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【サッカーを読もう #7】「ムサシと武蔵 / 鈴木武蔵 著」を読んで

ヨーロッパサッカーはインテルが優勝を決めて、他の国のリーグでもあと少しで最終順位が決まりそうです。

ベルギーのリーグは優勝を決めるユニークな制度のプレーオフが始まるみたいですが、今日はそんなベルギーリーグのクラブに所属する鈴木武蔵選手の本を読んで思ったことを書きました!

どんな本?

ベルギー、ベールスホット所属の日本代表FW、鈴木武蔵選手の初の著書。サッカー人生の道のりとジャマイカ人と日本人のハーフとして生きてきた半生が書かれた本。

どんなことが学べる?

・武蔵選手がサッカー選手になるまでの日々のできごとや彼がジャマイカ人と日本人のハーフとして生きてきたなかで受けた扱いと彼自身が感じていたこと
・武蔵選手が移籍や海外挑戦の判断をどのように下したか

どんなところがおもしろかった?

画面の中やスタジアムで見るピッチ上での彼しか知らず、インタビューを読んだこともそこまでなかったので、彼がどのような半生を経て現在にいたり、日本代表やベルギーリーグでプレーをしているのか、その思いに迫ることができる

どんなときにまた読みたい?

・なにか決断をするとき
・武蔵選手の活躍にまた触れることがあったら

どんな人におすすめ?

・これまであまりハーフの方の話を詳しく聞く機会がなかった方
・武蔵選手のファン
・美容師さん!

思ったこと

日本代表にも選ばれて、北海道コンサドーレ札幌やV・ファーレン長崎でも年間2ケタ得点を決める日本でもトップクラスのジャマイカ人の父を持つストライカー。
なんとなく、テレビで見たジャパネットタカタの高田明社長のモノマネから「明るいキャラクター」やインタビューで物腰柔らかくお話をしていて「穏やかそうなキャラクター」というなんとなくの印象をもっていました。

ただ、日本代表に選ばれたのも長崎や札幌で2ケタ得点を決めたのもここ2、3年の話であり、その前に彼がどんな人生を歩んできたかまでは知りませんでした。

彼のジャマイカで生まれて小学生になるときに日本にやってきたという生い立ちのなかで、特に印象的だったのが「髪を切る」ことにまつわる話。

幼少期に理髪店で心ない言葉をかけられたことにより、プロになるまで美容院で髪を切ることができず、自ら髪を切っていたという話には驚きました。
この話を読んで、幼少の子どもに対して、リスペクトに欠ける発言は一生その子どもの胸に残り、生涯の行動を左右しかねないということを大人は常に知っておくべきだと僕は思いました。「小さいからどうせすぐ忘れる」は持つべきマインドではないと思います。
心の傷は見えないので、どうしても自分が傷つけている自覚が芽生えないということは往々にしてあると思います。

これは改めて自分自身、気をつけておこうと思うとともに、プロになってから行った美容師との出来事はポジティブな意味で武蔵選手の人生を変えているように僕は捉えたので、長期的な関わりでなく、初めて会ったその場限りの関係でもポジティブに誰かの人生の背中を押すことができることを学ぶことができました。

髪を切っただけでなく、人生の思い出に残る出来事を作った美容師さん、プラスアルファの仕事ってこういうことなんだと強く思います!

そういえば、先日訪れたお寺にも「他人の外見について、褒め言葉以外口にしない」と子どもたち向けに貼り紙が貼ってありましたが、これは大人たちにも言えることかもしれません。


いろいろと悩むことがあったり、自分の意見を言うよりも、うまく取り繕うことがうまくなったけれど、サッカーをしているときは、さまざまな出会いを含めて、全てを忘れて没頭できたという武蔵選手。
僕自身も怒られないように大人の顔色を伺って行動する子どもで、大人になった今でもうまく自分の意見を伝えることが苦手です。今ですら悩んだり傷つくことがたくさんありますが、それでも、サッカーに触れているときだけは全てを忘れて没頭をしている気がします。

日本代表に選ばれるようなトップストライカーは、周りの目を気にしないわがままな性格の選手が多いのかなと、なんとなく偏見のようなものを持っていましたが、思っていることなど、武蔵選手と共感する部分があるとは思っていなかったので、個人的には親近感が沸きました。しかも、僕個人とは学年も同じだったので、これから応援していきたい選手の1人になりました。

背負うものはたくさんあるかもしれませんが、武蔵選手が心からサッカーを楽しんでいる姿をたくさん見られることを楽しみにしたいと思います!

Hayato



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