66655558-秋_朝の木漏れ日で逆光での木のアーチを持つ霧の街公園で男を実行するいると道路はフィルムをスキャン

今朝の夢

いつもの路地を曲がると突然光り眩しく輝いた道になった。


露出を間違えたような明るさの中に向こうから小さな痩せた老婆が歩いてくる。
遠くからでも彼女がニコニコと微笑んでいるのがわかった。
生成りとベージュのような明るい上下の薄着で、髪の毛も綺麗に真っ白になっている。


一瞬明るさに躊躇するが、こちらも道の向こうに用事があって老婆の方に向かって歩き進める。老婆もこちらに歩いてくる。
徐々に近づいてくる老婆の顔が誰かに似ている。


「菅井きんだ!」


さすが芸能人、人気商売だ。笑顔を絶やさないんだなぁ。
感心しながら歩いて老婆に近づいてくると菅井きんではないと判った。


子供のころ近所に住んでいた大西さんのオバさんだ。
近所に住んでいた当時は若々しかったがこんなにお婆さんになってしまったのか。そりゃそうだ。40年以上会っていないんだから。
そうか。大西さんだったのか。そうか。
相手が誰だか判って安心して近づいてくる。


「待てよ?大西のオバさんは菅井きんタイプではなかったぞ?どちらかというと伊東ゆかり似の美人だった。あれ?どうして大西のオバさんを思い出したんだっけ?あ!わかった!大西家の長女のんちゃんだ!のんちゃんが歳をとったら菅井きんになる!なるぞ!」
のんちゃんだったか。もうすぐ手を伸ばせば触れられそうな距離になってきた。
「いや、再び待てよ?のんちゃんって俺の二つ上だったはずだぞ?こんなにちっちゃな老婆になるのは早くないか?のんちゃんでもない。じゃあ、誰だ?」


いよいよすれ違う瞬間。知らない!俺の知らない人だった。


「こんにちは。お元気ですか?」と声をかける俺。
「ええ、ええ。でも最近糖尿がひどくてねぇ」と老婆。
「では、ごきげんよう」とふたり。
すれ違いしばらく歩いてようやく気づいた。


俺の母親だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?