あの夜の日
時計を見ると、深夜1時を回っている。
もう明日が来ていた。今日にしがみついていたのは、自分だけだったみたいに世界は知らんぷりして止まらない。
小さい頃、今日みたいに眠れない夜がすごく嫌いだった。
夜は眠るというルールを守れないと、自分はずっと眠れない世界に一人ぼっちで置いて行かれるんじゃないかって、不安だった。そうなると余計に不安で、一生懸命に目を瞑っているだけの日が来るのが嫌だった。
あの頃から時間が経って、私は大人になった。
あの頃みたいに、毎日毎日、全力で過ごしていた日々はもうない。適度に、適当に毎日過ごしている。今でも眠れない夜はあるけれど、あの頃とは違う。
ベランダに出て、星を眺めることもできるし、携帯の向こう側でおんなじような人も見つけて、私は一人ぼっちじゃないと安心することもある。ホットミルクを飲んでもいいし、度数の高いワインを飲んで映画を見てもいい。自転車でコンビニに出かけて、美味しそうなスイーツを買ったり、タバコを吸ってもいい。
なんでもやっていいんだ。君が今思ってる気持ちは、全部気にしなくていい。1人じゃないし、誰にも置いてかれない。時間が進めば必ず朝になる。
君を連れて、当たり前のように世界は進んでいく。
ありがたや〜おいしいデザートを買います。