#8 「巣ごもりシアターオペラ」にありがとう とマノンについて思う のnote

 「スキあり」Podcast史上、もっとも内容の薄い回です。ぺらっぺら。でも新国立劇場にはどうしてもありがとうを伝えたかった。佐川、ヤマト、アマゾンやOKストアと同じくらい「リアルありがとう」を伝えたいです。しゃべって検索しながら見るオペラ、バレエ、すごい楽しいですよ。特にバレエはセリフがないのでなおオススメ。

 Podcast内でコマジメさんが「子供向けに、しゃべっていい芸術鑑賞があってもいいですね」って言ってたやつ、あれホントにその通りだと思います。つい先日、オトナになってはじめて狂言を見たばかりで、面白かったことよりも、黙らされた座らされたじっとさせられた重たいヨドミを肩のあたりにジンワリ感じて「正直なんだかな」という気持ちになっていたところでした。あと男子が、というかタナカくんが廊下で上履きズリズリ「かしこみかしこみ」していた景色も蘇りました。

 友人の結婚式でハワイから帰ってきたら大雪、会社はリモート、NUMBER GIRL延期、の絶望が3月1日のこと。緊急事態宣言が3月13日。で、新国立の巣ごもりシアターの初回「魔笛」の配信スタートが4月10日。かなり早かったですよね。旧友との毎週定例リモート飲みもこの「魔笛」から始まりました。

 当時のツイッタ見ると、かなりエンジョイしてますね。今はもう本編配信はないですが、なんと新国立はそもそも当時のお客さんに向けて「3分でわかるマノン」を配信しているのです!ホスピタリティ強すぎか!

 これだけ見ると「浮気な女の末路」話みたいじゃないですか?ほかにも「奔放な女の奔放な恋」や「男を狂わすファム・ファタール」みたいなあらすじが多くて。いや、そうじゃなくて。それって「女って怖いね~!」って自分の欲望と無責任を棚に上げた男性目線の都合のいい見方だなと、ちょっとヒいちゃいます。

 富豪「本人抜きで愛人契約結んだった!」
 兄「妹を売ってお金がっぽり!」
 青年「僕ちんクソ貧乏!好き!」
 富豪「金で愛を買うぜ!」
 青年「僕ちんクソ貧乏!大好き!」
 看守「キレイな姉ちゃん、わかっとるよね?」
 青年「僕ちん人殺した!逃げよう!ラブ!!」

と、バリエーションが潤沢な男らのコンプライアンス行動に次々巻き込まれ、抗うと「ひどい女だ!」と仕打ちを受け、状況は悪化する一方、終いには沼で過労死。トータルで見ると「身を固めない女、ザマアw」の構図。超絶理不尽じゃないですか。マノンって、この人「美人のせいで損する美人」なんですよ。うまく表出されない、けど確実に存在する「美人で愛想も悪くない、が故に不幸せを呼ぶタイプの美人」の作品だと、受け止めています。俺はマノンの味方でいたいぜ。

 巣ごもりシアター開始翌週の4月18日になると供給が増え、ライブハウスやクラブの配信とドネーションも活況に。この頃すでにアンドリュー・ロイド・ウェーバーやボリショイ・バレエなんかの超ド級クラシックコンテンツもじゃんじゃん配信されてます。北米・ヨーロッパは特に強固な外出制限があったから、配信エンタメへの切り替えが早かったんですかね。備忘録として箇条書きするようになって、このあたりから「チャパさんのそういうの、なんとかしましょう」とコマジメさんが言い出した、そんなころです。

 ゴールデンウィークになるとYOUTUBEが大々的に参戦。本国ワーナーミュージックのPlayOn Fesや、「刀剣乱舞ミュージカル」配信もこの頃です。↓のスレッド見ると、どう考えてもコンテンツ供給過多。このころの私は、庭にレジャーシート敷いてPCとスピーカー持ち出して、配信フェス見ながらおにぎり食べたり、せっせと何かのプラシーボをしていました。

 今はずいぶん配信コンテンツの環境も整備されてきて、配信エンタメがビジネスとしてすっかり確立しました。早いですね。「技術が発展するのは戦争とエロ」と誰かが言っていた気がしますが、「疫病と人の寂しさ」を加えてもいいかもしれません。不思議なもので、あの頃のこと、もうあまり思い出せなくないですか?

 ほかのエピソードも聞いてくださいね。コマジメさんが大きなイベントを終えたので、そろそろ新エピソードの収録ができる、のでは、なかろうか。面白かった配信コンテンツあったら、ぜひ教えてくださいね。何らかの方法で。

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