもの,
見落とすと致死的になる疾患, 特異的症状, 検査から疑われる疾患など。
説明は不要で結果のみを箇条書きで列挙してください。
またアセスメントを以下の例に従って作成してください。
例:入院時●を認め, ●から上記●などを疑った。
2.4.2 入院後経過と表
1枚で主要検査, 使用した治療薬を時系列にまとめた図表を作成したいですが, 現時点でAIで自動作成は不可能でこれに特化した専用ソフトが必要と考えています。一応, ADA (Code Interpreter)で複雑なグラフは完全自動化できますが, excel に直接出力できず画像出力となるため再編集できません。以前紹介した方法で作ってみました。
2軸折れ線グラフを作成してください。python codeは後で提示します。
CRP [mg/dL] WBC [/uL]
8/1 3.0 12500
8/3 5.2 13100
8/5 6.2 11000
8/8 5.7 12200
8/11 3.2 9850
8/13 1.2 7550
2軸折れ線グラフのcodeを入力してできたグラフです。
手動を推奨します。
2.4.3 入院後経過
というわけで図表で説明せず日本語箇条書きで記述します。ChatGPTと対話して入院後の検査, 治療について一緒に考えます。まずは退院サマリーの【入院後経過】をコピペします。
【入院後経過】といままでのやりとりでこの患者の診断, 治療について一緒に考えてください。
この患者はFilmArrayでも特定できませんでした。また抗酸菌も否定的でした。
細菌性肺炎, ウイルス肺炎を疑ってCTRX, TAZ/PIPCを投与し改善がないということでした。
その段階で疑うべき疾患, 行うべき検査, 問診すべき情報はありましたか。
行った検査, 治療の選択の妥当性について本来は発表者 userが考えるべきです。しかし, ChatGPT4は医学的問題についてしばしば適切な解答を助言してくれます。
入院後の追加問診で, 症状発症1カ月前にフィリピンで淡水カニを食べたことが判明しました。
このタイミングでするべき検査。検査の有用性 推奨度 (最大100%)
話が脱線してしまいました。そろそろスライド作りに戻りたいので, 一旦これまでをまとめて
また後で話合いましょう。
これまでのやり取りと【入院後経過】から【要約】を作成してください。
要約作業は得意です。後で再利用します。
【入院後経過】のスライド原案を作成してください。
条件
・過去形で作成。
・ですます調ではなく ~だった ~を認めた ~であった 常態で
・受動態ではなく能動態で
・時系列ごとに記述 Day1~ 箇条書きでなく連続した文字列で。
・すべてのDayを含む必要はなく, 転機となる検査, 治療介入を行ったDay
行った検査に関してはあいまいな表現ではなく具体的な検査名で。
・何を疑ってどういう検査を行ったか。症状, 検査値などから治療効果についてアセスメント。
検査値は全て列挙する必要はなく診断時の評価, 症状の悪化, 改善などで必要なときに表示。
・確定診断, 転帰を含める。
・入院から退院まで。
3. 参考文献検索 和訳
3.1 文献検索
参考文献を探して訳してまとめる作業は膨大に時間を消費します。AI活用することで時間短縮が可能となりました。同じChat欄で以下の質問をします
これまでのやりとりを学会発表したいと思います。診断が遅れた肺吸虫症というテーマで話します。
Pubmedで検索すべきwordを提示してください。
文献の検索方法としてPubMedで手動検索, PerplexityなどのツールでAIアシスト検索などがあります。どれも一長一短で日々模索されています。今回は最近リリースされた高性能と呼び名の高いPaperpile (Plugin) を用いてAI文献検索を検証したいと思います。
今回の症例に関連した他の研究報告を探してもらいます。
delayed diagnosis Paragonimiasis Japan 5本論文探してください。
もちろん架空論文ではなく実在する論文をリンク, 要約付きで提示してくれました。しかし, 何回か試していると関連性の低い論文を提示することがありました。
また, 何度か使用していると存在しない架空論文をあたかも存在するかのように提示してきました。
やはりプラグインはいずれも動作が不安定な印象です。
本題に戻ります。
比較稀な疾患は, 教科書やガイドラインがなく, 『総説論文 (Review article)』で全体像を学ぶことが多いと思います。
Review article を探してください。
3.2 文献和訳 (要約)
要約する方法はいくつかあります。以前は手持ちのpdf論文をAsk YourPDF プラグインで読み込ませGPTに高度な文章が作成できるかどうか模索していました。
・Ask YourPDF (Plugins)
PaperPileで検索→要約が一度でできる様になりましたので今回はPaperPileで行います。先ほどのlistの中に国内の症例報告集, 良さげな論文がありましたので【要約】して学習 (自分とGPT) します。
Paragonimiasis in Japan: a twelve-year retrospective case review (2001-2012).
を詳しく解説して下さい。
さすがGPT4 素晴らしい要約です。もちろん内容に関する医学的な質問にも的確に答えてくれます。
3.3 文献和訳 (全訳)
3.3.1 DeepLを使って部分和訳
1要約は主にGPTに内容を把握してもらうため, 全訳はこちらuser側が全体把握したいときに使うことが多いと思います。今の所, 無料で早くて正確に全訳を行うことが出来るAIツールはDeepL翻訳が一番有名ではないでしょうか
無料では1500文字まで一度に翻訳できます。無料会員登録すれば5000文字, 有料会員になれば文字数無制限となります。
論文の一部をコピペすると一瞬で高品質の文章で和訳されます。
論文pdfを忠実に再現してくれますので元の文章にあった『形式的な改行』も残っています。この問題もいろいろな方法で回避できますが今回は
Shaperを用います。『DeepLで翻訳』をクリックするだけで
改行がなくなり読みやすい文章が出力されました。
何回か繰り返し全体を和訳していきます。
3.3.2 一括和訳
PDFの一括翻訳するソフトはいくつかありますが。無料ではGoogle翻訳が有名でしょうか。
手持ちの論文PDFファイルをアップロードします。
この方法では元のpdfの形式のまま全訳されますので図表や位置も再現されています。
ただ翻訳の精度があまり高くないので精度を求めるならDeepL, 速度, スタイルを求めるならGoogle翻訳で一括変換でしょうか。
参考:その他で有用なツール Perplexity AI
AI搭載の論文検索ツールです。リンク付きで論文を提示してくれます。さらに文献に関連した相談など対話することも可能です。基本無料, 日本語も一応対応。
4. 作成 考察
4.1 構成を考える
ChatGPTに『【考察】を考えてください』など短い命令でお願いしてもある程度の文章は作成してくれます。しかし, 高度な文章を作成する時は筆者はしばしば『どのような構成』ですかとGPT自身に聞く方法や具体的な構成案をこちらから提示するなどして作成しています。
A Case of Paragonimiasis Following Persistent Pulmonary Symptoms Post-COVID-19というタイトルで
発表を予定しています。考察パートを一緒に考えてください。稀な疾患ということで構成は
1.緒言 肺吸虫症の一般的な概要 2.症状 3. 検査, 診断, CT所見 4.治療
5.他の研究との比較 教訓(問診の重要さ) 診断の困難さ Covid後, 似ている疾患結核, 悪性腫瘍などの
鑑別 など
4.2 緒言, 概要, 症状
方法としては総説などの論文をShaper+DeepLで和訳→(Wordで保存)→ChatGPTで要約という風な流れです。引用文献は手打ちするのはとても
[J Y;V:P]の形式で出典元J:Journal Y:year V:volume P:page 例 [Intern Med 2023;1:1-5]
骨が折れる作業なので上のプロンプトを頻用しています。
あとは『です, ます調』ではなく『~である』としてくださいは多用します。
ですます調ではなく, ~である 常態 (declarative form) で
以前はCustom Instructions (カスタム指示)に入れていましたが適応されないことも多いので最近は毎回命令しています…
【緒言】【概要】は総説のIntroductionの部分や他の文献をGPTで要約しました。感染経路についてはスルーされました…
続けて症状をまとめます。
症状についてまとめてください。さらに頻度別に表にしてください。
4.3 検査, 診断
肺吸虫症のCT所見に関する論文を検索し簡単な要約とリンク, 引用文献を提示して下さい。
[J Y;V:P]の形式でJ:Journal Y:year V:volume P:page 例 [Intern Med 2023;1:1-5]
同様にいくつか論文を和訳してwordに張り付けGPTで要約してもらいます。
下書きとしては十分ではないでしょうか。参考文献 ( [雑誌名 年;巻:ページ] ) を文章中に表記しつつの文章作成は時短となります。
4.4 治療
Perplexity AIを使えばさらに探す手間を省き, 文章の内容もそのまま流用でき時短が可能となるかもしれません。例えばPerplexityで「Paragonimiasis treatment (肺吸虫症 治療)」 というワードで検索します。
Answerをコピペし, Shaper→DeepLで翻訳します
web 全体から参照されていますので, 引用元が一般的なホームページである場合もあります。この場合, 検索ワードに『pubmed』を含めるとPubMedだけの引用となります。
「Paragonimiasis treatment (肺吸虫症 治療)」
4.5 他の報告との比較, 総合考察
先ほど類似研究 (症例) を何個かPaperPileに検索してもらいましたが同じChat欄で比較表を作成します。
これらの論文から各1名ずつ症例を抽出し全て英語で比較表を作成してください。 No, Author, Year,
Case (Age M or F), Symptoms, Imaging (CT所見), Time to diagnosis, misdiagnosed disease
treatment
一番下に自験例 Author (ChatGPT) を加えた5名で比較表。
一部, 英語になっていなかったり, 筆者名が抜けていたりといろいろ粗さが見つかりますがExcelで一から作ることを考えれば大分楽です。
最後に比較表, 自験例の振り返りを同じChat欄で行います。
『総合考察を作成してください』だけではあいまいな当たりさわりのない文章しか返ってきません。ある程度具体的なプロンプトが必要です。
比較表の症例と自験例を比較し総括の『総合考察』を作成してください。特にCovid-19罹患後という
ことで持続する肺症状や感染後器質肺炎, その他の鑑別, 診断, 問診の重要さについてまとめて下さい。
5. 発表準備 (質疑応答対策など)
5.1 質疑応答
ChatGPTの質疑応答を作成する性能は高く利用しない手はありません。
今回の症例で学会発表するにあたり質疑応答の準備を一緒にしてください。想定される質問を
10個挙げてください。
7. 診断が遅れた理由について 模範解答を用意してください。
PaperPile のChat欄で対話していますので参考文献も見つけてきてくれます。
4. Covidの肺症状と肺吸虫症の肺症状の模範解答と関連した論文ください。
リンク先は実在する論文でした。もちろんGPTに要約してもらい質問対策を考えてもらうこともできます。
5.2 抄録の作成
今までのChat欄に以下のプロンプトを入力し抄録を作成します。以下の形式は内科地方会のものですが提出先によって随時変更します。
学会発表を予定しています。演題抄録を以下の条件のもと, 出力例の通り600文字で作成して下さい。
説明は不要で結果のみを返してください。
条件:
■●▲は表示不要で文字列に置換してください。
● タイトル一行で
▲ 演者の所属 施設名 発表者
症例: 年齢, 性別
現病歴: 経過を300文字で要約
考察:考察を100文字で要約
キーワード:キーワードを3単語で
出力例:
●
▲
【症例】■【主訴】■【現病歴】■【考察】■
キーワード:■
なぜか今回調子が悪く 『【】』が表示されませんでしたので手動で『:』に変更しました。
完成
普通に手動でパワーポイントにコピペしています。その方法が一番早いと思われます。
ChatGPTを用いた学会スライドの作成法に関して, これまでいろいろな方法を紹介しましたが, 結局は原始的な方法が一番効率的に, 楽に作ることができました。自動化など中途半端に苦手なことを無理やりさせるのではなく, 文章要約, 検索, 検査値, 表の作成など得意なことだけをさせるのが最も効率的と思います。
6. 振り返り AIの功罪
この記事が完成したあたり (2023/10) から画像認識 (GPT4-V), 画像生成 (DALL-E3) の実装のニュースがあり将来性の期待について日々報道されています。同時に事前学習元の著作権がらみで不穏なニュースも一部ながれています。
GPT4がリリースされた当初, 世間では『AIでこんなことが出来ました』と連日SNSで発信, お祭り騒ぎで自分自身も再現性などあまり確かめずに無責任な?投稿をしていました。あれから半年, 思ったほど普及はなくブームがさったような印象です。という訳で今回, GPTに理由を分析してもらいました。
思ったほどAI (ChatGPT=あなた) は世間に浸透しなかったと思います。その理由を一緒に考えて
下さい。
GPTと一緒に考えてまとめました。
実際, 周りのAIに興味がないひとから聞く批判的, 消極的な理由として, 『使ったけど嘘をつく, 思った回答がこない』, 『難しい』, 『情報漏洩などが怖い』などに集約されます。
しかしその前に日本では利用率が7%と, そもそも認知度が低く, 『AI何それ?』状態に近い状況です。最近, 個人的にはまっている自己採点をしてもらいます。
先ほど挙げた4つの原因をそれぞれ100点満点で採点してください。
経済的な理由, 導入初期費用などは会社レベルの問題ですので今回は1. 期待値と現実のギャップについて掘り下げたいと思います。期待していたのに使えないという現象は罪深いと思います。例えばGPTで検索して, 架空論文を提示される, 嘘を提示される, 簡単な計算問題を解かして間違った計算結果を出してくるなど落胆は大きいと思います。
例えるならWordで1000文字の文章書いたら何文字か誤字があり, Word (イルカ)『誤字脱字は自分で訂正してください。』, Excelでセルの集計をして『数パーセントは誤差があるかもしれません』, Google検索でこのへんでおすすめのラーメン屋を検索して『〇〇屋 星5個 (存在しない店かもしれません)』と言われるようなもので, このようなことがあるとそのツールは二度と使わないかもしれません。
AIの落とし穴として個人的に問題となるのは『出来るかもしれないこと』をAIにさせて時間を大量に浪費することです。AIの進歩は凄まじく, 何が出来て何が出来ないのかAI開発者, もしかしたらGPT自身も知らないかもしれません。
例えばAIの得意な作業, 要約などはプロンプトを作成する時間もほとんどなく, 確実に返答しますので圧倒的な時間効率につながります。しかし, 高度な作業, 苦手な作業, 例えば複雑なグラフ作成や高度な考察文章などは
プロンプトを作成してできなかった場合, ある意味, GPTは優秀で『出来ません』とは言わずに, 『このように方法を変えたらどうでしょうか?』とアイデアを無数に提案してきます。何回も試すうちに最終的にプロンプトが出来たら良いですが出来なかった場合, 時間を浪費するだけになります。
筆者も含めて中途半端に出来ることをブログで紹介することは多くの読者の時間を奪うという罪深い結果になります。
これまでの内容を『できるできる詐欺 (False Hope and Time-Waste by GPT)』としてまとめて
下さい。
という訳で今後は, なるべく中途半端に出来ることは誇張せずに, 出来ること出来ないことを明示して記事作成に臨みたいと思います。
AIブームがやって来ると予想して, 筆者も含む自称AI研究家はAI活用術を紹介してきました。
しかし多少『出来る出来る詐欺』の影響からも思ったほど浸透しなかったです。このままでは
AIブームが『来る来る詐欺 (Ever-Coming GPT Boom Fallacy) 』も追加せざるを得ません。
『出来る出来る詐欺』を助長しないような記事作成を心掛けたいです。アドバイスお願いします。
なるほど参考になります。
次回予告
〇〇詐欺 三兄弟の末っ子登場