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ボクたちの失敗。ゴメンよタナカサン。(サンタからの報告。)

9月にあるフラのフェスティボーに向けて
タナカサンは今、アレコレ準備を
しているのをボクたちは知っている。
アルコールをやめてみたり
食事の内容を改めてみたり
変な体操をしてみたり
毎日毎晩、身体中をサスサスしてみたり。

なぜなら、今回新調したドレスがピッチピチなデザインで、
まるで「色がついたハダカ」みたいだからそりゃあもう大変で。
だからタナカサンはものすんごく頑張っているみたいだ。

タナカサンはもう人生折り返し地点だから
若い子みたいにパチンとした身体の張りもないし、
クビレもなけりゃ尻なんて、タルンタルンでタルンタルンだ。
だから毎日毎日必死だと言うことも
ボクたちは知っている。

こないだなんて、やたらと真剣な顔して
通販サイトをチェックしてるから
何を買うかと思ったら
「補正力高めのハイウエストガードル」
とやらを探していたみたいだった。
・・・タナカサン、いいの見つかると良いね。
仕事中だったけどほっといた。

いっときしてタナカサンは満足そうな顔をして
仕事を再開。
きっと割引率とポイントと相談して、買うべき
「補正力高めのハイウエストガードル」が
見つかったんだね。ポチったんだね。
それ履いて、クビレ作って尻もプリンってなって
ちょっとだけセクシーなムッチムチになれるといいね。

ボクたちはその「補正力高めのハイウエストガードル」が
タナカサンの手に届くのを心待ちにしていた。

次の日タナカサンのスマホに
「本日商品をお届けします」のお知らせメールが来た。
タナカサンはニヤニヤしていた。
仕事なんてしてられないよ、早く帰りたい。
と独り言を言っていた。よかったねタナカサン。

・・・・
そしてそのまた次の日、出勤してきたタナカサンは
なぜか悲しそうだった。どうした?何があった?
ボクたちは、友ならその原因を知っているはずだと
こっそりタナカサンのスマホを覗き
友との会話を確認した。

「ガードル来たー!」と、タナカサン。
友は、「おぉ、よかったやんけ!試着したか?」と。

「今からや。さっき晩御飯食べたけな。
落ち着いたら試着するー。」
タナカサンはご機嫌だ。
ここまではよかった。そう、よかったのだ。

タナカサンは今日届いた箱から
「補正力高めのハイウエストガードル」を取り出して
広げてみた。そして、あまりのちっささに愕然とした。
タナカサンは自分の目を疑った。
え?これL サイズ?ちっさ!!
そして友に
「ねぇ、何か思ったよりちっさいんやけど」
「どこをどげしても入る気がせん」と送信。
すると友は
「ガードルなんてそんなもんやで」と言うではないか。

それにしても小さい。こんなモノに入れる人間はいない。

タナカサンはもしやと思ってサイズを確認した。
「S」って書いてある。

「ねぇねぇ、Sって書いてあるよ?」
慌てて友に送信。
友からは
「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!」
と笑われたみたいだ。

タナカサンは、まず業者さんを疑った。
間違って発送したんじゃぁないの?って。
(いや、待て待て。)
それから、もしかしてワタシ??ワタシ間違った??
って、慌てて注文履歴を確認したようだ。
(業者さんの前に自分を疑うべきだよ?)

そう。すべてはタナカサンの注文間違いだった。
あれだけ確認してたのに、よりにもよってSサイズを
注文するなんて。
あぁ、ボクたちは反省した。
「タナカサン、ポチる前にちゃんとサイズ確認した?」
「ダイジョウブ?サイズ、大事よ!」
って、何度も声かけすればよかった。
そしたらちゃんと「L」サイズの
「補正力高めのハイウエストガードル」が
すんなりタナカサンの手元に届いたはずだったのに。
これはもう、「フエキくんとゆかいな仲間たち」の失敗だよ。

ね?フエキくん。

「ちげーよ、タナカのせいじゃろがい!
 もう、ちゃんと仕事しろってな話ィィ!!」
フエキくんは輩口調でそう言った。しかも呼び捨てだった。

そうだね、ボクたちは悪くないよね。
これはボクたちの失敗じゃなくて

仕事をさぼったタナカの失敗だよね。
クスクス。



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