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読書記録8 『知的生活の方法』

渡部昇一『知的生活の方法』
(講談社現代新書 1976年)

面白い。この一言だった。
エッセイのような、そして凄まじくバランス感覚がすぐれている文章。

50年ほどたった今でも、感覚のずれやおかしいなと思うところがほとんど見当たらない。真っ直ぐにものごとを捉えて、コツコツと積み上げていくというシンプルさ。明瞭だ。解像度が高い。

あげればきりがないが、特に印象的なところを3つ。


1、知的生活とは、日常的な発想に従わない点でそもそもの出発点が異常である。
なるほどと思う。なんで美味しいご飯を我慢してまで読めるかわからない難解な本を買うのか。でもそこに価値がある。手元に置いておきたい、収集癖の自身を肯定してくれたようだ。なるほど、ありがとう。


2、繰り返しに耐える作品か?
3000枚を越えるCD。いつも聞くのは限られる。さらに、昔聞いていて今も聞くものは相当限定される。
これからあげるアーティストは全て大好きではあるが、イエモン、B'z、トライセラトップスはあまり聞かなくなりグレイプバインが残った。エアロスミス、メタリカ、クイーン、ミスタービックはあまり聞かなくなり、やっぱりビートルズが残った。なるほど…。


3、コウスティング=健康な退行現象が、知的生活には必要。
仕事を終えて家に帰ると、途端に気が抜ける。小さい頃にやっていたゲームを夜な夜な無心でやりこむ。なるほど…。

読んだ人でささる箇所は違うだろうが、わかりやすく面白い。『うわっ、おもしれえな』とお世辞抜きに何回か口にすることになった。
良書であると思います。



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