愛知県美術館 コレクション展
エジプト展のチケットで無料で観れたので行ってきた。このご時世だし、人混みは嫌だけど美術館に行きたい人はコレクション展に行くと良いと思います(勧め方)
コレクション展のほうは最近愛知県が購入した作品やら愛知県美術館の収蔵品やらの展示。
ざっくり展示の構成をいうと、
展示室5 現代アートの部屋 広い
展示室6 主にドイツ絵画の部屋 クリムトもいる
展示室7 抽象画ちっくな部屋 絵が大きい
展示室8 仏教美術の部屋 数がすごい
この説明は死ぬほど雑なので公式サイトを置いておきます。説明を投げるな。
以下、展示作品について。
展示室5
横山奈美《Sexy Man and Sexy Woman》
※画像は愛知県美術館公式サイトより
入り口入って正面に展示されているため、
展示室に入る前からめっちゃ目が合う。
存在感すごい。絵面とポーズえぐいな。
美術館に行く前に作品の写真をみて、ネオン管で作った立体作品なのかな〜と思ってたんだけど、普通に平面作品だったからびっくりした。
上の画像をみて一発で油彩だと判断できる人いる？？わたしは無理です！！！
この作品のミソは、ネオン管の後ろ側まで現実的に描かれていること。
(だからこそ写真！？と思ったのかも)
ネオン管をみる時、基本的に我々は光のデザインだけを見て、後ろの電源がどうなっているか、配管がどうなっているのか、なんて考えないのだけれど。
普段、目を向けないものを絵画であえて描いて可視化することで、我々が意識を向けることができるのが面白いな〜と思った。
世界、ネオン管の後ろ側のような類のものがたくさんあると思う。
長くなるので他の作品の話は割愛しますが、この部屋、普段当たり前だと思ってみていたものを飛び越えるような発想の作品がいろいろあるので、新しい気づきがあってよかった。
私も現代アートは正直あんまりわからんのですけど、県美はキャプションでちゃんと解説してくれているので、比較的とっつきやすいと思います。
展示室6
マックス・クリンガー ≪愛、死、彼岸≫
※画像はウィキメディア・コモンズより
これだけ伝えさせてほしい。
ドイツ版画には詳しくないんですが、
マックス・クリンガーめちゃめちゃ絵がうまいな
(個人の感想です)
デッサンと緻密な描写が大変良かった。
遠目で見ると一瞬写真かと思うリアル感…
瞬間をうまく切り取って画面の中におさめていて、構図も絶妙…仄暗さと非現実を感じる独特の空気感がよい。
マックス・クリンガー≪熊と妖精≫
※画像はウィキメディアコモンズより
たぶんこれは展示室にはなかったけれど、個人的に好きなやつです。展示室はクリンガーを主に取り上げたかんじだったので他にもいろいろ作品あった。いや、本当に絵がうまいな……
クリンガーとクリムト
さて、この展示室では、
クリムトの≪人生は戦いなり≫とクリンガーの作品が同じ部屋で展示されていまして。
≪人生は戦いなり≫、愛知県美術館でいちばん有名な所蔵品ではなかろうか。
グスタフ・クリムト ≪人生は戦いなり≫
※画像は、文化遺産オンラインより
展示室でも説明がある通り、実はクリムトとクリンガーは1902年の第14回ウィーン分離派展示会で共演(？)している。
クリンガーの記念彫刻が目玉作品。クリムトは≪ベートーヴェンフリーズ≫を出品している。
≪ベートーヴェンフリーズ≫(部分)
※画像はWikipediaより
この作品、ベートーヴェンを讃えるにしてはまあ尖った作風だったので、世間に批判されクリムトが分離派を去ることになる作品でもある。
クリムトとクリンガーの作品を一緒に展示してるの、ちょっと業が深くないですか……？？
まあ、当然ながらクリムトとクリンガーの作品が一緒にある空間は最高でしたが。
ちなみに、前観たコレクション展では、クリムトの≪人生は戦いなり≫とデューラーが隣に展示されていました。あの空間も大変よかった。
※クリムトはデューラーの作品から着想を得て≪人生は戦いなり≫を描いています
愛知県美術館、クリムトの≪人生は戦いなり≫をどうみせるか、絶対毎回こだわってると思う。
今後のコレクション展も注目していきたい所存。
展示室6、個人的に楽しい部屋でした。
キルヒナーに言及できてないけど許して…
展示室7と展示室8
言いたいことはだいたい言えたので、残りはさらっと。
展示室7の大きな絵画の空間から、空気の揺らぎや木々のざわめきや、移ろう光の色を思い出す時間も素敵だったし、
※写真は愛知県美術館公式Twitterより
展示室8も、最近愛知県指定文化財になった作品があったり(下画像)、仏教に関連する工芸品がとにかくいっぱいあってテンションが上がった！
《黒漆厨子 千体観音図貼付》
※画像は愛知県美術館公式Twitterより
日曜日でも、余裕でソーシャルディスタンスしながら、コレクション展満喫できました。
所要時間1時間くらいかな。言及できなかったけど面白い作品まだまだ他にあります。
以上、特別展だけじゃなくてコレクション展も面白いよという話。12/6まで。(直前すぎる)
特別展はこちら。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？