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【新連載:ささ先生の学級通信①】常識の殻を破って、海外で子どもになった

こんにちは、ささと申します。タンザニアの学校で働いています。
チャリツモの代表・ふなかわさんとお話しした流れで、チャリツモFRESHで連載をさせていただくことになりました。

自己紹介

まずは、簡単に経歴から自己紹介させてください。

大学院で「楽しい授業とは?」をテーマに研究し、その後は、青年海外協力隊としてパプアニューギニアという南の国の小学校で先生をしました。
絵本を作って山奥の村や、電気もないような島の小学校を回って読み聞かせをしてみたり、子どもたちと一緒に曲を作り、CDアルバムを販売したりしていました。

現在は、アフリカはタンザニアの中学校で教育のプロジェクトに関わる仕事をしています。
どんな仕事かというと、例えば、生徒が楽しく学べる方法を考えたり、生徒のイキイキとした姿をたくさんの人に見てもらうためにビデオに撮ってまとめたり、学校を訪問してくれた日本の方々に先生になってもらうための架け橋のような役割をしたり…
仕事の内容は色々ですが、毎日「わくわく」を感じながら仕事をしています!


常識の殻にヒビが入った22歳

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一見、「お?」と思ってしまうような経歴のボクですが、昔からこんな感じだったわけではありません。

「他人と違うことがしたい!」
「すごい先生になりたい!」
と思いながら大学生活を過ごしてきたものの、何をしていいのかも良く分からず、淡々と4年間が過ぎて行きました。

そんなボクが、生まれて初めて海外に飛び出したのは大学卒業の直前。
親しい人の不幸が続き、人生について考えさせられた結果、「このままじゃ人生がもったいない!」と一歩踏み出してみたのがきっかけです。


その時に行った国の一つが、東南アジアのタイでした。日本全国から集まった大学生と一緒に様々な経験をするスタディツアーに参加しました。
一つ一つが今まで自分が触れたことのなかった体験。

「タイ人の小学生たちと一緒に遊ぶ」
「山奥の村でホームステイ」
「言葉が通じない中、市場での買い物」

そして、ツアー主催者の「浴衣で外国を歩くだけでパレードになる!」という発案のもと、参加者全員で浴衣や甚平を着てショッピングモールの中を、キャーキャーと写真を撮られながら歩いたりもしました。
何より印象的だったのが、主催者の方。なんの躊躇もなく「そんなこと考えてもやる!?」と思うことを計画し、それをとても楽しそうに実行してしまう姿を見たことで、自分の挑戦したい気持ちを阻んでいた「常識」という殻にヒビが入りました。

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「海外に住んでみたい」「途上国の田舎の学校の先生をしてみたい」「世界一周旅行に出かけて、世界中を見て回りたい」と、夢を持ったのはその頃だったような気がします。

儚く散った夢

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それからひとまず、この目で色々なものを見てみたくて、たくさんの国に行きました。
大学院の長期休みを利用して、2年間で30カ国を歩きました。街や観光地を散策して終わりだった国もあれば、街から遠く離れた奥地の村まで連れて行ってもらい、学校で先生を経験させていただいた国もありましたが、その全てが貴重な体験で、自分の世界がどんどんと広がっていくのを感じました。

「海外で働いてみたい!」と夢を描きながらも、「親の反対」「英語ができないこと」「生活の安定」「社会経験の無さ」など、色々な不安要素もあり、色々考えた結果、まずは中1の時からの夢であった「学校の先生になる」という夢を叶える決断をしました。

「3年間、日本で先生として経験を積んでから海外に行く」と決め、地元で小学校の先生になるべく、本気で試験勉強を頑張りました。

が、結果は不合格。

かなり一生懸命勉強したので、合格発表で自分の番号がなかった時はとても悔しかったです。
しかし、「こうなったら、夢を前倒ししてやれ!」と、すぐに切り替えて青年海外協力隊の願書を書き始めた自分がいました。
こちらは見事合格!
大学院を出た後の進路が決まりました。

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大学院を出てから協力隊の派遣前訓練までかなり時間があったので、ひとまず「社会経験の無さ」と「英語ができないこと」への不安を少しでも取り除くため、地元の小学校で臨時講師、そしてフィリピンでの英語留学をし、自分に自信をつける半年間を過ごした後、約70日間の訓練に臨みました。


この人と一緒にいたら、どれだけ人生楽しいんだろう!?

青年海外協力隊の訓練所でも、人生の転機となる大きな経験をしました。

それまでの人生で稀に出会った「この人の考え方おもしろい!」と感じる人たち。訓練所は、そんな個性的で、自分にとってものすごく魅力的な経験をしてきた人たちが、当たり前にいる世界だったのです。

安全な日本での生活、安定した日本での仕事を置いて、途上国に飛び出そうと決めた人たちの集まりなので当然と言えば当然です。
その中でも、特にキラキラして見えた女性に魅了され、ボクは人生で経験したことのないような「片想い」をしたのです。

この頃彼女とどんな話をしたかは、今となってはほとんど忘れてしまいったのですが、この話だけはとてもよく覚えています。
それが彼女の「大晦日に『かまくらの中で年を越したい!』思い立ち、スコップを持って車で山奥に行き、鍋焼きうどんを食べながらかまくらで年を越した」という話。
その「そんなこと考えてもやる!?」と思うようなアイデアを実行に移す行動力と、それを楽しそうに話す彼女の姿に「この人と一緒にいたら、どれだけ人生楽しいんだろう!?」なんて、そんな感情をいだいてしまったのです。

「可愛い」とか「好き」とかではなく、付き合ってもいない女性に、「この人と一生一緒にいたい」という感情を抱いてしまったのです。

より子どもらしく!

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結局、その時は見事に振られてしまったのですが、その時を境に、「その人に負けないくらい魅力的な自分になろう!」と決意しました。

それがきっかけで、派遣国であるパプアニューギニアに飛び立つ前に立てた目標はただひとつ。「より子どもらしくなる!」でした。
子どもの凄さって、「やりたい!」と思うことを後先考えずにやってしまうことだと思います。「漫画を出版したい!」と思ったら、「つまらないと言われたらどうしよう」とか「難しそうだなぁ」とか、余計なことは考えずに、とりあえず描いてみて学級文庫においてみたりするじゃないですか。その感覚です。

その目標を持ってパプアニューギニアへ渡ってからは、先生の仕事のかたわら、やりたいことを成し遂げる活動をとことんやりました。
小学校の頃からの漫画家になりたいという夢と現地のニーズを掛け合わせて絵本制作をしたり、子どもたちの好きなことを形にするためにクラウドファウンディングで資金を募って、生徒と一緒に曲やミュージックビデオを作り、音楽CDアルバム制作をしたり…。

挑戦したいことを実践する
楽しいと思った仕事をする
行きたい所に行く
着たい服を着る
一緒にいたい人と一緒にいる
語りたい相手と語る
飲みたい相手と一緒にビールを飲む

全部、自分の思うがままに、子どものように行動してきました。(ビールは子どもには飲めませんが。笑)
そうすると、何だか毎日がとってもわくわくするんですよね。

その後も紆余曲折ありましたが、そんなわくわくを求めて、今はここ、タンザニアにいるというわけです。

長くなりましたが、ボクの自己紹介はこんな感じでしょうか。

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そんなボクには、今思い描いている夢がいくつかあります。
「新婚旅行で世界一周」「海外移住計画」「途上国の子どもと日本の学生をつなぐ場づくり」
次回はその夢について、お話させていただきます!

---つづく---


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