見出し画像

市議会に「陳情」出してみた(「さざんかホームヘルプサービス(妊産婦)」の利用に関する陳情)

今回は自分の住んでいる船橋市で実施されているとあるサービスについて思うことがあったので、「陳情」を出してみました。
結論からいうと「不採択」でしたが、学んだことを書き記したいと思います。

陳情を出そうと思ったきっかけ

我が家は今生後11ヶ月の子供を育てています。また、私自身が現在妊娠中という状況です。夫はフルタイム在宅勤務をしており、仕事以外の時間は家事育児はほぼ五分五分で行っています。ちょっと前までかなりつわりがキツく、ゴロゴロしながらなんとか子供の世話をしている状況でした。私ができない部分は夫が育児をしてくれていましたが、気がつくと家の中はぐちゃぐちゃで、食事もかなり適当になっており、つわりで体調がすぐれない中、さらに精神的にやられました。
そこでつわりが落ち着いて来た頃に、今後のことも見据えて家事代行を試しで依頼してみました。
3時間のお掃除の依頼だったのですが、ずっと気になっていた床の拭き掃除、溜まりに溜まっていた洗濯物の山が片付き、とても嬉しい気持ちになりました。
ふと市から配られた子育てに関する冊子を手に取ると、「さざんかホームサービス(妊産婦)」なるものが。
妊娠中および産後1年未満のお母さんが頼めるサービスで、掃除、簡単な食事の準備、話し相手等です。
きてくださる方は有償のボランティアらしく、1時間950円。
費用は家事代行サービスの1/3程度です。
そこで利用申し込みをするために、市のHPから書式をダウンロードしてコンビニで印刷し、必要事項を記入の上郵送で送付しました(かなりめんどくさかった)。
数日後、さざんかホームサービスから電話があり申し込みが完了して利用できることになりました。
電話の中で利用日数や利用時間について話していると、夫がテレワークの日は利用できないとの話がありました。また、第二子妊娠中であり、今後育休を夫婦で取得する予定であることを伝えると、その間も利用できないと言われました。ただ、夫がテレワークであっても出勤の日もしくは出勤の時間中であれば、利用することができるとのことでした。
我が家は夫がテレワークで在宅中であっても基本的には育児はもちろん、家事もすることができません。ただ、テレワークでもたまに出勤した際は利用できるとのこと。であれば、在宅中でも業務中は利用できるようにしたら良いのではないかと思いました。
そこでこの提案をどこにしたら良いのかを考えたところ、本事業は市が関連している社会福祉法人で実施しており、本社会福祉法人は理事長が市長であったことから、市議会に陳情として提出してみようと思いました。

陳情とは?
市民の誰もが、市政についての要望や意見を議会に伝える方法として、請願・陳情があります。請願をする権利は基本的人権の一つとして憲法に保障されており、一年中いつでも提出することができます。
 請願は、議員の紹介があることなど一定の要件が必要ですが、本市では定例会招集告示日の前日までに受理されたものを当該会期の中で、所管委員会に付託して審査し、議会としての結論をだすことになります。なお、期限後に提出されたものは、急を要するものを除き、次期定例会で審査することになります。
 本会議で最終的に採択(議会が請願の内容について賛意を示すこと)か不採択かを決め、採択された請願は市長に送付します。市長は議会の意思をできるだけ尊重して、請願の内容について誠実に処理することが求められています。
 また、国や県などへ意見書を求める請願が採択された場合には、議員提案により意見書を議決し、関係行政庁へ提出します。
 市長などの執行機関に送付した請願は、必要により議会は、その処理の経過および結果の報告を求めることができます。
http://www.city.takashima.lg.jp/www/contents/1395810632614/index_k.html


陳情を提出するまで

そもそも市議会に自分の提案を送るには請願と陳情があります。上記のとおり請願は議員さん1名以上の署名が必要です。何をしたらよいかわからなかったため、まずは市議会事務局に電話をしてみました。すると陳情の書き方、提出期限、提出時の注意点、提出後の流れなどを大変丁寧に教えてくださいました。私自身も私のホームページに記載してある、過去の請願陳情を実際に読んでみました。内容は様々で、国民全体に関わるようなものから、市内のちょっとした困り事までありました。また私の住んでいる市は市外からの請願陳情も受け付けていました。
今回は特に知り合いの議員さんがいるわけでもなく、請願ではなく陳情を提出することにしました。陳情の提出は郵送または持参です。自宅でパソコンを使用して必要内容を記載し、コンビニで打ち出して郵送することにしました。
夫の協力もあり、郵送するまでは滞りなく作業することができました。ただ、提出期限の日に市議会から電話があり、私の提出した陳情に印鑑がないということがわかりました。今日中の再送付では期限に間に合わないため、急いで支度をして市役所に向かいハンコを押してきました。こうして無事に陳情を提出することができました。

陳情提出後の流れ

陳情は市議会に受理されると、まずは「議会運営委員会」にかけられて、市議会内のどの委員会で議論するかを決定します。
そして後日、その委員会内で委員の皆様により議論が行われ、最終的に市議会で採択・不採択が決まります。
今回は議論の様子を見学したかったので、私の陳情が議論される「健康福祉委員会」の傍聴を申し込みました。

委員会の様子

全体の流れ

委員会当日は私と母と私の娘で傍聴に行きました。私たちは自分が提出した陳情のみの傍聴でしたが、他にいらっしゃった3名の方は朝の予算に関する議論から全ての陳情まで傍聴するようでした。
始まるまでは大会議室で待機しており、直前に市議会の運営担当の方に呼ばれます。会場の前まで案内していただき、少し待機したあとに中に入りました。
委員会室内は委員長、副委員長、その他の議員の方がコの字型に配置されて座っていました。私たちは子供がぐずったときのことも考えて出入り口に近いところに座りました。
陳情についての議論が始まりました。委員長が交互に採択と不採択の意見を募ります。各議員さんはそれぞれ手を挙げてその心情に対する意見と採択・不採択を述べます。今回は多くの議員の方が本陳情に対して意見を述べてくださいました。(意見を述べない方もいました)
最終的に意見のある人がいなくなったら、決議に入ります。
決議ではすべての議員の方が歳とか不採択に手を挙げて意思表示をします。

本件についての議論内容

私の提出した陳情(「さざんかホームヘルプサービス(妊産婦)」の利用に関する陳情)は結果的に不採択となりました。その理由をまとめると下記のとおりでした。
①公益財団法人の行っている独自事業で、市議会が直接提言するような立場ではない
②現段階においても需給が逼迫しており、これ以上対象者を増やせる状況ではない

議論の様子は中継されており、アーカイブも残っているので興味のある方はぜひご覧ください。
(1.陳情第5号 「さざんかホームヘルプサービス(妊産婦)」の利用に関する陳情 0:02:04~)

私の感想

①陳情の不採択と「さざんかホームヘルプサービス」

陳情が不採択になったのはとても残念でした。ただ、市議会議員の皆様がご自身で色々調査してくださり、このような意見があることを知っていただけたのはよかったかなと思いました。
今回の「さざんかホームヘルプサービス」は市の子育て支援に関するページに記載されているものの、実際は利用できる人が限られているサービスであるということを改めて認識することができました。
これは下記ツイートにも記載しましたが、「子育て支援」ではなく、「子育て福祉サービス」ということですね。

このサービスについては所得制限がないのは良いと思いますが、現段階でも穴が多すぎるのはどうかなと思いました。
例えば夫が高所得×出勤の組み合わせは使えるけど、低所得×長時間×テレワーカーの組み合わせは使えないわけです。
あと私が電話で問い合わせた時には、テレワークメインの人でもたまの出勤時は使えます。とか。

「片親やワンオペの人のためのサービス」であれば、もっと的確にこの人たちに届けるために、仕組みの再整備は必要なのではないかと思いました。

②居住地における行政サービスの違いと今後について

今回、陳情提出を行い、初めて市議会について考えることになりました。
正直、政治について今まで考えたことはなく、自分の生活にどのような影響があるかを理解していませんでした。
もともと東京都北区に住んでおり、そちらで母子手帳頂きました。その際、子育て支援サービスについて説明を受けていたので、千葉県船橋市に引っ越してきてみて、こちらでは受けられないサービスがあることを知ってびっくりしました。
例えば、船橋市では産後ケアサービスは産後家族の支援を誰からも受けられないなどの特別の事情がある場合のみ、市を通して申し込むことができます。東京都北区では回数制限はあるものの、誰でも受けることができました。また、産後ケアサービスも宿泊型と訪問型を選ぶことができました。(船橋市は訪問型はなし)
さらに北区では妊娠のお祝いの品やこども商品券10,000円分などをもらうこともできました。
どこに住んでいるかで、このようにサービスが大きく異なることに驚きました。
おそらく妊娠中に引っ越ししなければ、気が付かなかったと思います。

自分が住んでいる船橋市で少しでも「子育て支援」を拡充してもらえるように、引き続き色々やっていこうと思いました。

ただ陳情提出時に嫌だなと思った事があります。それは、自宅の住所公表しないといけないと言うことです。
ホームページには載らないものの、誰でも見られるところに自宅の住所を公表するのには抵抗があります。
これは政治団体的なものを作ることで解決できそうなので、またこれについては行動したらまとめたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?