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幼少期の頃のよしだ

保育園の頃から
長野県のとある山奥、
俗にいうリゾート地
なんて言われるところに引っ越して、
タクシーの営業所(待機場)で
住み込みの仕事をする両親と、
4歳離れた弟と共に
野生的(ワイルド)に育った私。

大人になるとその価値がわかるくらいの
大自然と美しい景色に囲まれてはいましたが

30分ほどの距離を車で送ってもらわないと
友達の家にも遊びに行かれないという
遊びたい盛りの子供にとっては
なんとも不便な環境でした。

それに加えて、仕事で忙しい両親は
ほとんど私たちに関与する時間もなく
無制限・やりたい放題の日々。

アニメとゲームで暇を潰した結果
オタク気質をしっかりと培い
それなりに楽しく生活はしていましたが
隔離された生活環境によって
コミニュケーション能力が低かったわたしは

早くも
人生においての最大の悩みの1つである
人間関係に悩まされる事に。

そう
私はいじめにあっていたのです。

クラスメイトから
無視をされる、悪口を言われる、避けられる。

時には大切にしていた文房具を盗まれる
なんてこともありました。

母が自動車免許の取得の際に
試験で合格した際に使っていた
縁起のいいペン。

筆箱を開けると、
なんとそのペンが無くなっていたのです。

「もらったペンがない…!!」

母から貰った大切なペン。
それがなくなったということに
私はショックを受けました。

そしてすぐさま私は
クラスを探して歩きました。

ふと、あるクラスメイトに目を向けると
わたしが無くしたペンと
よく似たペンを友人が使っているのが
目に入りました。

「まさかな…」

しかし、それは
紛れもなくわたしが無くした
ペンだったのです。

クラスメイトが使っていたペンには
名前が書いてあったシールの跡が
はっきりと、しっかりと残っていたのです。

確信は持てない、だけど…

わたしは勇気を出して
クラスメイトに声をかけました。

「そのペン、わたしが無くしたペンによく似ているんだけど…」

わたしは
確実にそのペンを取り戻したかったのです。

本能がそうさせたのでしょうか。
友人に頭ごなしに文句を言うことはせず
そのペンがわたしにとってどれほど大切なものかを友人に伝えました。

「そこにシールが貼られていたと思うんだけど…」

「もしもそれを剥がして使っていたのであれば、返してほしい」

その交渉は見事に成立。
わたしはそのペンを返してもらうことができたのです。

しかし、一難去ってまた一難…

ブラジル人の女の子

ある時、クラスに
ブラジル人の女の子が転校してきました。
名前は確か【ユキエちゃん】

同じ地区でバス通学だったわたしは
日本語を話すことができないユキエちゃんが、
なんだかとても不憫に思い
少しでも日本語を話せるようにと
一緒に登校して教室へ行き
ブラジル語の資料を見ながら
日本語を教えたり
トランプをして遊んだりしていました。

でも、まさかそれが原因で
自分もユキエちゃんも
追い詰められてしまう事になるなんて
その時は思いもしませんでした。

ある日、クラスの男子が

『ユキエちゃんに“バカ”と言われた』

と先生に言いました。

わからないまま使ったのではないかと
先生はその男子をなだめましたが
その男子は

『よしださんが教えたんじゃないの?!』

と騒ぎ出し、
それに便乗した他のクラスメイトも

『よしださんが毎朝ユキエさんと何か話したりしてるの見た』

『よしださんが言えって言ったのかも!!』

と騒ぎ立て
全ては私がやったことのように
責めて来たのです。

先生は、私がそんなことを
教えることはないと信じてくれましたし
実際ユキエちゃんは
誰かの会話を聞いて覚えたと
先生に伝えたので
この話はこれで終わりになるはず
だったのですが…

『絶対よしださんだよね。。。』

それでも私をいじめたいクラスメイトは
わざと私に聞こえるように
ヒソヒソ話を聞かせてきたのです。

なんでなんだろう…
本当に何もしていないのに…

誰かの役に立てたら
そう思ってしていただけなのに
なぜこんなにも
疑われてしまうのか

悲しくて、悔しくて…
私は、途方に暮れました。

その事件をきっかけに
ユキエちゃんは学校に来なくなりました。

結局私は
自分はおろか、誰かを守ることもできなかった。

悔しさと、虚しさだけが残ったのでした。



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