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アードベッグの秀逸なブランド・イメージ戦略 《アードベッグ④》

■前回まで

3話にわたってアードベッグについてお話をしてきましたが、その4回目です。

▼アードベッグは超臭いのに、超人気!

▼でも、1980年~1997年は操業していなかった期間も長く、操業したとしても少量を細々と生産していた

▼1997年のグレンモーレンジィ社による買収。その後のモヘ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン社(LVMH社)によるグレンモーレンジィ社の買収が、今のアードベッグ人気へと繋がっている。


▼その人気復活の理由は、
①  つくり手(ビル・ラムズデン博士の貢献が大)
②  ブランディング

 の2点だとチャーリー的には思う。

今回は、アードベッグのブランディングについてご紹介したいと思います!


■アードベッグ蒸溜所の親会社

現在、アードベッグ蒸溜所を所有しているのは、モヘ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン社(LVMH社)です!

その名の通り高級シャンパンのモエドンペリ、高級ブランデーのヘネシー、ファッションのルイ・ヴィトンティファニーをはじめ、超有名なブランドを数多く所有する、フランスの巨大な複合企業(コングリマット)です。

お酒、ファッション、時計など一見関係のない商品を取り扱う会社が集まっているように見えますが、共通点としては

超・強いブランド力をもつ
「ラグジュアリー・アイテム」

を売っている!

ということです。


◾️LVMH社の秀逸なラグジュアリー戦略

ちなみに、モヘ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン社の会長ベルナール・アルノーさんは、その家族の保有資産も含めると、資産額は2330億ドル(約35兆円)であり、2024年時点、2年連続で世界長者番付1位となっています!
すげー!!

2位は、あのイーロン・マスクさんですから、ベルナール・アルノー会長の資産家っぷりのハンパのなさがわかります。

LVMH会長の資産、2年連続世界一 株高で富豪増 - 産経ニュース (sankei.com)

このように世界一の資産を築けているのは、自社のもつラグジュアリー・アイテムのブランド力にさらに磨きをかけ、

良いものを
(適正価格の)高い値段で
売っているから!

に他なりません。

つまり、モヘ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン社とは、

世界トップの
『ブランディング力』
を持つ会社

と言うことができると思います。


■現在のアードベッグのイメージは?

1980年代には、廃業状態に追い込まれていたアードベッグ蒸溜所。

正直なところ当時は、「アイラ島のはじっこで、細々と営業するバッとしない蒸溜所」というイメージだったのではないでしょうか?

それが今は「手に入りづらいくらいの人気銘柄」となり、好感度も非常に高くなるとともに、全く異なるブランド・イメージを我々に思い描かせてくれます。

その今のアードベッグのブランド・イメージを、このように表現されている方がいらっしゃいました。

《アードベッグのイメージ》 秘密結社的!

「まさにその通り!」と思いました。

フリーメーソン的というか、ゲール族の宗教的なお酒というか、20世紀少年的というか、そんな

秘密結社的につくられている
『神秘的』なイメージ

がアードベッグにはあります。


■実際にアードベッグ蒸溜所を確認してみると・・・

アードベッグ蒸溜所内の石畳
(画像は以下のNOTEから引用)

熱狂的なファンを生む蒸留所【アードベッグ/ARDBEG】へ#76③|ヒデイシ/ Don’t tell Mama (note.com)

石畳の文様が、なんか20世紀少年的な不思議なデザインですね・・・

アードベッグ蒸溜所のビジターセンター受付
(画像は上記のNOTEから引用)

ARDBEGの「A」の部分のデザインが、何か古代ケルト文化っぽいですし、紫のライトアップという点でも、何か秘密結社っぽいですよね。

片田舎のバッとしないイメージだったアードベッグ蒸溜所は、グレンモーレンジィ社に買収され、そのグレンモーレンジィ社がLVMH社の傘下になってからは、意図的にブランドイメージに統一性を持たせている感じがします。

この統一感のあるブランディングって、やっぱりLVMH社のラグジュアリー戦略って勇逸なんだと思います。


■次回は

アードベッグ人気を支える、アードベッグ愛好家の皆様に対する、LVMH社の取組みをご紹介したいと思います!

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