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植物のおもしろ英語名 2

植物のちょっとユニークな英語の、時々他の言葉の名前をご紹介する連載。今回は、ちょっと強烈な意味を持つ植物の名前からはじめたいと思います。

※過去の記事

サンセベリア

Mother-in-law's tongue
姑の舌。
剣のような長い葉がお姑さんの毒舌を思わせるから、だそうです。
なお、この説明が書かれていたキューガーデン(王立植物園)のサイトでは、この説明に続けて葉の模様は美しいマーブル状だ、とフォローしています。
さすが、植物学の殿堂、お姑さんへの配慮も万全です。

Its sword-like long leaves were thought to be a fitting representation of the stereotypical sharp tongue of a mother-in-law.

But to appease any offended mother-in-laws, the succulent is also very beautiful with marbled leaf patterns.

出典:Royal Botanic Gardens "Weird and wonderful plant names"

コンニャク

devil's tongue, voodoo lily, dragon plant, elephant yam, konnyku, leopard arum, snake palm, umbrella arum
悪魔の舌、呪いのユリ、龍の植物、象のイモ、コンニャク、ヒョウのアルム(アルム=サトイモ科の多年草の総称)、蛇のヤシ、傘のアルム

花びらから巨大な舌が出ているような姿から、悪魔の舌(devil's tongue)。他にも動物の名前や、あまり歓迎できない名前がつけられています。

蛇足ですが、コンニャクの説明をした英語サイトには、日本人の食べ物として紹介されている記述が目につきました。
下記のサイトでは、オンラインで買える日本のスナックベスト54の、29位にコンニャクジャーキーがランクイン。
コンニャクジャーキ?
ゼリーじゃなくて?
他のランクインも含めて、これが日本を代表するスナックなんだなあ、と、妙に感心してしまいました。

ハエトリソウ

venus flytrap
ビーナスのハエ取り器。ビーナスはローマ神話の愛と美の女神。

ちなみに学名はDionaea muscipula。
Dionaeaはローマ神話の狩と貞操の女神ダイアナ。muscipulaはネズミ捕り。

なぜわざわざ美しい女神の名を?と思わなくもないネーミングです。
美女は怖い‥のでしょうか。

アジアンタム

Maidenhair fern

乙女の毛のシダ。黒い根茎が髪の毛をほうふつとさせるから。
なんと、アジアンタムは黒髪の乙女でした!

The nonscientific name "Maidenhair" is said to come from the black roots growing from the rootstock, supposedly suggesting hair.

出典:Adirondack Ferns: Maidenhair Fern

Adiantum(アジアンタム)は、ギリシア語のa(無)とdianotos(濡れる)の合成語で「濡れない」を意味し、葉が水をはじくことにちなみます。
ですので、アジアンタムは根元に水をあげましょう。

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