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【僕の好きなもの、人、お店】紅茶の本

茶に関する本って少なくて、書店に行くと、いつも変わらない背表紙がささやかに詰まっているだけで、大体コーヒーやワインなどの書籍に肩身を狭くしているのをよく見かけます。

こんな風に茶って淹れたらいいんだ。とか、

分かりやすくて見やすかったから始めてみようかな。

みたいにならないのって、こうゆうところもありそう。なんてよく思ってました。ワインやウイスキー、コーヒーの本を開いて読んでいると格好良さそうな感じがするし、自宅の本棚にさしてあったら本格的な人って感じで仕事ができる人そう。

だから僕は、ささやかな抵抗として自分が茶を淹れる空間を作るときは茶の本をテーブルに置いたり、壁に立てかけたりします。

ちょっとだけでも手に取って見て欲しい。ここはカフェじゃなくて茶屋なんだよーってささやかなサインを出しています。


僕の知識の7割は独学で、見聞きして経験したものをメインに構成していています。実体験から納得できたことのみをお伝えしたり、表現したりしているわけなのですが、茶に興味を持ったころから、よく茶に関する本がないか、頻繁に書店に通っていました。

その中で「もっとはやくからこの本と出会えればよかった!」という書籍がいくつかあったので、紹介したいと思います。

今でも、よく読み返します。

調子が悪い時や、茶に対して気持ちを向けることに疲れてしまったときに、なんだか本棚に向かって、気づけば手に取ってパラパラめくっています。

茶に興味がある人や、茶を始めましたって人に、最初の一歩、迷った時の立ち返る場所としてお勧めしたい。


僕がお勧めする本は2つで、そのどちらも同じ人が書いています。


「紅茶の絵本 the illustrated book ABOUT TEA」

作 大西進 絵 平澤まりこ

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この本の素晴らしいところは、「紅茶は自由に、気軽に楽しんでいいものなんだよ。かしこまらないで、自然体で向き合えばいいんだよ」という気持ちを柔らかーく伝えれくれるところと、難しそうに見せない工夫が秀逸。

帯に「おいしい紅茶の淹れ方がよくわかる世界でいちばんやさしい紅茶の絵本」と書いてあるけれど、本当にそう。


後半の淹れてみようのところなんかは、適切な情報を、パッと見やすく、与えすぎず、不足せず配置している。

書いてある内容に過不足がないんです。本当に基本的なんだけれど疎かにしちゃいけないことをちょうどいい情報量で書いてある。ここがすごい。


よくある茶の本は、情報量が多すぎて僕でも読む気が失せます。内容が狭いし、情報量が多いし、そのくせ実用的な情報は少ない。

海外の著者の和訳の本なんか特にそう。写真は色彩が強くて気になるし、文字は多いしフォントも堅い。全体的にゴテゴテしてる。

専門書と絵本の違いというのもあるけれど、とにかく過不足なく見やすく、受け入れやすいバランスにしてあります。めちゃ見やすい。

絵本なのもまたいい。絵がものすごく優しい。


そんな感じで、この本を見ると、

茶には知らなきゃいけないことや、簡単そうに見えるけれども沢山のコツ、テクニックを周到して提供している。そんな見えない積み立てが本当にいっぱいあるけど、それは全部「自然体で向き合うための準備でしかない」ということを思い出させてくれます。

手段に躍起になって目的を損なうみたいな感じですかね。柔らかく楽しむ気持ちのこもっていない一杯はとても独りよがりな味がします。

「テーブルに一杯のおいしい紅茶があるだけで、なんだかうれしくなる。紅茶は、みんなの居場所なんだ。」といって本は終わるのですが、ここの一文が本当にしみます。

台湾に行くと、とりあえず茶をめっちゃ飲まされるのですが、そうしてるとだんだん人が集まってきます。茶はコミュニケーションツールで、人が集まる理由になるということを教えてもらったので、本当にその通りだと思います。

この本がいちばん好き。


「はじめての紅茶」

作 大西進

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先ほどの作者さんと同じです。

ここでは先の絵本で語られなかったもう少し細かい道具の選び方や使い方を説明されています。

最初はサーッと基本的な情報を不思議なイラストと共に紹介され、淹れる段階からは対談方式でお茶の淹れ方を紹介していています。

プロ同士の対談と、手元の写真がちょこちょこ入っているので、この本でもやはり見やすく、分かりやすく。一番は、対談しながら紅茶を淹れている本人たちの楽しそうな雰囲気を感じやすくしていることです。

お茶するの、楽しいぜ。みたいな雰囲気を読んでて感じるので、だんだん、誰かとこうやってテーブルを囲んで茶をしたくなってきます。

茶はもちろん自分の時間をゆっくりすごす為のパートナーでもありますが、誰かと楽しいひと時を過ごすためのものとしてもうってつけ。

「茶って楽しい」と最初に誰かに教えてもらいたかったなーとか、自分が茶のスタートラインに立った時、こうやって示してくれる人がいてくれたらとよく思ってました。

この2つは紅茶についての本なので、ほかの茶に関して、大西進さんが別の本を出されているのをこの記事を書いているときに発見しました。

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早速アマゾンのカートに入れたので、買うのが楽しみです。

茶って楽しいを知れる本、よかったら皆さんも見てみてください。

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