日記：3月28日（月）「不便を楽しむ余裕」

最近Cymbalsの「Missile & Chocolate」というミニアルバムを車の中で流していたのだが、ふと久しぶりに「午前8時の脱走計画」を聴きたいなと思い、家に帰ってからスマホでApple Musicを開いた。すると、他のサービスはどうか分からないがApple Musicには「午前８時の脱走計画」は配信されていない事に気づいた。この曲はCymbalsのメジャーデビュー曲で代表曲の１つと言ってもいいと思うのだが、オリジナルアルバムには収録されなかったのだ。もしこの曲を聴きたければシングルかベストアルバムで聴くしかない。自分はベストアルバムからCymbalsをまともに聴き始めた人間なので、ベストアルバムは持っているし聴こうと思えば聴けるのだが、この時ちょっと面倒に思ってしまった。

これまではCDをプレイヤーに入れて聴くというのが当たり前だったのに、スマホやiPodで簡単にアクセス出来るサブスクの利便性に慣れ過ぎてしまい、CDを取り出して聴くという事に面倒くささを感じてしまった。便利な事はもちろん良い事だが、最短ルートで目的を達成する事ばかりに目が行き、その過程を楽しむ余裕まで無くなっているという事に虚しさも感じる。

こうした不便さも楽しめた方が音楽体験としては充実していると思いたい。サブスクにないからCDを探す、買う、プレイヤーに入れる。そういった一連の行動ももう過去の事かもしれないが、ただ聴きたい音楽にアクセスしてその音をなぞるだけでは出来ない体験をこの手で直接触れて感じたいと改めて思い知らされた。