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【ゲームの感想#1】千里の棋譜~現代将棋ミステリー~

ゲームなんて、そんなにやり込むことは無いんだけど、何となくナンバリングしてみた。全然増える気がしないけど、まあいいか。

初回は「千里の棋譜~現代将棋ミステリー~」。文章を読み進め、ときどき選択肢で主人公の行動を選んで進めていくもので、今はノベルアドベンチャーと言うらしい。私なんかだと「EVE burst error」「ダブルキャスト」なんかを思い出してしまう。最近はゲーム雑誌も読んでいないので、新しいゲームを知るきっかけが本当に無くて、これは誰かのnoteの記事を見て知った。結構評判の良いゲームらしくて、将棋好きとしてはやっておかないといけないなと思ってやってみた。

はじめに

バットエンディングもそこそこあるんだけど、全く入らずにエンディングまでいった。ゲームとしてはかなり優しいレベルだと思う。ストーリーにちょっと無理があるんじゃないと思う部分もあったけど、常に謎に包まれていて飽きること無く楽しめた。将棋を知らない人に気を使いつつも、プロ棋士が登場したり、将棋を知る人には有名な陣屋旅館が出てきたり、その他なかなかコアな将棋の話が出てきて、将棋をちゃんと主軸においていたのは将棋ファンとして嬉しかった。

AIとプロ棋士の話

もちろんストーリーはフィクションなんだけれども、骨子は将棋界が経験してきた400年に渡る歴史がベースになっている。まずはトップ棋士を超えたAIとの戦いについて。名人より強いコンピュータが現れた時にプロ棋士の存在価値はどうなるのか。密かに恐れてきたこの問いに対して、5年前に将棋界は回答を迫られた。時の名人がコンピュータに敗れたのだ。私も将棋ファンとしてこれから将棋がどうなっていくんだと思っていたけども、将棋の魅力は全く変わらないし、プロ棋士もファンも全く変わらなかった。

将棋創世記の話

そして一気に時を遡り、将棋のプロ制度ができたあたりの話。将棋の初代名人が生まれたのは400年も前、徳川家康により将棋所が作られて、初代大橋宗桂が任じられた事から始まっている。当時は世襲制で大橋家、大橋分家、伊藤家の中から名人が選ばれ継承されてきたが、今は実力制になっていて、名人戦にて名人位を五期防衛すると永世名人が与えられる。今は19人の永世名人がいることになる。昔は実力がありながらこの三家に入っていないため名人になれなかった人がいる。石田検校や天野宗歩など、今にも名前が語り継がれている。

三段リーグの話

最後は三段リーグの話題。将棋のプロになるにはたくさんの関門があるんだけれども、最後の難関が三段リーグと呼ばれるところである。ここを抜ければ晴れて四段、プロ棋士となるのだが、30人以上いる三段の中からプロになれるのは年に四人だけ。しかも24歳までに四段に上がれないと強制退会となる。今でも将棋系YouTubeを見ると、このリーグで惜しくも破れた人達がたくさんYouTuberをやっている。彼らだって素人と比べれば桁違いに強い。鬼が住むと言われるこの三段リーグについても余すところなくストーリーに組み込まれている。

そんなわけで、ゲームは簡単かもしれないけど描かれたストーリーは胃もたれするぐらいこってりしている。意外と将棋を知らない人が絶賛してくれているので、将棋ファンとしては嬉しい限りだ。ぜひ多くの人に手に取って遊んでもらいたい作品だ。

#ゲーム #感想 #千里の棋譜 #名人戦 #三段リーグ #AI

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