環境による写真の等倍鑑賞(100%表示)の違いについて

「等倍鑑賞」

この単語、多分初めて聞いた方も多いと思います。カメラや写真についてあれこれ検索していくとこの単語が出てきます。

どうやら写真を拡大して細かい所を鑑賞する行為なのですが、なぜ「等倍」なのかと言いますと、デジカメで撮った写真というのは機種にもよりますが5000x4000ピクセルくらいあるんですね。しかしPCのモニタはそこまで大きくありません。
なので写真全体が写ってる写真は必然的に「縮小」されて表示しています。

例えばコレ。実際は5184x3041ですが600x355に縮小してあります。

これを写真そのものの大きさ、厳密には写真の1ピクセルをディスプレイの1ピクセルにあわせて表示する事を「等倍」と呼び、その画像の大きさで鑑賞することを「等倍鑑賞」と呼ぶ様です。

上記写真の歩行者専用道路の標識を等倍で見るとこうなります。実際はこんなに大きく写ってるんですねぇ:)

で、この鑑賞方法についてweb上ではあれこれ議論されてるようですが、その事について意見するつもりはありません。しかし一つだけ疑問があるんです。その疑問についてちょっと書いてみます。

前回のsd Quattroについて書いた時にも触れましたが、写真を見る環境で見た感じが変わる可能性があると思うんです。で、等倍鑑賞について一番違いが出るのは画素の大きさ(=画素ピッチ)ではないかと。

そこでこんな表を作ってみました。

AppleのMacbook ProとiPhone6s、PCモニタでよく販売されているサイズのフルHDディスプレイと4kディスプレイ(いずれもDell)の比較です。

モニタの寸法から画素ピッチを算出して、S2415H(23.8インチのFHDディスプレイ)を1とした場合の倍率を求めました。

でまぁ数で見ても分かりにくいので、実際に画像にしてシミュレートしてみました。

まず0.001mmを1ピクセルとして、画素ピッチの数に合わせて画像サイズを決めます。
基準としたS2415を例にたとえると、画素ピッチが0.274mmなので274x274ピクセルの画像を作ります。これが上記の歩行者専用道路の標識の画像です。
この画像をその他のサイズで作成するとこうなります。

※noteだとある程度大きな画像は縮小されてしまうので、下の画像は実際の大きさではありませんが、比率のチェックにはなると思います。またPCの場合は右クリックで画像を別に開けば実サイズで見れます。この場合も環境によって実寸とは異なる場合もあります。

ちなみにこの画像は23インチのFHDディスプレイで作成しました。

ご覧のとおり、S2715Hが一番大きく表示されます。そしてiPhone6s Plusが一番小さいですね。

S2715Hで見た等倍では、標識の裏打ちされた部分の出っ張りが明らかですが、iPhoneだとよく分かりませんね。
また画像が大きければ大きいほどボヤケ具合が増えますが、小さければ小さいほど細かい所が潰れて綺麗に見えます。

でもいずれも「等倍」なんです。等倍なんだけど大きさが違うんです。

またRetinaや4kだとアプリによって低解像度モードが用意されているので、その切替でも「等倍」の大きさが変わります。高解像度モードだと200%表示で見ないと細かい所は分からないかもしれません。

という訳で、今の時代だからと言うこともあるんですが「等倍」と言っても環境によって全く変わってきているので、見ている環境まで言ってもらわないと伝わらない可能性があるんじゃないかな、と思います。少なくとも画素ピッチを統一して比較しないと意味が無くなってしまわないか?と。

実際sd Quattroの写真でもノイズがある/ないで意見が別れてますし。。。wここをクリアすれば、もっと意見が伝わるような気がします。:)

いやしかし、ディスプレイの高解像度化はなかなか大変ではあるものの、そろそろ4k8kあたりを考えないとダメですかねぇ。。。(まだ廉価版PCだと4kはキツかったりするんですけどね。。。)

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