蒼薔薇まとめ8
じいちゃんが住む過疎の町あかあかと最終バスで夕陽を眺む/ねこねこ
過疎であろうが何であろうが、じいちゃんが住むというだけで、その町は尊い。あかあかと、には主体の想いと夕陽のひかりが込められている。夕陽に沈む町を見ながら主体の去り難き心情が滲み、切ない。
わたくしは意見を持たず絶え間ない言葉の狭間で密かに生きる/ケンイチ
意見を持たず、とはいうものの本当の主体は意見を言いたいのだ。絶え間ない言葉の狭間、は意見の隙間さえないことを示唆する。それでも密かに生きることを選択した主体の心情が切ない。
二交代勤務を終えてドライヤーのTURBO がつらい眠るしかない/去年
ニ交代勤務ということは夜勤を含む不規則勤務。働く主体の疲労は、ドライヤーのTURBOさえつらいところに、その重さが伝わる。この表現がこの歌の肝だ。結句の眠るしかないには、やるせなさも漂う。
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