映画「クリード 過去の逆襲」ざっくり感想

公開初日のレイトショー、IMAXで鑑賞しました。
ネタバレしてます。







・正直期待しすぎてしまったな〜という印象。
・もう少し少年時代の掘り下げというか、アドニスとデイムに絶対的な絆があったんだぞという強調する演出があった方が良かったなと思う。少年アドニスのデイムに対する接し方が年下という事を差し置いても遠慮がちで、デイムがジャイアンでアドニスがスネ夫にしか見えず、デイムが銃を鞄の中に忍ばせていたのを見てドン引きして、それをチラつかせたらまあアドニスは自分の今の立場(アポロの養子になった事)も考えて、デイムを見捨てて逃げもするよなぁと思ってしまった。ちょっと二人の関係性が薄いように感じた。
・何があったかは想像はできるのだが、虐待を受けていた事を「ひどすぎた」の一言で終わらせてしまっていて、なんかもっとこう……あるだろう!と思ってしまった。フラッシュバックするところはあったし、具体的に描写すればいいというものでもない(レーティングの兼ね合いもあったのかも)けどもうちょっと……やりようがあったと思う。
・そういえば1の冒頭で鑑別所みたいなところにいたアドニスをママクリードが迎えに来てた気がする。1から見返したくなった。見返してから観に行くべきだったのかもしれない。
・アドニスの家の内装のセンスがよくて特に洗面所はいいな〜と思った。見逃しただけかもしれないけど家の外観は映らなかったのとか、全体的に屋外の引きのシーンが少なかったと感じた(スタジアムのシーンは別)。コロナ禍での撮影で制限があったのかな?わからんけど。
・私はマイケル・B・ジョーダンのまつ毛を見るために観に行ったし、そこはめちゃくちゃ満足。そして肉体美。マイケル・B・ジョーダン、大好きな俳優の一人で、目がキラキラしてるのがいいよね……。
・IMAXだからこそできるボクシングシーンの迫力は圧巻だった。ちょいちょいデンプシーロールやヒットマンスタイルなどはじめの一歩を彷彿とさせるシーンがあり、「おっ」と思わされて嬉しくなった。
・娘さんがアドニス、ビアンカどちらにも似てなさすぎだが、初登場シーンでのチラッと顔を出すところがかわいかった。あと足が体の半分以上あったね。あといじめっ子に繰り出したパンチの脇の締まり方、鋭さがエグかった。
・アドニスの娘への眼差しが常にやさしく、ビアンカやママクリードとは言い合いをしてしまう場面もあったけれど、最終的には分かり合える素晴らしい家族。
・娘さんとのお茶会で怪獣の着ぐるみをアドニスが着てましたけど、あれはマイケル・B・ジョーダン監督が自らそれを選択したってことでしょう?本当にありがとうね……。
・デイムを演じたジョナサン・メジャースが出色。ラヴクラフト・カントリーで演じていた兵役を終えて故郷に戻ろうとしている青年は若くさわやかで知的な印象だったけれど、今回はいかにもムショ帰りらしいひねたアウトロー感や育ちの悪さ、悲哀がよく出ていたし、ラヴクラフト〜の頃もかなりマッシブだったけれども更にウェイトを上げて鍛え上げてきて、ヘビー級のパンチの重さに説得力があった。砂を手につけて縄を登るトレーニングのシーン、あれは自分もやれたらやってみたい。登れないし手の皮ちぎれて泣いちゃうと思うけど。
・デイムとアドニスの対比の描き方。置かれた環境だったり、タイトル戦でのウェアも黒と白。アドニスの入場時、星条旗カラーのガウンを着ていたけれども、グローブが白だったので(トランクスは白であれ〜〜〜)と思っていたら純白だったので思わず微笑んだ。オタクの気持ちがわかってるなと思った。(チャベス対デイム戦もそうだったけどセコンド陣も同じデザインテーマのジャージで揃えてきてるのはあれは良い文化。続けてほしい。)話が逸れたけど、一緒の施設で育って、お互い全然違う道を歩いて来て、全く違う立場にいる結果がこの黒と白なんだなと思うと人生の無常さよなと思った。
・最後、アドニスとデイムの対話のシーン、素直にアドニスが謝罪したのがよかったし、デイムも受け入れて涙し、お互い許し合ったのがよかった。冒頭、デイムがアドニスを車で迎えに来る所、ママクリードはデイムを家に迎え入れてないからああして隠れて会っているんじゃないかな?多分あの時点で保護観察かなにかになってた気がする。ママクリードは徹底してデイムを警戒していたし、デイムはきっとクリードの家にいれてもらえてない。再会したアドニスはデイムを家に招待して、裏切られた時には「家族にも会わせたのに」と言った。そしてお互いを許し合って別れるとき、「いつでも訪ねてきてくれ」と言った。多分、アドニスにとって自分が築き上げてきた象徴とも言える「家」に迎え入れるというのはかなり特別な事で、デイムにそう言ったのは最大の許しだなと思った。安易にお前も家族だとか言わないのがよかった。
・ラスト、観客が誰もいないスタジアムのリングの場面。暖かいシーンなんだけど、私はプロレスが好きでよく観ており、試合が終わるとだいたい即撤収しているのを見るので(リング、片付けなくていいのかな…?!でも多分アドニスが興行主だからそこは気にしなくてもいいのかも…けど陰でスタッフの人たちがやきもきしてないかな…?!)と余計な事を考えてしまった。
・最後、アドニスが空?を見上げるシーン。劇中、ロッキーは名前しか出てこなかったけれど、きっとあそこでロッキーに思いを馳せていたのかなと余韻のある良いシーンだった。エンドロールでプロデューサーとしてスタローンが名を連ねているのが良かった。
・エンドロールでしみじみして、いざアニメが始まったと思ったら、ん?なんか設定が出てきた……あれ……?なんかおもてたんと違うな???
・もっと30秒くらいのやつを想像していたので思いの他長く、濃いアニメでポカーンとしてしまった。とんでもない余韻クラッシャー。マイケル・B・ジョーダンのせいですか?なら仕方ないね。
・メガロボクスみあるなと思ったけど多分監督さんが同じかな?名前が同じだった気がする。違うかも。調べても出てこなかった。主人公のアーサー・クリードが戦う時浮き出る紋様の色味がキルモンガーのスーツを感じて嬉しかった。すみませんがこれは映画とは別で見たかったです。
・感想おわり。ロッキー・クリードシリーズをちゃんと見直してからもう一回見たいと思いました。期待はしすぎたけど、とてもよかったです。


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