【南大沢土木構造物めぐり】No.3　南大沢輪舞歩道橋（もっと知りたい人のために）

本編はこちら
https://note.com/chatareau/n/n4021ca1350ed

【アクセス】　
京王相模原線南大沢駅から徒歩約3分

【概要】
南大沢輪舞歩道橋は、南大沢駅前の2つの大きな道の交差点に架かる歩道橋で、駅前のイトーヨーカドーが入居する「ガレリア・ユギ」という建物と八王子市の公共施設（市役所南大沢支所、図書館、公民館、文化会館など）が入る「フレスコ南大沢」という施設と、大きな団地の建つエリア、ヤマザキ学園大学方面をつなぐ歩道橋です。

【諸元】
名称：南大沢輪舞歩道橋
橋長：全周169.646ｍ　スパン：42.412ｍ（4スパン（90度））
橋種：歩行者専用道路橋（有効幅員6.0ｍ）
発注者：東京都
施工者：（株）ピー・エス
完成：平成7年（1995年）3月

【みどころ】
何といっても、この歩道橋の主役は、その円形の形状なのですが、橋の上から眺める景色もなかなか素晴らしいものがあります。橋の上からは富士山の山頂部分が近くの山々の稜線の上から顔を出しているところが見えたのですが、最近は近くに製薬会社の研究施設が建ったため、少し見えにくくなってしまいました。しかしながら、山の稜線や、ベルコリーヌ南大沢付近の街並み、駅付近などが一望できる場所です。

【構造】
参考文献によると、この歩道橋は、半径27.0ｍのシームレス曲線桁（360°全円形4径間連続桁）という非常に珍しい構造形式で、断面も曲面で構成される箱型断面のPC（プレストレストコンクリート）という、当時国内初の技術が採用されています。柱部分の支承は、全方向移動可能（800ｔの荷重に耐えられる）全方向ゴム支承が用いられており、施工に先立って組立時も含む構造解析や、実物での荷重をかけた試験を行い、安全性を確かめてから完成させたということです。

【受賞】
このような新しい技術を駆使して作られた歩道橋は、その功績が認められ、1995年度（平成7年度）のプレストレストコンクリート工学会の「プレストレストコンクリート技術協会賞」（技術開発部門）を受賞しました。

【見どころ】
まっすぐの橋を架けることは簡単ですが、曲線の橋をかけるためには、複雑な構造計算などを行わなければならず、高度な技術が必要です。この橋は美しい円形をしていますが、それを実現させるための技術開発があったことを思い出してもらえればと思います。

【見どころ②（おまけ）】
そんな難しいことはちょっと苦手・・、という方、この歩道橋はドラマのロケ地として頻繁に使われることでも知られています。
全国ロケ地ガイドを参照しただけでも、
　・ダンダリン（2013年）
　・プロポーズ大作戦（2007年）
　・夢のカリフォルニア（2002年）
　・彼女たちの時代（1999年）
などのドラマの舞台になっています。（もともと南大沢は、ドラマのロケがとても多く、東京都立大学のキャンパスなどは、かなりの頻度で使用されていますが）
ドラマの舞台になるということは、それだけ絵になる場所、ということでもあると思いますので、是非見に来てください。