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ほん その⑤「バカの壁」

 養老孟司先生著の「バカの壁」を読んだ。わたしが子どものころ、大ベストセラーだとテレビで取り上げられていたのをよく覚えているが、読まずに30歳を過ぎてしまった。何となく始めたnoteへの読書記録ではあるが、これを続けているうちに読まないと機を逃すのではないかと思い、手に取った。

 特に印象深かったのは「キレる脳」の部分である。我慢する能力の発育がどんどん遅れていることに驚いたが、すごく腑に落ちるところもあった。子どもの絵の実験も非常に興味深いと感じた。『殺意をえがく子どもたち』(学陽書房)、読んでみようかな・・・?あと、『ケーキを切れない非行少年たち』の内容とリンクしていた。

 「でもしか先生」の部分は今の自分にとても響いた。給料の出所に常に顔がいってないだろうか。教師という職業である以上、子どもの成長を念頭に置いた指導を心掛けたいものだと改めて感じた。役割上、自己肯定感が極度に低い子どもや希死念慮を抱く子どもと接する機会が増えたが、そういった子たちと一緒に「人生の意味」について考えられる存在になりたいとも思った。まずはそのために、自分なりの「人生の意味」を見つけないといけない。

 最初は難しいなぁと思いながら読んでいたが、気付くとスラスラ読み進められた。一元論に固執し、自分から壁を作らないこと。狭い視野で物事を見るのではなく、様々な立場で考えること。大切なのは当たり前だけれど、意識していかないとなと感じた。

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