【歌い手編26】ベルカント唱法の発声法を教えて その1(間違ったボイトレによる弊害)
今さら聞けない歌い手お悩みあるある26
ボイストレーニングのレッスンの方法や歌唱法は教える人の数だけありますが、現在は経験則をはじめ沢山ある中で何が正しくて悪いのかが曖昧なものになっています。正しいと思っていた歌い方が間違っていたなんて事もあります。ただ実際の収録現場では、収録時の冒頭、歌声の調整時に悪い歌い方が採用される場合もある為、もちろん様々な歌い方を引き出しの一つとして習得しておく必要もあります。今回はベルカント唱法と言う発声法に基づいてこの発声法を知って頂く為に、絶対的にオススメしたい書籍を紹介していきます。歌唱者だけでなく指導者にこそオススメしたい1冊です。
1.ベルカント唱法
ベル・カント唱法―その原理と実践 単行本 – 1986/12/1
コーネリウス・L. リード (著)
ベルカント唱法は声楽の歌い方でイタリアで生まれました、ドイツで生まれたドイツ唱法もありありますが、体の小さい日本人に向いていると言われている歌唱法です。その為、これにまつわる書籍もたくさん出版されていますが、世界的に有名な声楽家のコーネリウス・L. リード氏が書いたこの書籍を元に多くの声楽家が実践し、その信憑性から多くの学術的論文でも引用されています。4000円程度の書籍ではありますが、書いてある内容のどれもが包み隠さず理論と発声法が書かれており非常に良い書籍です。完成まで100年以上の歳月がかかったと言われるこの唱法の全てがたった1冊に収まっています、今回からはこのベルカント唱法の中から抜粋した内容と共にご紹介します。
1-1.声を壊す歌手はいなかった
近代は自身の歌唱法よりもキャラクターや自分の役割を大きく優先され悪い歌い方がはびこっています、声を使う(歌う)事が声を酷使する事実があり健康的な衰えではなく声を悪くしてしまうのは、間違ったテクニックとそれを教えるトレーナーに責任があります。発声の根本的な概念が捨て去られ、事実に基づかない発声位置や鼻腔共鳴 ブレスコントロール 呼気上歌唱 など曖昧なものを頼りにするようになってしまいました。ベルカント唱法が応用されていた17.18世紀には声を壊す歌手はいませんでしたし、反対に多くの歌手の声を修正していきました。本書ではこのような現代に残る怪しい練習法やエピソードをイカサマ療法と力強く批判しています。
1-2.声の種類は教師の失敗により分類されたもの
声の音質にはソプラノやテノールなど多種多様な違いがありますが、実はこの声種の違いは声の限界とは無関係なんです。音質の違いは個人の身体的な条件や、生まれつきの気質、自然に備わった<声城>、芸術的な表現のために母音の"音色の変化"させた結果によって起こります。実はその典型的な誤った例がメゾソプラノ、バス、バリトンといった声種の言葉でした。
本書によると『これらの名称は教師が生徒の音色や技術を引き出せなかった為に作られたカテゴリーで音域でこれ以上出ないという制御をかけている指導上の表現としています、実際これらの方々がベルカント唱法を用いると、そのままの声質の方はほとんどいません。』と言っています
つまりベルカント唱法の実践は自身の未知なる可能性を最大限に引き出すことができる歌唱法になります、今後記事でも詳しく紹介していきますが、個人的に興味がある方はぜひチェックしてみてください
参考文献:ベル・カント唱法―その原理と実践 単行本 – 1986/12/1
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