マガジンのカバー画像

お茶の旅

19
お茶にまつわる旅を紹介しています
運営しているクリエイター

記事一覧

固定された記事

渋谷の谷を感じるお茶さんぽ

渋谷駅周辺は、その名の通り、谷あいの地形です。今日は、渋谷の谷からスタートして、青山方面へ坂を登っていく、お茶の散歩コースを紹介します。 スタートは谷底スクランブル交差点 スタート地点は、スクランブル交差点。このあたりは、渋谷でも谷の深いエリアです。江戸時代には、神奈川県にある大山に向かう「大山街道」と交差していた場所でもありました。「大山詣り」と呼ばれ、江戸時代の人たちには人気の旅先で、多いときで年間20万人の人が訪れていたそうです。今も昔も旅をする人たちが行き交う場所

富山県・朝日町|行ってみてわかったバタバタ茶の魅力

日本茶の勉強をしているときに、珍しい発酵茶の1つとして知ったのが富山県・朝日町にあるバタバタ茶です。このお茶は、茶葉を蒸した後発酵させる「後発酵茶」と呼ばれるお茶です。先日、朝日町でバタバタ茶を飲んできました。 旧川上家バタバタ茶を飲むために、朝日町歴史公園の中にある旧川上家へ。旧川上家は、江戸時代の町屋をに移築した施設で、土間や囲炉裏など当時の生活を知ることができる場所です。 旧川上家にある囲炉裏を囲んで、バタバタ茶の体験をしました。 鉄瓶の中には、茶葉が入った木綿袋

富山駅|道のりも、屋上も楽しい、富山県美術館

オノマトペ屋上があると聞いて、気になっていたのが富山県美術館。アートとデザインをつなぐと言うコンセプトをもつ美術館で、近現代のアートやデザインを収集している美術館です。 富岩運河環水公園富山駅で下車して、富山県美術館へ向かいました。駅から歩いて10分ほどすると見えてきたのが、富岩運河環水公園(ふがんうんがかんすいこうえん)です。昔は、物流の拠点だった場所でしたが、現在は公園になっています。とにかく広い、9.3ヘクタールもある水辺の公園です。 天門橋 まず目に入ってくるの

世田谷・梅ヶ丘|ネコと一服

ネコに会いたいなとたまに思うと向かう場所があります。世田谷線の梅ヶ丘駅にある豪徳寺です。でも、ここには本物のネコはいません。招き猫を見に行きます。 豪徳寺豪徳寺は、彦根藩・井伊家の菩提寺で、招き猫で有名なお寺です。招き猫発祥の地のお寺の一つとしても知られています。 さまざまな大きさのネコちゃんがずらっと並んでいます。絵本の物語のように、ねこちゃんに話しかけらるかもしれないという期待を持ちつつ、眺めていました。アニメのキャラのようにデフォルメされているわけでもなく、媚びた可

静岡・島田|自転車でかけぬける島田のチャリ旅

車の免許を持っていない。だから、旅に行こうと思っても交通手段がなくて困ることがあります。そんな時に、最近よく利用しているのが自転車。今回は、静岡県・島田を自転車で巡った旅を紹介します。 大井川 川越遺跡最初に向かったのは、大井川川越遺跡です。大井川には、江戸時代までは橋がなく、川越人足と呼ばれる男性たちが旅人を背負って大井川を渡っていました。天候が悪いと背負って渡ることも出来なかったため、何日も渡れないってこともあったそうです。 札場(ふだば) 札場は川越人足の人たちに

表参道|身体と心を整えるお茶さんぽ

春は寒暖差が激しい。気分や体調も不安定になってしまいがちです。ストレスや不安を感じていませんか。 そんな時におすすめな、原宿から表参道の散歩コースを紹介します。 明治神宮JR原宿駅近くの南門からスタート。南門から本殿までは20分程度、往復で40分ほどかかります。巨大な木々から差し込む光に癒されながら、参道を歩きます。 明治神宮の杜は、100年前に造られた人工の森で、当時は何もない土地だったそうです。人々が静かに祈りを捧げる場所として長く続くように作られました。100年後を

お茶処を芸術祭でめぐってみよう

お茶が好きになってから 、お茶処に行くように。その一つが、静岡県の大井川。お茶、キャンプ、温泉、鉄道、アートといろんな魅力を持つ場所です。今日は、大井川を訪ねるきっかけになった、お茶処で開催されている「無人駅の芸術祭」を紹介します。アート作品を通して、地域の魅力をのぞいてみませんか。 UNMANNED無人駅の芸術祭大井川で開催されているのが、「UNMANNED無人駅の芸術祭/2024」。アーティスト19組30作品が展示されています。開催地は、大井川が流れる静岡県島田市と川根

金沢|地元に根付く、茶の湯文化にふれる旅

金沢は茶の湯の街として知られており、その始まりは、加賀前田家初代当主の前田利家と二代目の利長が、千利休から学んだことにあります。 前田家は徳川家に次ぐお金持ちでしたが、徳川家に警戒されることを避けるため、芸能や工芸に財力を使う「文化奨励策」を取りました。その結果、京都や江戸から文人や茶人が金沢に来たり、お茶の栽培が始まりました。 今日は、金沢に根付く、茶の湯文化をふれる旅をご紹介します。 金沢市立中村記念美術館まず向かったのは、「金沢市立中村記念美術館」。地元の酒造会社の社

金沢|アートと工芸と加賀棒茶

金沢といえば、アートと工芸の街として知られています。一般的には、アートと工芸はそれぞれの違いを強調され、同じ文脈で語られることは少ないもの。金沢ではその垣根を越えて、工芸品のアートフェアが行われていたり、アートに工芸の技術が利用されたりと垣根を超えた新しい試みが生まれている街です。現代アートと伝統工芸が交差する、金沢のお茶さんぽ紹介します。 国立工芸館日本で唯一の工芸を専門とする国立美術館です。東京にあった東京国立近代美術館工芸館が、地方創生施策の一環として、2020年に金

金沢|本好きお茶さんぽ

金沢といえば、伝統的な工芸品やお寿司、美術館などが有名ですが、個性的な本屋さんや図書館もあり、本が好きな人にとっては嬉しい場所でもあります。今日は、本を楽しむ金沢のお茶さんぽを紹介します。 石川県立図書館2022年4月にできたのが、石川県立図書館。館内に入ってびっくりするのが、円形劇場のような吹き抜けの空間。本が並べられているというよりは、本にスポットライトが当たっているような、魅力的に展示されていたのが印象的でした。 上の階には物語に出てきそうな雰囲気のある本棚があり、

石川県・山中温泉|温泉とお茶でほっこり

2024年3月15日に金沢ー敦賀駅まで北陸新幹線が延伸されます。その駅の1つに、山代温泉や山中温泉の最寄駅となる加賀温泉駅があります。加賀温泉から行きやすい山中温泉で、温泉とお茶でリラックスする旅を紹介します。 花紫 茶房&ギャラリー美食の宿として有名な旅館「花紫」。館内にある茶房&ギャラリーへ。茶渓流沿いにある、広々とした空間で、茶室を感じるしつらいで、現代的な雰囲気を感じるスペースです。 最初にお茶の見本を持ってきてくれます。玉露、煎茶、石川県で栽培された煎茶、ハーブ

サウナとお茶でチルする西荻窪

仕事に取り掛からなければならないけれど、なんだかやる気が出ない。環境を変えると仕事が進むかも、楽しいことがあれば仕事が早く終わるかもしれないと思い西荻窪へ。 西荻窪で仕事をしつつ、サウナとお茶でチルした1日を紹介します。 めんそーれ!西荻窪で沖縄そば西荻窪についてまずは腹ごしらえ。駅前をフラフラして見つけたのが、「沖縄郷土料理 星の浜食堂」さん。 沖縄そばを注文。シンプルであっさりした出汁なのに味わい深い。お値段もリーズナブルで、ありがたいお店でした。お客さんがひっきりな

駒場東大前の建築をめぐるお茶さんぽ

京王線の駒場東大前駅と聞くと、どんなイメージを持ちますか?大学があるので学生の街というイメージがあるのではないかと思います。駒場東大前は、歴史的な建造物や自然豊かな公園もあり散策が楽しいエリアです。今日は駒場東大前の建築をめぐる、お茶さんぽを紹介します。 人の気配を日本民藝館民藝の美の概念や「美の生活化」を目指す本拠地として開設されたのが日本民藝館です。1936年(昭和11年)に誕生しました。 本館に入ると目に入ってくるのは、左右対称の大階段。この階段が下から見ても、上か

宇治茶とマンガのルーツがある、京都・栂尾の高山寺へ

鳥獣戯画(ちょうじゅうぎが)という、ウサギやカメが描かれた絵巻物を知っていますか?今回紹介するのは、その絵巻物を所蔵し、お茶にも関わりのある高山寺です。京都・栂野という山深いところにあるお寺です。 高山寺が所蔵する、ナゾだらけの絵巻高山寺は、1206年の鎌倉時代に明恵(みょうえ)さんによって開かれました。 明恵さんは宗派を問わず交流をしていたので、多くの人が集ったお寺だったそう。そういうことも関係しているのか、多くの文化財が残されていて、世界文化遺産にも登録されています。