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【銘柄分析】eMAXIS Neo バーチャルリアリティ #8

こんにちは、chapiのすけです。

連続してeMAXIS Neoシリーズの分析をしていきたいと思います。今日はバーチャルリアリティについてです。
#ヘッダー画像は公式ページから拝借しました。

結論から言うと、私はバーチャルリアリティについては非常に期待していて、遺伝子工学やナノテクに続いて注目している投信です。

eMAXIS Neo バーチャルリアリティとは

自動運転と同様、KENSHOテクノロジーズの指数への連動を目指します。11月末時点での組入れ上位銘柄は下記のようになっています。

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パフォーマンス

パフォーマンスはとても良いです。
2020年度の年間騰落率は+68.93%でeMAXISシリーズのSlim S&P500を大きく引き離しました。Neoシリーズの中でも自動運転に次いで第2位のパフォーマンスです。

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あくまでこれは過去の実績ですが、これからの未来に向けても明るいイメージを持っています。理由は大きく3つあります。

理由その1:業種の分散

私が注目している理由の一つに業種の分散があります。他のシリーズと比較し比較的業種の分散がされていますのでリスクの分散が効きますし、特定の業種に偏らないことで「バーチャルリアリティという市場全体」の成長を反映させられているIndexと考えられます。
#例えば自動運転は資本財セクターが9割近く閉めますし、遺伝子工学はほぼすべてヘルスケアセクターです。

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というのも、VRやIoTというのはIT技術の一つですが、ソフトウェアやネットワークといったベース技術とは異なり、最新技術の結集体と私は思っています。言うなれば今ある様々なIT技術を組み合わせた、新しい提供形態の一つです。
ソフトウェアを作る会社、ハードウェアを作る会社、ユーザーに届けるネットワークを担う会社、ユーザーとの窓口となる提供企業と様々な会社が力を合わせて提供しているサービスですので、このポートフォリオもその実態をよく表しているといえます。つまり特定のセクターに左右されず市場全体の成長と連動することが期待できますね。

理由その2:VR市場の成長性

Indexの分散と合わせて、さらに期待できる要因がさらに2つあります。まず一つは世界のVR市場全体の成長性が今後大きく期待できることです。

昨年、IT調査会社であるIDCが市場成長性のレポートを発表しています。せっかくなので引用します。

世界のAR/VRのハードウェア、ソフトウェア及び関連サービスを合計した支出額は、2018年は89.0億ドル、2019年の168.5億ドルから2023年には1,606.5億ドルに達する見通しで、2018年から2023年にかけての年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は78.3%と高い成長が見込まれます。
(中略)
「トレーニング、コラボレーション、デザイン、セールス、その他多数のユースケースを推進する方法として、VRに着目する企業の数は勢いを増している」と、米国IDC Devices and Consumer Researchのグループバイスプレジデントであるトム・マイネリは述べています。続けて、「ARのユースケースもまた、次世代のハードウェア、ソフトウェア、およびサービスの登場で増加しており、これらはいずれも既存のビジネスプロセスを抜本的に変えるものである。というのも、ARはハンズフリー技術を必要とする第一線の労働者に新しい能力をもたらすからであり、多種多様な会社がこれに注目している」と述べています。
※2019年6月26日 IDC Japan 株式会社発表内容より抜粋

CAGR78.3%は凄い数字ですが十分あり得る数字だと思います。またVRと聞くと、ソニーや任天堂が提供しているようなVR技術を利用したエンターテイメント/ゲームのイメージが強いですが、ビジネスシーンでの利用も今後加速すると思われます。もう一つの理由がこの利用シーンです。

理由その3:VR技術の活用シーン

VR、特に拡張現実という技術自体はかなり昔からある技術です。言葉自体の誕生は30年以上前と言われています。その技術は少しずつ進歩を重ねてきましたが、最近まであまり目立った注目はなかったかと思います。参考になるのがガートナー社が発表しているハイプ曲線という考え方です。

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※出典:ガートナー (2020年9月)発表資料
※参考:https://www.gartner.com/jp/newsroom/press-releases/pr-20200819

ざっくりと概要を説明すると、先進技術というのは誕生したあと、徐々に注目されるにあたり加速度的に期待値が上がりピークを迎えますが、その後幻滅期という期待外れの期間に突入します。その後再び注目されることにより社会の中で実運用され安定期を迎えていく、というものです。

ARは分かりやすい例と思っていて、2007年にスマートフォンが登場した後に、カメラをかざすと3Dの物体が画面に浮かび上がる技術、ということで非常に注目を集めた時期がありました。個人的にもここが過度の期待のピーク期だったと思います。その後程なくしてAR技術という名前も聞かなくなり幻滅期に入りました。「なんか面白いんだけど、これどう使うの?(どうビジネス利用するの?)」という時期だったと思います。
#ちなみに私はIoT技術がそこに差し掛かっていると思っています。

その後、ポケモンGOで再度注目され始め、先日任天堂が発表した現実世界とリンクされるマリオカートには私も衝撃を受けました。今再び注目され始めているのですが、それはやはりコロナ禍が何よりも追い風になっていると思います。以下、Laser Focus World Japan社の記事より引用です。

COVID-19拡大が、VR対応ツールとプラットフォームを引き起こしそうである。例えば、George Washington University Hospital (U.S.) は、VR技術を使って、コロナウイルスと闘う患者の肺を覗き見る。さらに、VRプラットフォームは、COVID-19爆発と闘うために移動制限をサポートするソリューションを提供している。例えば、米国のスタートアップ、Imeveは、VR技術を利用したAvatourリモートプレゼンスプラットフォームを開発した。このプラットフォームは、ユーザをリアルタイムで遠隔地にトランスポートする、また十分な旅行の代わりを提供する。
さらに、いくつかの国々で全国的なロックダウンのためにWFH (Work-From-Home)ポリシー採用の必要性により、バーチャル会議が、従業員の間で最も好まれる通信方法になっている。したがって、加速された肺診断から組織における仮想会合まで、VRは、このパンデミックとの闘いの最前線にある。
※June, 10, 2020, San Francisco Laser Focus World Japanより抜粋

リモートワークという形態はコロナ禍の前から囁かれていましたが、この一年で一気に加速しました。人々はWFHの必要性により関連技術が注目されました。私はここでVRの「利用シーン」が具体的にイメージされ始めたと思っています。

先進技術というのは、技術が先取りしすぎて市場がついてこない、というのがハイプ曲線の意訳だと思いますが、幻滅期から啓発期に入り始めていたVR技術が一気に加速されている状況だと思っています。市場規模の予測はあくまで予測ですが、この利用シーンのイメージはその市場成長を裏付ける根拠としては十分かと思っています。

まとめ~今後の見通し~

まとめるとこんな感じです。

・NeoバーチャルリアリティはVR市場の成長に連動する(と思われる)
・VR市場は高い成長率が期待できる
・なぜなら、VR技術は再度注目され始め、コロナ禍で一気に利用シーンのイメージにつながっている

この成長は短期的なものではなく、多少下がることもあるでしょうが、中期で見れば十分高いリターンを得ることが期待できるのではないでしょうか。

私はNeo9種の中ではかなり期待している側の投信ですので、概要分析というよりも市場の今後の成長性という、いつもとは違った観点でnoteを記載してみました。購入を検討されている方の少しでも参考になる情報になっていれば嬉しいです。

※noteの内容は個人的見解であり、記載の銘柄への購入を推奨するものでも、利益を保証するものでもありません。参考になれば非常に嬉しいですが、投資は自己責任でお願いしますね。

それでは。

参考

組入れ銘柄の詳細については、ファンドより詳しいレポートが出ていますので貼っておきます。ただ1年半ほど前の内容なので、銘柄が入れ替わっている可能性があります。今組入れられている銘柄のご参考までに。
https://emaxis.jp/text/253482_190611.pdf


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