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分子間相互作用とは何か?

1.なぜ分子間相互作用を考える必要があるのか


完全気体としてふるまうための条件は、分子同士が接触したとみなせる距離dにくらべて、分子の平均自由行程λがずっと大きいことである。(λ>>d)
完全気体では平均の分子間距離がこのように長いので、分子の全エネルギーを運動エネルギーだけで書き表すことが可能であるが、現実の分子では、分子同士が近づくほど互いに相互作用をするため、運動エネルギーのみというモデルは単なる近似でしかなくなり、これらを改良するために分子間相互作用を考える必要がある。

2.分子間相互作用とは何か


分子間相互作用のポテンシャルエネルギー※には二種類の寄与がある。第一に、核間距離が比較的大きいとき(分子の2~3倍程度)分子は互いに引き合う。この分子間引力は期待が凝縮して液体になる要因である。第二に分子が接触する程度までに接近すれば斥力が働くことである。このような反発力は液体でも個体でも決まった体積があり無限に小さな点にならないことからわかる。分子間相互作用が存在すれば、ポテンシャルエネルギーが存在し、それが気体の全エネルギーに寄与する。引力が働くところでは、分子同士が近づくにつれ、全エネルギーが低くなる。したがって引力は気体分子全体のエネルギーに対して負の寄与をする。反発力が働くと、全エネルギーは高くなるため、反発力はポテンシャルエネルギーに対して正の関与をする。

※ポテンシャルエネルギーとは
 ポテンシャルエネルギーとは、位置によって生じるエネルギーのことである。
 

3.分子間相互作用と状態方程式


分子間相互作用の効果はとりわけ気体の状態方程式に顕著に表れてくる。例えば、実在気体の等温線はボイルの法則の予測とは違う形をしている。特に相互作用が重要になる高温、低圧において大きく異なる。

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