見出し画像

プレミアリーグ第15節【リバプールvsW B A】〜マグマが氷山を溶かしきれず〜

今回はプレミアリーグ第15節リバプールvsウエストブロムの試合を解説していきたいと思います。

スターティングメンバー

今回のスターティングメンバーはこちらになります。

画像5

リバプール 4-3-3

ウエストブロム4-4-2

前半

リバプール

リバプールのビルドアップに形としてセンターバックの2人が幅を取り、サイドバックの選手は大きく高い位置をとります、そしてセンターバックの間にヘンダーソンが降りてきてダウンスリーになります。2列目、最前線のラインとしてはワイナリドゥム、ジョーンズがボランチの脇に位置取り、パスラインがない時にはフィルミーノが降りてきます。サラー、マネは裏を狙い続けて相手の最終ラインを下げます。

ウエストブロム

リバプールのこのビルドアップに対してウエストブロムは完全リトリートの形で撤退守備を固めていました。リヴァプールの最終ラインがボールを持った時に対してはノープレッシャー。そしてFWのロビンソン、グラントがサイドに位ポジションを取り、5-5の2ラインで守りを固めました。

↓↓↓↓↓

画像2

画像7

リバプールからするとゾーン1からゾーン2への移動は後ろから繋ぎ軽々前進できたのですが、アタッキングサード(ゾーン3)からシュートまでがなかなかいけず、ウエストブロムの守備に阻まれました。

11分【スライドの遅れを狙いゴール】リバプール

前半の11分にリバプールはブロックを組んでるウエストブロムの守備を崩すために速い横パスの流れから一瞬の隙を盗んでゴールをゲットしました。

画像4

画像5

1、ヘンダーソン、ジョーンズ、マティプで速い横パスで相手の陣形をどう崩すか考える

2、前線の選手は縦、横の移動を繰り返しながら抜け出しのタイミングや楔を受けるタイミングを狙う

3、ジョーンズからマティプへの横パスのタイミングでウエストブロムのセンターバックのスライドが遅れたため、マネが半身の状態でシュートまで行き得点

★重要ポイント

・リバプールの後ろでのパス回しに対してウエストブロムのプレッシャーは1人なので実質3もしくは4対1でのポゼッションとなる。ここで焦らずしっかり狙い目を探す

・狙い目を探すだけではなく選手1人1人が相手の最終ラインの動きを見ることによってスライドの遅れを確認することができる

・この場面でのリバプールの立ち位置として相手との中間ポジション、ライン間で待つ


20分【数的優位の状態から高速クロス】リバプール

前半20分リバプールは中への狙いから判断を変え、サイドで数的優位の状態を作り速いグラウンダーのクロスを上げる

画像6

画像7

1、サラーからの落としでヘンダーソンがボールを持つとサイドにいるジョーンズへパスを出す

2、ウエストブロムは一枚遅れてプレッシャーに向かうがジョーンズはアレクサンダーアーノルドへ縦へのパスを出す

3、アレクサンダーアーノルドからニアへ走り込んだワイナリドゥムに高速クロスを出したが、スルーし相手の足のあたりコーナーキックへ

★重要ポイント

・ウエストブロムのサイドへの守備が曖昧となっていたため、フリーでクロスが上げれた。ジョーンズがボールを持った場合ファーストプレスをかけるのは11番の選手。この時後ろにアレクサンダーアーノルドがフリーの状態でいるのなら、そのラインを切りながらコースカットプレス(1人で2人の選手をディフェンスする個人戦術)をしなければならない。もしそれができないのであれば一列前の選手にアタックをかけるさせるべき。

・もしファーストディフェンスのティアンガラがプレッシャーに行く場合カバーリングを誰が行くのかを明確にしなければならない。この場合ギャラガーがペルムータ(カバーリングののカバー)を行う必要がある。このペルムータが遅れたためクロスを上げられてしまった。


35分【フィルミーノの献身性】リバプール

攻撃を仕掛け続けるリバプール。35分にはゾーン3でリバプールのフィルミーノが献身的な守備を見せました。

1、ウエストブロムのキーパージョンストンが大きなクリア。それを拾ったリバプールは速いビルドアップからゾーン3へ

2、フィルミーノ、マネのコンビねションが決まらず、相手ボールへ、すかさずフィルミーノはプレスに行く

★重要ポイント

・高いテクニックを持ち、時には大胆なプレーでリバプールの攻撃には必要なフィルミーノですが、フィルミーノの大きな特徴として守備への献身性が優れています。このようなネガティヴトランディションの速さもそうですが、相手のビルドアップ時にファーストプレスをかけるフィルミーノは必ず後ろの状況を確認し、方向、速さ、向きを決めます。フォアチェックを使用するクラブではファーストディフェンダーでディフェンスの方向性が決まります。


後半

後半はウエストブロムがボールを持つ場面が前半よりも多いと感じました。その理由として守備時のポジションを5-5の2ラインから5-4-1の3ラインにシステムを変形ましたので前線で起点ができ、全体的にウエストブロムのラインが高くなりました。

画像8


67分30秒【セカンドボールの回収修正】ウエストブロム

後半ウエストブロムはシステムの変更に加え、トランディション、セカンドボールの対応の修正、一対一のプレッシャーのかけ方に対しての変更を行いました。その中で67分サイドを狙ったゴールキックからセカンドボールを奪い、ティアンガラのダイアゴナルランからクロス


画像9

1、ゴールキックでセカンドボールを取ったウエストブログは中への攻撃でリバプールの守備をコンパクトにさせます。

2、サイドのソイヤーズにボールが入るとロビンソンは縦へのダイアゴナルランからクロス

3、ディアンガラはフリーでボレーを打ちますが枠外へ

★重要ポイント

・ゴールキックからのトランディションで浮き球の状態だとファーストディフェンダーが決まりづらい状態にあります。リバプールディフェンスのズレを狙ったいい飛び出しだったと思います。


80分【前線の守備からコーナーキックへ】ウエストブロム

後半の80分ゾーン1から前進を目指すリバプールは、ウエストブロムの守備によりパスラインがなくなりコーナーキックへ

画像10

1、ジョーンズは最終ラインでボールを持つとパスラインを探しますが、見つからない状況

2、ドリブルで横に運ぶとウエストブロムのディフェンダーのコースカットプレスが決まりボールが引っかかり、そのままリバプールの選手にあたりコーナーキックへ

3、コーナーキックから失点

★重要ポイント

・前線から守備をするウエストブロムは、プレッシャー方向により後ろの選手にもディフェンスデザインを共有する必要があります。ティアンガラの守備により、グラント、ギャラガーの位置が決まりました。それによりジョーンズは判断が遅れ、ボールが引っかかる形となりました。

修正ポイント

リバプール

今後の修正ポイントとしてリバプールは勝ちきるために何をすべきか考える必要があります。しかしリバプールの選手も過密日程の中でのプレミアリーグです。疲労が溜まりやすいですが、頑張って欲しいですね。

修正ポイントとして、ロングシュート数に着目しました。この試合はあまりロングシュートがないように思えました。リバプールは、サラー、フィルミーノのといったある程度狭い場所でのコンビネーションが得意な選手が揃っています。よりゴールに近づくために、正面からの突破を増やしたいのですが、ウエストブロムの選手は強固に守っておりなかなか通させてくれません。そのためロングシュートを多く打つことによりウエストブロムのファーストディフェンダーを釣り出すことができます。シュートを多く打つためではなく、揃っているラインをバラバラにするために崩しのレパートリーを増やしていくことがゴールへの近道になるのかなと思いました。

ウエストブロム

後半のシステムの修正からファーストディフェンダー、カウンターに備えたFWを置くことができました。これにより、ディフェンスの陣形ラインが高くなり、攻撃的な守備へと変形しました。リバプール相手にウエストブロムの監督サムアラダイスは完璧な修正とゲームプランを行っていたと感じました。


今回はリバプールvsウエストブロムの試合をレビューしました。もしよければ投げ銭程度に1頂けましたら幸いです。


ここから先は

28字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?