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居心地がいいらしいCさん。


その後も、

「なんだろ~?何があるんだろう~?」

と隣のワタシに聞こえるようにデカい独り言状態のCさん。

そんなに興味持たれてびっくりだし。

なので逆に聞いてみました。

「じゃあCさんは、嫌なことは一個もないんですか?」

と。

すると、あまり考えもせず彼言いましたね。

「僕は~・・・ないですねぇ。」


え?マジかい?ほんとに?

その方が不思議なんだけど。


とは思ったのですが、言われて考えたらわかりました。


彼。

ちょっと変わった方で。

お仕事もかなり雑を極めていらっしゃって。
ニンジンの千切りが幅五ミリとかの時が往々にしてあって。
最初の頃、その太さにビビりましたし。これ、千切りじゃなくて拍子だろ?って。

ワタシが出勤時はもちろんワタシが調理担当なので、彼が調理したものを食べたことは一度もないのですが、実食してるBさん曰く、

「Cさんの味噌汁は、味うっすうすなのよ。」

「Cさんのお粥は、ご飯がお湯に浸かってるだけなのよ。」

との批評。


それダメじゃん(笑)。


その他にも。

調理担当は、その日の納品伝票の金額を打ち込むという作業があるのですが、上司曰く、Cさんはほぼほぼ金額を間違えると愚痴ってらっしゃいました。
その愚痴を聞くのもめんどくさいので、ワタシが自主的に月末に伝票の確認をしたところ、確かに彼のは間違いが多くって。


ま。ようするにそういう人。


けど、切り物が雑だの伝票打ち間違えるだのっていう彼への、上司やバアサンからの愚痴は、ワタシが聞くことがあっても彼本人には直接言われることはなく。

笑い話みたいに、ニンジンの千切りについて上司に確認したところ、

「あれでも教えて上手くなったんだよ~。」

とのこと。


あ、あれで???

とは思いましたが、上司の中では許容範囲ってことなわけで、それならもうワタシが教えてさしあげることも必要ないってこと。


Cさん曰く、


「ここは面倒な人間関係もないから嫌な思いもしないし。いいとこだと思いますよ。」


だと。


”聞かぬが花”ってことなんだね。なるほどね。


彼は前職ではけっこう若めの同僚さんがいたらしく、

「若い子なんかとやると、ほんといろいろうるさくって面倒だったんすよね~。」

とおっしゃってますが、たぶん正当な指摘もあったんじゃね?とは思っちゃいました(笑)。


入社2日目にして上司が愚痴ってましたけど、

この上司も、正直人を育てるってのは苦手みたいで、結局彼が成長する術がないわけで。

今の職場はそのレベルで「しょうがなし。」としてくれてるから、彼はいつまでたってもそのまんまでいられるって話。

人が「成長」っていう変化をするのは、生半可な努力じゃないですからね。
そのままでいていいよって甘えられる場所って、ある種の人にとっては一番重要な要素になるんですよね。きっと。

彼からすれば、こんな楽ちんで居心地がいい場所を、「やだよ。」と言い放ったワタシのことが理解できないのも、ま、そういうことなわけです。

ほんと。人って自分の目線でしか物事を捉えられないものですからね。


まあでもね。

「居心地がいい」と思ってくれる人が、仕事を続けてくれる人なわけだから。
回りまわって、今の職場にとっては彼は貴重な人材なのは違いないんでしょうね。


あたしゃ、辞め要員だからさっ('◇')。


失敬っ!

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