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息子が自閉症スペクトラム/境界知能と診断されました

診断されたのはもう結構前だし、この記事を書いたのもその頃なんだけど、公開するまでに数ヶ月かかってしまった。

私の気持ちをきちんと表現できてるかな。そもそもこんなプライベートなこと公開していいのかな。でも私だったらこういう記事読みたいな。

というような考えのが頭の中をぐるぐるとめぐり、こんなに時間かかってしまった。

この内容を書いてから発達特性関連の本も何冊も読んだし、発達特性の子を持つ親のためのセミナーにも参加してみた。個別相談もしてもらった。

療育の先生や保育園の先生とも今後について話し合ったり、就学相談時に受けることになる発達テストを療育で受けさせてもらったりして就学について考え始めてもいる。

悩みがなくなったわけではなく、まだまだまだまだまだわからないこと、不安なことはあるんだけども、この記事を書いたときのような診断直後のどうしていいわからず戸惑う、ぼーっとしてしまうみたいなところからは抜け出せた感じがする。


先日、4歳の次男が通っている療育機関での医療相談で医師と話す機会があり、その場で「自閉症スペクトラム(ASD)」と「境界知能」であることがわかった。

発達障害に関するある程度の知識は事前に入れていて、次男はASDと軽度知的障害かな、となんとなく予想していたから、診断を受けても驚いたり感情的になることはなかったけど、自分で想像するのと医師にお墨付きをもらうのはやはりまた違って…。

数日間は色んな事を考えてふわふわしてしまった。

記録のためにこれまでの経緯を書いておこうと思う。

ちなみにASDは知っていたけど、お恥ずかしながら境界知能は知らなかった私。簡単に説明すると、通常の知能と、知的障害の間にあるIQの数値でグレーゾーンのこと。

IQ70-85までが境界知能と言われているようだけど、随分幅広い印象…。知的障害ではないけれど、色々理解が追いつかなかったりと、この宙ぶらりんで生きづらさを感じてる人って世の中にはたくさんいると思うんだけどな…。

0~3歳までの成長

今思うと0歳~1歳までが一番手がかからなかったかな。何も発達障害や知的障害を疑う点はなかった。

発語以外の発達は平均的で遅れを感じることもなかったし、成長過程で違和感を感じることもなかった。

1歳過ぎから無熱性けいれんを起こすようになってしまい、1歳半頃にてんかんの治療(服薬)を開始した。

同じ頃1歳半健診で発語がないことを指摘され、別室へ。在住区の発達相談に来てみませんか?ということで、当時私は「まだ1歳半だし平気でしょ」と心配していなかったけど行ってみることに。

2,3ヶ月に1度くらい、発達の様子を観察させてくださいね、というようなスタンス。

絵カードを見せて子どもに「これなぁに?」のような形で発語チェックと、保護者に対して「こんな声かけしてみてくださいね〜」くらいのゆるいアドバイスをもらった記憶があるけれど、正直「行く意味あるのかな?」くらいに思っていた。

3歳前には少しだけど言葉も出るようになってきたので、「発達相談は終わりで良さそうですね」ということで終わりになった。

保育園3歳クラス(年少クラス)で療育の勧め


進級して早々、療育を勧められた。

多分2歳クラスまでは「まぁできなくても仕方ない」で片付けられていたことが、幼児クラスの3歳になるとできないことが目立ってきたんだと思う。

言葉がゆっくりめなこともそうだけど、絵本を聞けない、一斉指示が伝わらない、お友達とうまく関われないといったことを懸念事項として挙げられた。

その頃には私も少し「次男はちょっと違うかも…」と感じていた。

私の言っていることが伝わらない、癇癪が多い、外に遊びに行っても私から離れない、公園に行ってもすぐに帰りたがる、子ども向けテレビや動画に全く興味を示さない、自分で食事を食べるのが苦手など。

だから保育園から療育を勧められて納得したし少しホッとした自分もいたように思う。

在住区の療育機関はかなり混みあっているのもあり、開始は3か月後となり、次男は4歳になっていた。

療育開始

4歳になったばかりの夏、療育が始まった。

とりあえず発達のテストを受けて、実際年齢は4歳だけど、知能的には2歳半程度であることを伝えられた。

療育を開始するにあたって、週1回の集団療育もすすめられたのだけど、毎週半日の休暇を取らないといけないのが仕事的には負担もあり、お断りさせていただいた。

月1回、心理士の先生との個別療育に取り組んでいくことになった。

当たり前だけど心理士の先生はさすがプロ。私の困りごとや次男の行動も「次男君は○○という気持ちでこういう行動してしまうのかな」などと私がこれまでただ「困る!」と思っていた行動を分析してくれて「なるほど」と思えるような観察をしてくれる。

普段の生活の中でも、次男の困りごとに直面したときに「○○な気持ちなのかも」などと考えられるようになり、私自身がキィーー!となってしまうことも減った気がする。

療育が始まって半年くらい経ち、次男も療育にも先生にも大分慣れ、素の自分が出せるようになったこともあってか、療育中に初めて強いこだわりを見せた。

療育中にどうしても部屋の中にあるおもちゃ(レッスンの最後に保護者と先生が話してる間に遊べる)で遊びたい!となってしまい、先生があの手この手で誘ったり、

「お勉強(療育のプログラム)最後まで終わりにしたら遊ぼう。あとちょっとだよ。」
「お片付けして終わりのご挨拶だけしたら遊ぼう。」

などとお願いしても聞く耳を持たず「やだ!」の一点張りで、療育のお部屋にあったおもちゃから全く離れなくなってしまった。

自宅でもよく出るアレだ。

先生が次男の手を優しく引こうとすると、先生を叩いたりして、キーキー大きな声を出してしまう始末。

先生ももう諦めて、次男がおもちゃで遊んでいるその場で終わりのご挨拶をしてくださった…。すみません。

そしてその場で先生から「次男君のあのような反応初めて見ました。私に慣れてきてくれて素の自分を出せるようになってきてくれたのかな。嬉しいです。」というコメントとともに、

「療育とは別に、医療相談と言う場があるのですが、いかがですか?」とお誘いがあった。

「いつも次男君の発達の様子について、私たち心理士としかお話しする機会がないと思うんですが、医療相談には小児科医が来ますので医師と相談したいことあればいかがかなと思いまして。」

心理士の先生も、あんな行動が毎日あったらお母さん(私)も大変かな、なんて思ってくれたのだろうか。

「ご希望であれば診断を…というお話しも可能です。もちろんお母さまがご希望なら、です。」

とすごく丁寧に言われる。

「うちの子は発達障害ではありませんから要りません!」っていう保護者もいるのかなぁ、なんて想像してしまった。

私は診断も希望していたので、すぐに「お願いします」と伝えた。

医療相談と診断

それから間もなく医療相談に行ってきた。

事前にお子さんの発達で気になるところ、困っているところを、一枚の質問用紙に書いてくるように依頼されたので正直に書いてみたら、次から次へと出てきた。

当日渡したら「こんなにたくさん…ありがとうございます」と言われたくらい(苦笑)。

あまり次男の困りごとに関して表に出してみることはなかったけど、やっぱりたくさんあるんだなと改めて思った瞬間。

そして医療相談当日は全部で約1時間、小児科医と次男の面談が少し、残りの大部分は保護者である私へのヒアリングが行われて、その中で発達と知的に関する診断をもらった。

ヒアリングもかなり細かく、色々なことを聞かれた。

癇癪一つとっても、頻度、継続時間、激しさなど細かく聞かれたし、保護者である我々夫婦の次男への対応の仕方、声かけの様子まで。

あとは診断のときも、「発達障害と言っても色々ありますが、お母様は次男くんはその中でも特に何の特性が強いと思いますか。それはなぜですか。」と聞いてくださって、一方的に決めつけられている感もなかったのがよかった。

だから余計に「やっぱりそうですよね」という腑に落ちる感じだった。

診断されて私の思い

やっぱり自閉症スペクトラムだったか。境界知能というカテゴリーがあるのは知らなかったけれど、知的にも遅れが見られるとは思っていたからある程度予想通り。

ではあるんだけど…

やはり小学校は特別支援級?
通常学級は厳しい?
今通ってる保育園で何か加配などつけてもらうべき?
読み書き計算などの勉強はどの程度できるようになると見込むべき?
習い事ってできるのか?
ルールがあるチームスポーツは難しいかな?
義務教育後の進路は?
高校は普通の高校?特別支援学校?
そもそも特別支援学校って近くにあるのかな?
大学という可能性は?
運転免許って取れるのかな?
就職は?
自立した生活送れるもの?
同じような特性を持っている人で結婚してる人もいるの?
私たち親が死んでしまった後は?

など、いざ診断をもらうと、直近の懸念から将来の心配事までワーーっと頭の中に湧いてきて、色々考えると眠れなくなり、夜通し鬼検索した。

ぼんやり「きっと発達障害だろうな」と考えるのと「ASDと知的ボーダーですよ」と言われるのでは受け止め方も私の中では大分違ったようだ。

我が家の次男の特徴


私の家族や次男のことを良く知る友人に発達障害と知的ボーダーだったことを伝えるとかなり驚かれる。

「え、どこが?」「他の子と同じじゃない?」「全然わからない」などという言葉をかけてもらうんだけど、我々や保育園の先生のように毎日接していると、やっぱり「ん???」となることが多い。

一部分をちょっと紹介してみる。

・強いこだわり⇒それが叶えられないと泣きわめく(パニック)
 例:保育園へのルート(その日の気分で違う)
   公園に行きたいタイミングで行けない
   寝室の特定の布団で寝たい
   真冬だけどどうしても半袖が着たい などなど

・話がかみ合わない
 私:今日保育園のお昼ごはん何だったの?
 次男:○○君はブロック貸してくれなかった。

・記憶が短い
 2,3個指示されても、1個しか覚えられない。
 私:「りんご、バナナ、ぶどう、はい言ってみて」
 次男:「…ぶどう!」という感じ。

・感覚過敏
 体を洗うのに身体を触るだけでくすぐったい
 常に「これ何のにおい?」と聞く
 窓締め切った自宅の部屋にいるのに「今バスが来た」と外のわずかな音で気づく

・ルールがわからない
 鬼ごっこやかくれんぼのルールがわからない。タッチされたら鬼になる、見つかるまで隠れる、ということが理解できないみたい。
 ボードゲームやトランプなどもごくごく簡単なもの(2歳くらいでできるもの)であればできるが、少し難しいものになると厳しい。

他にも色々あるけれど、主にはこんな感じなのかな。

さいごに

診断名はついたけれど、かわいいかわいいいつもの息子であることは何も変わりなくて。

療育機関でもいくつか本をおすすめされたし、発達障害や知的障害に関する本をたくさん読んで知識を得たい。もっと彼の特性を理解したい。

特性に対する理解もそうだし、息子への声がけや困ったときの対処法、これからの見通しについても知りたいと思う。

だから私も勉強する。そしてたくさん情報を得て、彼の発達や今後の生活をサポートしてもらえそうな機関や人、同じような特性の子を持つ保護者ともつながりたい。

そして次男が次男らしくのびのび過ごせるような環境を準備したい。

うん、そうだな。診断を受けて理由のわからないモヤモヤがあったんだけど書いてみて少しスッキリした気がする!

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