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Confidence is the most important thing! ③

前回の記事では、Mobellの創設者Tonyが始めたチャリティ事業を、どのように具体化してきたかについて、日本の通信事業を始めとするビジネス、そしてマラウイ産コーヒーの販売などによるチャリティ事業を具体例に挙げながら、説明をさせて頂きました。

2022年3月4日、Mobellの国際ネットワークを使用した留学コースであるMobell Courseに参加したインターンとともに、Tonyへのインタビューを実施し、彼がどのような思いチャリティを始めたのかについて、聞くことができました。今回はその内容について、まとめていければと思います。

【インタビューの質問】
①チャリティ事業に踏み出そうと思ったきっかけは?
②マラウイを選んだ理由は?
③「チャリティ」の言葉の意味は?
④日本の若い人々にメッセージ!

①チャリティ事業に踏み出そうと思ったきっかけは?
Tonyは、以前の記事でもご紹介したように、1980年代は大きくビジネスで成功を収めました。そんな中、友達にボスニア・ヘルツェゴヴィナの巡礼地(キリスト教で言う聖地)に行こうと言われたそうです。仕事で忙しかった彼はあまり興味がなかったとのことですが、友達がいうので、一緒に行ったそうです。その後、彼は自分のビジネスの目的を見つめ直す時間ができ、彼いわく自分の「人格が大きく変わって」、イギリスに帰ってきたといいます。

彼の言うチャリティのきっかけは、何か戦略的なものではなく、自分が感覚的に感じたものに対してそれを感じた理由を自らに問い、自己を見つめていくことで、生み出したものでした。彼はイギリスのカトリックの家に生まれたため、彼にとってはこの自己内省は祈りそのものだったに違いありません。

②マラウイを選んだ理由は?
こちらは既にご紹介をしましたが、彼は自分の甥っ子の紹介で、マラウイにいきました。そこで、まず自分がボスニアヘルツェゴビナで見た光景を再現し、宗教的、精神的な土台を現地で作るために、Krizevac Projectと言い、南部のブランタイヤに十字架と十字架の道行きを作ることにしました。

十字架の道行きとは、イエスキリストが十字架にかかるまでの道のりを思い起こすために、いくつかのStation(立ち止まる場所)を作って、段階的に追憶しながら祈りを唱えていく道のことです。現在、現地ではここで子供たちが毎週土曜日に十字架の道行きを実施し、その後食事を摂るという行事を実施しています。

南部のミチル山の十字架の道行きにいる子供たち

Tonyが上記のようなことをした理由は、マラウイという最貧国が、自分のように大きく精神的に変わって欲しかったからです。現在では、こちらのように、Trip Adviserでも紹介され、大きな観光地にもなっています。

しかし、Tonyはわずかに後悔もしたといいます。自分がまだ十分に現地のニーズに答えていないことも事実だったと言います。そこで始めたのが、給食支援でした。当時、英国やスコットランドのボランティアが多く入っていて、彼が自分の資金を使ってチャリティを始める土台がありました。その時、団体の名前を、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの巡礼地、Medjugorje(メジュゴリエ)の聖母の出現を背景にし、Mary's Mealとしました。現在はこの団体は、スコットランド人の代表に譲り、Tonyは違う事業でマラウイの共同体開発を実施していきます。

このMary's MealのMary(聖母)が、後の日本で展開することになるNPO法人せいぼ(聖母)の土台になります。2015年、現地で大洪水があった際、ちょうど日本のNGOが給食支援の終了を迎えていたため、TonyがMary's Mealでの給食支援の経験をもとに始めたのが、Seibo Malawiでした。それを日本から支えようと考えた団体が、Seibo Japan(NPO法人せいぼ)です。

Seiboは、6周年を2022年で迎えましたので、よろしければ、こちらの記事もご覧ください。こうして、現在Tonyとそしてその会社Mobell、チャリティ団体であるSeiboも、マラウイとの結び付きが強くなってきました。

③「チャリティ」の言葉の意味は?
それでは、そんなTonyにとって、「チャリティ」という言葉はどんな意味があるのでしょうか。インタビューの中で、彼は "From Your Hearts"という言葉を多く使っていました。意味を要約していくと、目の前に起きていることなどに対する自分の心の動き、変化を大事にし、自分の居心地の良い場所から出て行って、その人、その状況に対して行動を起こすことでした。

私たちは、自分が精神的、肉体的に安心ができるコンフォートゾーンのようなものに入っていることが多いです。その中でも、長期的な目で現実的に実行できる計画を立て、良いことを行っていこうとする動きは、SDGsなどの働きのように、多くの場所で行われていると思います。よくこうした事業を、「慈善事業」(フィランソロピー)というと思います。一方で、Tonyの言うチャリティは、"Sponitanious"(衝動的)という言葉もありましたが、「突如として」、「衝動的に」起こった気持ちから起こるものです。

もちろん、計画性が必要な点は多いのは、言うまでもありません。しかし、彼が言いたいのは、その計画の中でも、自分が最初にそれを始めた時の衝動を忘れないことが重要であることを伝えています。それがチャリティを忘れないフィランソロピーかもしれません。

※Mobell Courseでは、こうしたチャリティの姿を、フィランソロピーとも対比しながら考えていく授業も実施しています。日本語版はこちら

④日本の若い人々にメッセージ!
最後に、Tonyに日本の皆さんにメッセージを頂きました。彼は、Idealismという言葉を使用していました。それは、「理想主義」と考えることができますが、その意味は、自分が世界を変えることができると思うということです。多くの人々が、自分が世界で生きていることは、他者に大きな影響はないと考えています。しかし、そうではありません。Tonyは、元アメリカの上院議員で、飢餓問題に取り組んでいたGeorge McGovernの例を挙げていました。Mcgovernは、理想主義を失わず、軍事に金銭を多く使い、自国を守るだけではなく、貧困国の子供たちに食事を与えることにより、世界を変えようという理想を持っていました。

私たちは、そうした理想主義を、失ってしまうことが多いです。しかし、Tonyがいうチャリティ精神のように、自分の心の動きから来る活動、仕事であれば、自信を持って取り組むことができるはずです。その自信は、失敗を恐れずに挑戦してみることにも繋がります。「失敗を恐れない」というのは、「失敗してもいい」ということではなく、失敗が大きな成功につながるプロセスのように考えて、責任を持って次に繋げていけることです。

Tonyは、"To have a confidence and make a challenge"ということを、若い人に伝えたかったと思います。

以上のように、私たちが彼から学ぶことができる点が、多くあったと思います。次回は、ビジネスマンとしての彼の具体的な活動、ビジネスについて聞いていける機会を作っていければと思います。

※チャリティや、Mobellの具体的なビジネス、活動については、こちらからご覧頂けます。
また、興味の沸いた方は、以下から留学コースに参加することができます。


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