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令和の和泉式部現る!?セクシーな恋の和歌を競う「しもうた紅白歌合戦」応募作品紹介!【紅組編】
こんにちは!「日本の歴史を下ネタで身近に」をモットーとしている、和樂web赤井ふんどしです。
和樂webでは「しもうた」という、セクシーな恋の和歌を競い合うコンテストを開催しています。
今回は2/14日の「ふんどしの日(※バレンタインじゃないよ)」にちなんで、「紅白しもうた合戦」を開催しました!詳しくはこちら↓↓↓
それでは早速、紅組(女性、もしくは赤いふんどしが欲しい方)の応募作品から見ていきましょう!!ひとつひとつの和歌に、編集長セバスチャン高木がコメントしていますので、合わせてお楽しみください♡♡
▼音声はこちら
ranhoさん
デカ○○と 目にはさやかに 見えねども パンツ脱がして 驚かれぬる
「古今和歌集」(巻四)秋歌上・169 藤原敏行の歌『秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる』から取りました。
男性のアソコの大きさって見た目では分からないですよね。背が小さくて華奢な方でも意外と.....!ということもありますし。そんな思いを歌に込めました。
編集長より:デカ○○(※伏字にしました)という直接表現が歌の叙情感をマイナスしてしまっています。「目にはさやかに見えねども」から続く「驚かれぬる」ですでに状況は想像できますので、一句目を「風立ちぬ」みたいな情景からはいると歌全体に広がりが生まれますね。
喘ぎつつ ひとりする夜に 開くるドア フィニッシュ迎えて 汁ほとばしる
『拾遺集』恋四・912 右大将道綱母の歌『なげきつつひとりぬる夜の明くる間はいかに久しきものとかは知る』から取りました。
私は女ですが、男性目線に立って歌を作りました。思春期の高校生男子の0721中に母親が部屋に入ってきた時の場面を想像して詠んだものです。(そんな私も来夏母親に.....)
編集長より:この歌も思春期の高校生の生理現象だけを詠んで終わってしまっているのが”ノットアハレ”な感じがします。ここは4句と5句を思い切って母親に変えてみてはどうでしょうか。
例えば
「去りし足音 むすび置く君」とすると息子の生理的行為に気付きつつ恥ずかしさと成長の喜びを知る母の複雑な心模様が湧き出てくるように思います。かつ、母のことを君と呼ぶことで母とも恋人とも、あるいは寮母ともとれて歌に想像という翼が加わります。
りえさん
10首お送りします。短歌は初めてですが、日本人に575のリズムはなじみがあるものですね。
東京に初めての雪逢ひにゆく今日をその日と心さだめて
見つめあひ君の瞳の中の我微笑む余裕いまはあらざり
ぎこちなく抱かれてゐたり君の背に手をまわしてもいいのだらうか
全身で男の重さ感じをり君の背後の闇みつめつつ
嵐なる時は過ぎけりその後の夜の空気の肌にまつはる
なぜ泣くと問はれて涙また零る君の背中もかすかに震ふ
腕枕そっと外しぬ今はもう規則正しき寝息の君の
しらじらと初めての夜のあけゆけり窓枠に積む雪一センチ
バイトだと出ていく君を見送れりベッドの中の私は全裸
もう少しだけこのままでいさせてよ君のにほひと君のぬくもり
編集長より:これはマーベラスですね。”イトアハレ”です。もはやりえさんのことは令和の和泉式部と呼んでいいのではないでしょうか。この十首でりえさんの心と体が一体となった、燃えながら、かつ俯瞰して自分の恋愛を見るという歌詠みならではの生態が感じられます。
Princessチチキさん
世の中が混乱する中、とてもステキな企画を催していただき、大変ありがとうございます。以下にて応募したくよろしくお願いします、赤いふんどしを希望します。
桜散る ことしもピンク ながむれば 春雨に想起 秘所濡るる
編集長より:うーん、ちょっとトゥーマッチな感じですね。私たちがしもうたで目指しているのは、自然の情景にしもを託すということです。源氏物語にしても、平安の日記文學にしても行為や秘所そのもののことは決して詠みません。なんとなく想像させるところが歌の妙なのではないかなと思います。
鉄のサイコロさん
考えたので送ります!
盃に 溢れる春の わかめ酒 うかぶ花びら 有明の月
願はくば しばしとどめむ 有明の 重ねた袖に 残る移り香
編集長より:前回しもうたを春歌と勘違いして応募してきたサイコロさんですが、かなりの改善がみられます。ただ惜しいのは、和歌を意識するあまりに言葉そのものが使い慣れていない古風な言葉ばかりになってしまっているところです。もう少しリアルなサイコロさんのライフスタイルに合った言葉を選ぶと今の私たちにとってのやまとごころを詠むことができるかもしれません。
▼前回の選考会の様子はこちら
すぃーちーさん
バレンタインにふさわしいキュンとする歌をと思いましたが、世俗にまみれたわたしには無理でした。
いずれにしても、自分が当事者ではないさみしさなり、枯れた者・第三者の視点の面白さなどが表現できているといいなぁ~。
竿姉妹 友ををこにし きみがいま 穴兄弟に どの面をして
編集長より:やはりあはれが足りないのが気にかかります。しもうたはあはれ至上主義。これだと万葉の時代に地方で歌われた催馬楽(さいばら)に近く、歌は歌でも民謡に近いものになってしまっているように感じられます。
ぎんぎらぎんにさりげないふんどしさん
やわらかなニットに残る移り香を 抱きしめ明かす五月雨の夜
訳:季節はすっかり夏ですが、あなたの香りの残るニットを抱いて眠る、五月雨の夜です。
編集長より:あー!ストレートでいいですね。平安の歌にも袖に移る香を詠んだものが数多く見られますが、そこをニットとしたところがシンプルですがアハレナウを呼び起こします。あまり捻りすぎず日常の恋情を57577で詠む。その繰り返しがしもうたの発展につながることを痛感しました。
お腹キュルキュルさん
お情けに甘えて、期日過ぎたる中しもうた応募申し上げます。
何卒ご査収ください。
あさだちも 知るべきひとは おもほえで 身のいたづらに なりぬべきかな(詠人:素人童子)
本歌:『あはれとも 言ふべき人はおもほえで 身の徒らになりぬべきかな』謙徳公
タマの尾よ たえなばたえね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする(詠人:素人童子)
本歌:『玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする』式子内親王
鳴りぬれば 終わるものとは 知りながら なお恨めしき 生野暮客かな(詠人:ウグイス谷子)
本歌『明けぬれば 暮るるものとは知りながら なほ恨めしき あさぼらけかな』藤原道信
編集長より:お腹キュルキュルさんはちょっと本歌取りにこだわりすぎたかもしれません。しかもこれは本歌取りというより”本歌盗り”になってしまっています。
本歌取りはあくまでも本歌という日本人が共に有する叙情感をベースにして、それを利用して詠み手の心情を伝えるテクニック。あくまでも借用するもので盗んではならないのです。
白組の投稿もお楽しみに!!
編集長に「マーベラス」とまで言わせた力作も登場した紅組!!次回は白組のしもうたを発表します。ご期待ください!!
▼合戦の様子は音声でもお楽しみいただけます
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