ショートストーリー「名探偵になってみた」
女性「きゃー!殺人事件よー!」
〇月×日午後5時、某県在住の資産家の屋敷で死体が発見された。被害者は家主である資産家の60代男性。現在現場検証中。
刑事「被害者は胸をナイフで刺され死亡。凶器のナイフから指紋の検出は無し。現場は完全な密室空間で近隣住民から不審人物の目撃情報も無し。事件は迷宮入りか・・・」
?「待たれよ!」
刑事「誰だ!?」
探偵「私は名探。事件の匂いがしたので馳せ参じた次第」
刑事「自分で名探偵って言った・・・」
探偵「こういうのはね、鑑識がちゃんと調べてない事が多いんだよ。例えば床に隠し通路があるとか・・・(床を調べながら)ないな・・・」
探偵「忍者屋敷みたいに壁にからくりがあるとか・・・(壁を調べながら)ないな・・・」
一同「・・・」
探偵「この事件必ず解決してみせる!!!」
刑事「沈黙に耐えられなかったな」
探偵「創業から商社で働き勤続50年!定年退職後はハワイに別荘を買い悠々自適な老後を過ごしているじっちゃんの名にかk
刑事「誰かこいつをつまみ出せーーー!」
探偵「まあまあ落ち着きたまえ。これから犯人を割り出して見せる」
刑事「何だと!?」
探偵「犯人は・・・お前だ!被害者の息子!」
息子「は!?俺じゃねえよ!俺にはアリバイがあるぞ!」
探偵「すぐアリバイとか言う奴に限って犯人であることが多い!ますます怪しい!」
息子「ふざけんな!何で俺が親父を殺さなきゃいけねえんだよ!動機がねえだろ!それに本当にアリバイがあるし!」
探偵「うーむ、嘘を言っている顔じゃないな。じゃあ、被害者の娘!お前が犯人だ!」
娘「はあ!?ふざけないでくれる!?私は事件を聞いて今さっき県外からここへ帰って来たのよ!?」
探偵「うーん、やっぱり違うか。あとこの2人初対面なのに凄い剣幕で怒るし怖いからあんまり関わりたくないな・・・」
刑事「お前が怒らせるからだろ!それにさっきから何だ!無作為に人を犯人扱いして!」
探偵「いや、ここにいる人全員に容疑をかければどこかでボロが出るかなって」
刑事「ふざんけんな!そんなやり方で犯人が分かるわけ・・・」
お手伝い「こんなふざけた推理に付き合っていられないわ・・・。もういい・・・私が犯人なの・・・」
刑事「何!?この茶番に呆れて自白しただと・・・!」
探偵「やはりお手伝いさんだったか。冒頭で『殺人事件よー!』って叫んでいたのもあなたですよね。まだ自殺か他殺か断定していない状態から殺人事件と叫んでいたのが気にかかっていた」
刑事「嘘つけ!!!」
お手伝い「あの男が許せなかった・・・。私の顔を見るといつも・・・」
探偵「あー、そういうのは取り調べでやって貰えますか。僕は犯人の動機とか興味ないしね。僕は事件を解決する僕が好きでやっているところあるし」
刑事「こいつを二度と現場に入れないよう全国の警察署にシェアしないとな・・・」
型破りな方法で犯人を見つけ出した名探偵ちゃんみす。今後彼が事件現場に足を踏み入れることは(出来)無かった・・・。
(最近ネタが無いので)前に自分が主人公のアニメを作りたいというおかしな発想からストーリーだけ考えていたのでそれを引っ張り出してきました。ミルキィホームズにもとりあえず全員に容疑をかけるという話があったのですがそれは目を瞑りましょう。
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