デザインはコンセプトなしでは作れない
こんにちは。はじめましての方ははじめまして。
本日、傘をバスに置き忘れ、予備で持ってた折りたたみ傘を壊してしまったChappy Tabbyです。
「グラフィックデザインって、文字や絵、写真をうまく組み立てることだろう?」
なんて言ってるそこのあなた!
じゃあ、どういう目的でそれらをうまく組み立てなきゃならんのか思い出しましょう。
…クライアントの問題を解決するため、でしたよね?
(詳しくは前回のnoteを読んでね)
で、多くの場合、クライアントは新しい顧客を獲得したい、サービスを知ってもらいたい、など、マーケティングに関する問題を解決したがってることが多いことも前回書きました。
そのために必要なことの一つが、デザインのコンセプトを決めることです。
コンセプトを決めてデザインの方向性や目的を明確にすることによって、デザイナーとクライアント間におけるデザインに対する認識のズレを防げます。
そうすれば、デザイナーが思い込みでクライアントの希望から外れたものを作り出してしまう可能性が低くなります(その後のやり取り次第でもあるのでゼロとは言わない)。
そもそもコンセプトって何?
英語で書くとconceptですが、英和辞典を引くと「概念」と出てきます。
英語の辞書で調べるとこんな感じ→https://www.dictionary.com/browse/concept?s=t
今回のデザインコンセプトにおいては
○○とは一体何なのかを表したもの
とします。
この場合の○○は、
*クライアント
*商品・サービス
あたりが入るでしょう。
クライアントの理念・ミッションの重要性
さて、デザインを作るにあたり、何を差し置いても「クライアントが何者なのか」をできる限り深く理解する必要があります。
実際の業務ではクライアントから様々な要望について話を聞きます(ヒアリングとも言います)。
そんな感じでクライアントから話を聞くことはとっても重要です。
もしクライアントがWebサイトなどで「企業理念」「ビジョン」「ミッション」を明記しているのならば、それを読むのが有効というかほぼ必須です。
そういう参考資料がないならば、直接クライアントに聞いてみるといいと思います。
そこから、クライアントがどんなデザインを望んでいて、逆にどんなデザインはだめなのかのガイドラインもわかってきます。
言い方を変えると、クライアントは何を一番ターゲットに伝えたがっているのかが掴めてきます。
また、クライアントから連想される各種イメージについて、マインドマップを作るのも大変有効です。
ぜひ作りましょう。というか作ってくださいお願いします。
【例:実習課題のため作ったマインドマップ】
なんか変なものが混ざってる気がするが気にしたら負け。
クライアントの競合相手(競合他社)を調べる
これも重要です。
目的はズバリ「クライアントの強みを見つける」ためです。
競合相手が提供している商品・サービスに関する情報、想定ターゲットを調べて、それぞれ比較します。
これについては「ポジショニングマップ」を使うのが便利です。
参考→https://www.marketingbank.jp/special/cat07/138.php
あと、クライアントの立ち位置も同様に比較します。
そこで比較した内容から、クライアントの強みが見えてくるはずです。
その部分をデザインコンセプトに反映していきます。
ポジショニングマップのサンプルを持ってこようとしたら、直接OneNoteに書き込んでいたため持ってくるのが面倒すぎる件。
ターゲットについて掘り下げる
ただ、競合相手について調べてポジショニングマップを作る過程で、どんな軸にすべきか悩むことがあります。
そんなときは、クライアントが想定しているターゲット、すなわちクライアントが提供している商品やサービスを欲しがるであろう人たちについて、深く掘り下げていきましょう。
そうすれば、ターゲットが何を求めていて、何を基準にして購買行動を選ぶのかがわかってきます。
それがポジショニングマップの軸を決める大きなヒントになります。
そこから、ターゲットが購買行動を選ぶ要因の中で最も重要な要素を2つ絞ります。
具体的にどうやってターゲットについて掘り下げていくか、ですが…。
まずは、ターゲットの属性(年齢、性別、職業や社会的立場、価値観などなど)を確認します。
次にターゲットが求めているもの(例えば買いたいと思っている商品・サービス)について具体的な情報を集めます。
例えば、今年ターゲットと同じ属性の間で流行している服とか。
それらからターゲットについてもマインドマップでキーワードを連想していきます。
だいたい↓みたいな感じ。いい例かどうかはともかく、イメージは掴めるでしょう。
やっとコンセプト作り
今までのことを実践していけば、クライアントが求めているデザインの方向性が把握できてきているかと思います。
ここでデザインコンセプトを作り出します。
コンセプトは一文でまとめることになりますが、シンプルなものにしましょう。
キーワードはせいぜい3つ、日本語で30文字くらいに留めたほうがいいと思います。
理由はあまり詰め込みすぎると、デザインに反映できない要素が出てきてしまうからです。
コンセプト決定の鍵となる視点としては以下のものがあります。
*誰に
→この場合ターゲットのこと
*どうやって
→クライアントはターゲットが抱えている悩みや望みを解決・満たすために、何をターゲットに提供しているのか?
*解決する
→「どうやって」の部分でターゲットが持つ悩みや望み等が解決した結果、ターゲットはどうなるのか?
今までやってきたこと、すなわちクライアントの理念・ビジョン、競合他社との比較でわかったクライアントの強み、ターゲットについて掘り下げた結果わかったこと、などを元にコンセプトを作っていきましょう。
この辺で、一度クライアントに確認したほうがいいでしょう。
※学校で同様の実習をしているとき、コンセプト書いた時点でメンターにチェックしてもらいました。
そりゃあ、なんのためにデザインをするのかに対する認識が双方でずれていたら洒落になりませんものね。
コンセプトが完成したあとはどうする?
アイディアを出していく前に、コンセプトから連想されるキーワードを10語書き出します。
できれば、ビジュアル化できそうなキーワードがいいです。
抽象的なキーワードは難易度が上がります(当たり前か)。
その後、キーワードから複数のアイディアを書き出していきます。
例えばこんな感じで。
書いてる人の字が下手なのは諦めてください。
【画像:書き出しの一例。キーワード複数からでも別に構わない】
ちなみに学校の実習では1キーワードあたり10のアイディアの草案(ラフアイディア・ラフ案といっても良い、というかそう表現することのほうが多いな)を書き出すことになっていました。
10キーワード×10アイディア=合計100
多いような少ないような。
多分多い?
そこから3つの案に絞り→3つの案それぞれから更に3つの案を派生して出していき(合計9)、最終的に3案に絞り込みます。
【3案に絞った例】
「新」が付いてるのは、やり直したからだよ😅
【更に9案作る】
本来は1案あたり3案の派生です。
なので、これはある意味で悪い例です(笑)。
もっと多くてもいいように思うかもしれませんが、せいぜい5つが限度な気がします。
クライアントが選べなくなってしまうか、同じようなのいくつも提案されても…と困惑されるかのいずれかじゃないかと思われます。
ここでのラフアイディア(草案)は、紙の上なり、なんかデジタルデバイスなり、好きなもので書き出せばいいと思います。
私の場合は、iPad ProでConcepts(日本語名がよりによってコンセプト😂)を使って書き出していました。
紙のサイズを気にしなくていいし、修正もしやすい、Apple Pencilさえあればペンや鉛筆で書き出す以上に書きやすく、出力でPSD形式も選べる(注:有料サービス購入が必要)ので超便利です。
ただし、端末とApple Pencilのバッテリ残量にだけは気をつけましょう💦
ちなみに、9案から3案に絞るとき、最初は色を付けないほうが楽かもしれません。
私の場合は、3案決まった後に色を決めました。
3案のデザインが決まった後および、それらの色を決めた後、クライアントに一度確認をしてもらい、最終的な1案を決めて仕上げます。
今回のまとめ
*クライアント、ターゲット、競合相手についての情報収集と掘り下げは深く行う
*クライアントの理念・ビジョン・ミッションはきちんと確認すること!
*ターゲットが何者で、何を求めているのかも深く掘り下げること!
*競合相手との比較でクライアントの強みを知る
*マインドマップやポジショニングマップを活用する
*コンセプトはシンプルに
*ラフアイディアは大量に書き出す(最終的に115案くらい書くつもりで)
*…けれども最終案は3つ程度に絞るべき(最初は色を付けないほうが楽だと思う)
*更に本当の意味での最終案1つに絞ったら仕上げ
*クライアントがデザインを通じて達成したい目的が何なのかを理解する
終わりに:
「スキ」を押してくださった方、ありがとうございます。
超嬉しくて、やる気スイッチが前回になります😻
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