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野口晴哉「治療の書」を読み終えて 私の経験から

野口晴哉氏の「治療の書」の中から、印象に残る部分を3回に分けてご紹介してきました。

一連の記事の最後に、私が最近経験したことを少しお話したいと思います。


私は、今すこし厄介な病気を抱えていて、あちこちの病院にお世話になっています。そんな中で、野口整体の流れを汲む整体師さんに出会いました。
お世話になり始めてから、まだ日が浅いのですが、この方に出会えて本当によかったと、しみじみと感じています。

体のある箇所を施術してもらうと、そこに対応する体の別の場所に変化があらわれます。その体の変化の様子を、要所要所で体感させてくださいます。そのことを通じて、私の体に回復しようとする力があることを、短い時間の中で何度も実感することになります。
また治療に行かない日には自分で何をしたらいいか、いろんな方法を教えてくださいます。

「よく眠れていますか」
「辛い1ヶ月でしたね」
初回の治療でかけていただいた言葉です。
シンプル極まりない言葉ですが、今までお世話になってきたお医者様方からは一度も言われたことがありませんでした。
病気を治す。それが医療の目的です。限られた時間の中で多くの患者さんを診なければならない先生方が、丁寧な言葉をかけていられないのはよくわかります。
でも声をかけるだけではなく、実際に入眠しやすいように体を調整してくださることも含め、病ではなく人全体をみてくださっているんだなぁと、西洋医学と全く異なるアプローチを感じます。

ところで今回、私だけではなく、その整体師さんには、相方さんもお世話になっています。互いの治療の様子を見学させてもらい、二人とも体をいい状態に整えて行こう、どういう治療をしていただいているか、理解し合えるように、二人でみてもらおう。二人でそう話し合った結果です。
もちろん整体師さんは、私のケアは十分にしてくださるのですが、それ以上に、相方さんへのケアが入念なのです。前回も、疲れから生じる相方さんの体の不調を丹念にケアした後、こういう言葉をかけていただきました。
「お仕事と、奥様のこともあって、神経に疲れが溜まっていらっしゃるようですね。どうぞゆっくり眠るようにしてください。」
相方さんの心身をもサポートしてくださる方がいる。それがとてもありがたいのです。


治療の技はもちろん素晴らしいものですが、その詳細については、残念ながら、私の不十分な知識ではお伝えすることがかないません。

それでも、野口氏が残した数々の技と言葉が、今に引き継がれていることが、私の経験から少しでも伝わればと思います。

人が健やかに生を全うするために力を注いだ野口晴哉氏と、彼が残した整体操法に、関心を寄せてくださる方が増えればと願ってやみません。

参考

たにぐち書店「治療の書」





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