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社会人1年目、有給を使って画塾の夏期講習に行ってきた。

今年度中にコロナが収束するとは思ってない。
だから、夏休みをとっておいても海外旅行にはどうせ行けない。
ということで、かねてより行ってみたかった画塾というものにいってみむとてするなり。

デザイン職で会社に入社したものの、工学系出身でデザインは大学に入ってから独学で学んだために、人生でまともに絵を描いた経験というのが他のデザイナーと比べてあまりにも少ない。

美大生への憧れ、絵が上手くなったらやりたいこと、描けないことによる悔しい経験などが積み重なったまま新卒一年目を迎えたが、絵が描けないままでいるにはこの先の人生はあまりにも長い。

大学2年の時に8回程度の初心者向けデッサンコースに通ったり、名著「脳の右側で描け」をやってみたりと自分なりにやってきたつもりではあった。それでもコンプレックスは消えないまま。

夏休み、吉祥寺にある画塾の夏期講習、1日6時間の6日間コースに行ってきた。気づきや学びをまとめておく。

【1作目】手のデッサン

制作時間:12時間

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気づき:時間をかければ絵は上手くなる、かも。

集中した12時間、ずっと自分の手という新鮮味のないモチーフを鉛筆で表現し続けるのは控えめに言ってしんどい。それでも1日目の6時間を終えた時には見えていなかった骨の位置や血管の窪み、手首のつき方が12時間かけることでやっと少し見えてきた。

【2作目】平面構成、テーマ「日本:和」

制作時間:6時間

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気づき:Photoshopは神。

平面構成はアクリル絵具で表現するため、色を決める、色を作る、色を塗るといったこれだけの作業が構成とは別に発生する。普段Adobe Colorからカラーパレットを拝借し、数秒の操作で色を変え、完成間際になってもフィルターで色味を調整することに慣れていると、現実世界はなんて面倒なんだと発狂しそうになった。ありがとうAdobe。これからも一生ついていく。

気づき:良く言えばチャレンジ、悪く言えば蛇足。

一応色彩検定2級を持っているので、単純に同系色や補色のみでまとめればそれなりのものができるだろうということを頭では理解している。理解していても、ついつい新しい組み合わせや使ったことのない色を使ってみたくなってしまうのは自分の特性というもので、なかなか変えられないものなのだと思う。先生にも色への理解や全体の中での構成が考えられていないことを指摘されてしまったのでまだまだ勉強が必要だ。

【3作目】石膏像のデッサン

制作時間:15時間

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気づき:先生はすごい。

ちょっと絵を見てぱっと直すだけであら不思議。さっきまでおかしかったデッサンが直っている。こんなことができる画塾の先生というのはすごい。絵を描くことでご飯を食べている人はすごい。年長者を敬おう。

気づき:デッサンはデッサンである前に絵画である

思い返すと先生のアドバイスは、紙の中でどのように美しく画面を構成するか、主題をどう魅せるかといったことがほとんどだった気がする。デッサンは目の前のものをいかに表現できるかだと思っていたが、正確さだけではダメで、客観的に見ていて面白いもの・美しいものを作る必要があるのかもしれない。

【4作目】静物デッサン、色鉛筆で彩色

制作時間:3.5時間

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気づき:透明なものは無色でできてるわけじゃない。

ほぼ透明なガラスびんと色鉛筆を渡されて、困った。困ったのだが、見えるように思えたかすかな色を載せているうちに、ガラスびんはどんどんカラフルになっていった。それでも描いた絵はガラスびんに見えた。このことにより、よく絵画である様々な色で白いものが塗られたりしている表現は、決して嘘ではなく、そう見えた物を強調表現しているだけなのでは。と思えた。今後絵を見るのが楽しみになる気づきだった。

講習を終えて

36時間以上の間ほぼ一人で黙々と絵を描いていた。その間色々なことを考え、気づき、学んだ。例えば、
鉛筆をカッターで削るのはめちゃ難しいし失敗すると殺意が沸く。
だったり、
中高生の集中力ハンパない。知識も技術もすごい。同級生の美術部の子達ってすごかったんだな。
とか、
絵を描くのは時間がかかる。忍耐力は武器。
などなど。

絵はすぐには上手くならない。これを機に描くことを習慣化したいし、もっと色々なものを描けるようになりたい。

Webや3DCGやモーショングラフィックやアニメーションなど興味の幅も深さもデザインを続けていくうちにどんどん広がっていって時間が圧倒的に足りないのが悩みだが、少しでも長く創り続けられるようにこれからも精進していきます。

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